私の子供時代の親との思い出は、多くはない。
母と遊んだ記憶は全くないが、父との思い出は少しある。
母は、いつも自分の事で忙しく、子供と遊ぶような人ではなかった。
周りとの付き合いが大切で、子供の事など興味がない。
まあ、そのせいで、母は今でも近所に友達がたくさんいるのだが、私達子供の記憶の中に、母の面影があまりないのだ。
父との思い出は、ある夏の日、父の友達の子供達と、私達兄弟と、みんなで電車に乗り、歩いて広々とした田んぼの中で虫を捕まえた事だ。
途中で雷雨となり、見知らむ農家の小屋で雨宿りさせてもらったら、そこの家の人が
お茶をご馳走してくれたつけ。
それから、父とサイクリングに出かけ、山登りした思い出。
2人とも泥だらけになって、山を滑って降りた。
それがまた楽しかった。
あとは、お正月は父と私達兄弟とトランプや花札をやって、これも楽しかった。
あとは、うーん、このくらいしか思い出せない。
親が子供と遊ぶ事、それは子供の記憶の宝物なんだなぁとしみじみ思う。
お金をかけなくても、子供と共に歩き、遊ぶ事は、子供が大人になった時に、記憶の中で火を灯し続ける。
私は、子供達の記憶の中に火を灯せただろうか。
思いっきり子供と向き合い、遊んだだろうか。
子供達の中の私の記憶は、どんな事なんだろう。
いっぱい旅行に行ったけど…
そういえば、母の会社の人達とも毎年バスで海に行った。
でも、海に行っても、母は周りの人とばかり話して、子供には興味がない。
なので、海に行った記憶はあっても、母と遊んでもらった記憶ではないのだ。
私は、子供達と真剣に遊んだだろうか。
子供の興味や関心にちゃんと向き合っていただろうか。
そう考えると自信がない。