俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

正義

2009-06-30 16:50:06 | Weblog
 こんなジョークがある。中年女性が診察中にオナラをした。医師に指摘されると「なぜ分かったのですか。私のオナラは音も臭いも殆ど無い筈ですのに」と言った。医師は彼女の鼻を治療した。
 数日後、彼女がやってきて言った。「私のオナラが急に臭くなってしまいました。あなたは一体何をやったのですか!」医師は答えた。「あなたのオナラはもともと臭かったのです。鼻の治療をしたからあなた自身にも分かるようになっただけのことです。今日は耳の治療をしましょう。」
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 自分で自分の間違いに気付くことは難しい。シーシェパードのメンバーは本気で自分達は正しいことをやっていると信じている。オウム真理教徒はハルマゲドンを信じていただろう。「煙草を追放しろ」と叫ぶ人は喫煙者の権利を剥奪することを正義と信じて疑わない。
 自分達が信じていることのほうがむしろおかしいのではないかと思える人ならこんな偏狭な考えを持たない。自分の価値体系だけが正義な訳ではなく他者の価値体系も正義と認められるなら相互理解も生まれ得る。
 この医師のように、偏狭な考えを是正できる人は一体どこにいることだろう。

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