俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

隠蔽

2011-08-09 13:47:49 | Weblog
 今マスコミは牛肉と米の放射能汚染ばかりを報じているが最も危険なものについては沈黙している。海洋汚染だ。これは手品のトリックと同じようなもので国民の目を逸らすための隠蔽工作ではないだろうか。
 汚染水を大量に海洋投棄して国際的に非難されたし、河川も雨水も放射性物質を海に流し続けている。太平洋の東北地方沿岸の汚染はかなり酷い状態と思われる。
 イカナゴの汚染が公表されたのは4月上旬だったが、その後、海産物の汚染は一切公表されていない。イカナゴが突然安全になったとは考えられないから今なお危険な状態のままなのだろう。
 最も問題なのは海草だ。放射性ヨウ素が10万ベクレルを超えるseaweed(コンブかワカメと思われる)について外国では報じられているが、政府は海草については一切コメントしていない。原子炉のメルトダウンを2ヶ月遅れで発表した実績を鑑みるなら、一番重要な情報は国民に対しては隠蔽されていると考えるべきだろう。
 稲わら同様に汚染されている野菜、一度も公表されていないが確実に汚染されている海草、数ヶ月間公表中断中の魚、これらの情報は隠蔽されていると考えるべきだろう。
 少しばかり汚染された牛肉など大した問題ではない。報道さえされていない海産物の危険性こそ喫緊の要事だ。

平泳ぎ

2011-08-05 14:21:59 | Weblog
 先日の世界水泳での200m平泳ぎで北島選手は2位に終わった。最後の50mで追い抜かれたことについて解説者は「スタミナ切れ」と言っていたが何を見ているのかと言いたい。
 北島選手が失速した原因はラスト25mでピッチを上げたことにある。北島選手の持ち味は大きくゆったりとしたストロークだ。素早く掻き素早く蹴ってあとは最小限の抵抗にして滑るように進むのが彼の泳法だ。
 平泳ぎは推進力も抵抗も大きい泳法だ。推進力を強めようとしてストローク数を増やせば体が立ち上がってしまうので抵抗が増えて却って遅くなる。
 走る場合、ピッチを上げれば速度は増す。それは距離=歩幅×歩数だからだ。しかもスピードが上がれば歩幅も広がる。
 平泳ぎではこの数式は通用しない。確かに距離=1掻き当たりの距離×ストローク数という式は成立する。しかし1掻き当たりの距離はピッチを上げれば上げるほど短くなる。
 クロールや背泳のような抵抗の少ない泳法ではさほど顕著ではないが、平泳ぎの場合は掻くために体を起こすことが抵抗増に直結するのでピッチを上げても速度が上がるとは限らない。
 陸上生活に慣れて抵抗の少ない空気の中で生きている人間は水の抵抗を軽視し勝ちだ。北島選手のような超一流のアスリートでさえ焦ったらピッチを上げてしまうほどだ。頑張ってピッチを上げれば却って遅くなるということが平泳ぎの皮肉な現実だ。

所得制限

2011-08-05 14:05:55 | Weblog
 民主党・自民党・公明党による協議は子ども手当ての対象を年収960万円程度未満とすることで合意した。当然のことだ。年収300万円の人から徴収した税金を年収1000万円以上の人の子ども手当に使うなど全く理不尽なことだ。本来弱者の味方である筈の民主党がこの件に関しては金持ち優遇策を採って来た。
 なぜ民主党は所得制限を認めなかったのか。「社会で子供を育てる」という理念からだろうか。
 実際のところは、大きな支持母体である組合幹部に阿ていたからだろう。大企業の組合幹部の給料は1000万円を超えているからだ。
 私の元勤務先もそうだった。組合員である係長の給与は毎年上がるが、組合員でない課長の給料は据え置かれ続けた。その結果、ベテラン係長や組合幹部の給料は大半の課長よりも高給だった。
 係長という立場は便利だ。たとえ高給取りであろうとも中間管理職ではなく末端労働者として発言できる。ノブレス・オブリージュ(高貴な者の負担)など無視できる。そんな強欲な組合幹部の意向に基づいて所得制限の無い子ども手当てという妙な制度になっていたのだろう。自民党は金持ちの味方だと言われるが、民主党は金持ちの大企業労組幹部の味方だ。

実績

2011-08-05 13:51:09 | Weblog
 先日真田山プールで、係員から注意された男が逆切れして喚いていた。「昨日は何も言わなかったのになぜ今日は文句を言うんだ!」係員は結局ルール違反を黙認した。これでこの男はルール違反のお墨付きを得、今後ずっとルール違反を繰り返すだろう。こうしてルールは済し崩しにされる。
 係員が何と言おうとこの男は「昨日は許されていたのになぜ今日はダメなんだ」と馬鹿の1つ覚えのように繰り返していた。日本人は妙にこの屁理屈に弱い。もし西洋人や中国人ならはっきりとこう言うだろう。「我々は昨日のことについて云々するつもりは毛頭無い。今貴方がやっていることがルール違反だと言っているだけだ。ルールに従うか速やかに退出するかどちらかを選びなさい。これは最終通告です。」
 このゴネ男の理屈が理不尽であることは明らかだ。3分前からルール違反を繰り返していて注意されたら「なぜ3分前に注意しなかったんだ」とゴネているのと同じことだ。係員は断固たる態度を取るべきだ。
 テキ屋も同じ理屈を使う。彼らは「これまでずっとこうだった」と問題を過去での対応へと転嫁する。人間は過去を反省することはできるが改めることはできないことに付け込んだ詭弁だ。彼らの土俵には乗らず、あくまで現在の問題として解決を図るべきだ。合意したことならともかく合意していないことまで過去に囚われる必要は無い。今、改めれば済むことだ。

