「鏡の国のアリス」に「同じ場所に留まるためには全力で走り続けねばならない」という言葉がある。まるでルームランナーのような話だ。
私はこの言葉を長い間ルイス・キャロル一流のジョークまたはナンセンスと思っていた。最近になってようやくこの言葉を真面目に捕えられるようになった。老化が始まると体力・知力を維持するためには目一杯努力する必要があるからだ。
若いうちは現状を維持することは容易いことと思えた。週に1・2度鍛えれば現状を維持できるし、全力で鍛えれば現状よりも向上できる。
しかしこれは二流人の世界観だ。一流人は全力で鍛え続けないと現状には留まれない。アスリートは努力を怠れば忽ち力を失う。美女は生活の総てを犠牲にする覚悟をしなければ今の美を維持できない。
恥ずかしい話だが私は二流の世界に甘んじていたから維持することの難しさに気付いていなかった。
老化という現実に直面すると現状を維持することがどれほど大変なことなのかよく分かる。まるで下りエスカレーターを昇っているようなもので昇ることを怠れば忽ち下降してしまう。
生物学では「鏡の国のアリス」のこの言葉を「赤の女王仮説」と呼んでいる。自然界はそれほど厳しいということだろう。それと比べて人間界は何と安楽な世界だろうか。全力で努力しなくても現状に留まれる微温湯社会は人間を堕落させる。
私はこの言葉を長い間ルイス・キャロル一流のジョークまたはナンセンスと思っていた。最近になってようやくこの言葉を真面目に捕えられるようになった。老化が始まると体力・知力を維持するためには目一杯努力する必要があるからだ。
若いうちは現状を維持することは容易いことと思えた。週に1・2度鍛えれば現状を維持できるし、全力で鍛えれば現状よりも向上できる。
しかしこれは二流人の世界観だ。一流人は全力で鍛え続けないと現状には留まれない。アスリートは努力を怠れば忽ち力を失う。美女は生活の総てを犠牲にする覚悟をしなければ今の美を維持できない。
恥ずかしい話だが私は二流の世界に甘んじていたから維持することの難しさに気付いていなかった。
老化という現実に直面すると現状を維持することがどれほど大変なことなのかよく分かる。まるで下りエスカレーターを昇っているようなもので昇ることを怠れば忽ち下降してしまう。
生物学では「鏡の国のアリス」のこの言葉を「赤の女王仮説」と呼んでいる。自然界はそれほど厳しいということだろう。それと比べて人間界は何と安楽な世界だろうか。全力で努力しなくても現状に留まれる微温湯社会は人間を堕落させる。