再生不可能エネルギー

2011-08-02 14:41:53 | Weblog
 「再生可能エネルギー」という言葉は嫌いだ。経済産業省が作った造語だと思うが「永久機関」と同様実現不可能な空虚な言葉だと思う。
 例えば風力発電は再生可能だろうか。風力エネルギーを使うだけだ。もし再生が可能ならぜひ再生して貰いたい。
 エネルギー保存の法則があるからエネルギーは消滅せず何らかの形で残る。それなら火力発電でも再生可能エネルギーと呼べる。火力発電によって作られた電気が温室栽培の野菜を育ててその野菜が次のエネルギー源となり得るからだ。
 勿論私が5月20日付けの記事で使った「自然エネルギー」という言葉にもいちゃもんを付けることは簡単だ。ウランも石油も石炭も自然界に存在するから自然エネルギーとこじつけることは可能だ。
 過去の蓄積ではなく、現在の自然によって恵まれているエネルギーが「自然エネルギー」の名に相応しい。勿論これは再生可能ではない。もし太陽エネルギーを大量に蓄電池に蓄えてしまえば地球は急速に寒冷化するだろう。
 「再生可能エネルギー」などという事実無根の言葉を安易に使うべきではない。それは幻想をバラ撒くだけだ。今後ずっと使えるという意味なら「持続可能エネルギー」という言葉のほうが正しかろう。

雑種民族

2011-08-02 14:26:51 | Weblog
 日本人は長寿を誇る。女性は26年連続世界一だ。この長寿の秘訣はバランスの良い日本食にあると言われているが、多分誤りだろう。日本人という民族が先天的に長寿だからだろう。
 ハワイの日系人は日本人よりも長寿で世界一長寿な集団と言われている。また沖縄県民は復帰後しばらくは日本一の長寿県だったが本土化が進むにつれて普通の県になりつつある。
 このことから言えるのは日本食の日本人よりもアメリカ食の日本人のほうが長寿だということだ。なぜこのことをこれまで誰も指摘しなかったのか不思議だ。
 ではなぜ日本人が長寿なのか。それは雑種だからだろう。
 日本人のルーツは縄文人と弥生人だ。弥生人は大陸および半島からの帰化人と縄文人との混血だと言われている。
 縄文人の正体は未だよく分かっていない。多分、海面後退期に陸続きになった南方のマレー系と中国南部と半島および大陸北部の人々による混血だろう。
 家畜は雑種のほうが純血種より生命力が強いと言われている。雑種のほうが多様性があり、しかも劣性遺伝子の悪影響を受けにくいからだ。日本人を単一民族と考えるのは誤りだ。日本人とは雑種民族だ。
 なお秋田県には色白の秋田美人が多い。秋田県人には本来日本人には無い筈のロシア人特有のDNAがしばしば見つかるそうだ。多分ロシアの漁民が漂着して子孫を残したからだろう。こういった事情も日本人の多様性に貢献している。

副作用

2011-08-02 14:11:31 | Weblog
 病死した人の数割は多分薬の副作用で死んだのではないだろうか。死んでしまえば病気が原因なのか副作用が原因なのか分からない。
 1918年から19年にかけて大流行したスペイン風邪では2300万人が亡くなったそうだ。勿論このスペイン風邪とは新型インフルエンザであり、この時治療薬として使われたアスピリンに関して恐ろしいデータが残されている。
 日本では、一般市民でアスピリンを使わなかった場合で0.17%、使用した場合は5.1%が死亡した。軍隊では使わなかった場合は3%、使用した場合は20%が死亡したそうだ。理由は2つ考えられる。
 ①免疫力の低下
 アスピリンは鎮痛解熱剤だ。強制的に熱を下げて不快感を緩和する薬だ。しかし体温が上がることには2つのメリットがある。1つは免疫細胞の働きを活性化することであり、もう1つは細菌やウィルスの活動を鎮めることだ。無理矢理熱を下げることによって免疫力は低下しウィルスの活動は活発化する。アスピリンを使って熱を下げることはインフルエンザウィルスを利することにしかならなかった。
 ②副作用  
 薬理学の教科書には「副作用の無い薬は無い」と明記されているそうだ。インフルエンザで体力が消耗している人に、毒でもあるアスピリンを投与すれば、薬ではなくただの毒になってしまう。現在ではインフルエンザ患者へのアスピリンの投与はライ症候群という副作用を招くとして原則的に禁じられている。
 同じ愚行を今でも続けているのではないだろうか。