ベルのきもち

日常のささやかな幸福感を書いていきたいと思います。

過ちの雨が止む

2022-06-02 09:38:00 | 本の紹介
、byアレン・エスケンス。
務台夏子訳。
創元推理文庫。

ジョーはアル中で男癖の悪い最悪の母親と絶縁し、

障害を持つ繊細な弟を引き取り、弁護士を目指すガールフレンドと暮らしている。

彼は苦学して大学を卒業後AP通信社の記者となった。

ある日、自分と同じ名前の男が不審死したことを知り・・・

もしかしたらこの男が会ったこともない父親かもしれないと考えたジョーはその町に行き、事件を調べはじめた。

町の誰からも嫌われていたろくでなしのその男は、農園主の娘と結婚して、遺産を遺していた。しかし・・・



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街への鍵

2022-02-21 10:36:00 | 本の紹介
byルース・レンデル。山本やよい訳。
レンデルが亡くなり、はや7年。この小説は1996年に上梓され、日本には2015年に翻訳かれ発行された最後の小説。20年前のロンドンとそこで暮らす人々を描いているが、時代の古さは感じない。

主人公はミドルクラスの若い女性、メアリ。ほかにヤク中のホブ、ホームレスのローマン。富裕層の犬の散歩をして生活のたしにしている老人ビーン。彼ら4人の視点から物語は進行する。レンデルの人物描写はさすが。




メアリは博物館に勤める若い女性、支配的な恋人アリステアと同居しているが結婚の話はない。あるときメアリは見知らぬ白血病患者のために骨髄移植をする。身体に傷をつけたことでアリステアは激怒、彼女に暴力をふるいメアリは家を出た。ちょうどその頃、祖母の友人夫婦が長期の旅行のため、留守番をメアリに頼んだので彼女はその屋敷に移りすむ。そして骨盤の提供相手の男性と出会い、恋に堕ちる。それが・・・


梅小路公園では梅が咲き始めました。










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贋作

2021-03-29 15:53:00 | 本の紹介



byパトリシア・ハイスミス。上田公子訳。河出文庫。
『太陽がいっぱい』の主人公、トム・リプリーのシリーズ、2作目。
トム・リプリーは富豪の友人ディッキーの遺書まで偽造し大金をせしめ、これまた富豪の娘エロイーズと結婚、パリ郊外に屋敷を構え悠々自適の生活を手に入れた。また天才画家、タフツの贋作ビジネスにも関わっていた。が、ある日、絵画蒐集家のマーチソンが疑問を持ち画廊関係者に追求する。トムはタフツになりすましてこの難局をやり過ごそうとするが・・・

さて、今朝のベル。




芹田の前の道路で鴨発見。




ベルとツーショットの写真を撮りたかったんですけど。


この後、ベルが脅かし、鴨のペアは飛んで芹田へと。



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太陽がいっぱい

2021-03-12 13:12:00 | 本の紹介






byパトリシア・ハイスミス。佐宗鈴夫訳。河出文庫。

ある日、トム・リプリーはバーで富豪のグリーンリーフ氏から声をかけられる。グリーンリーフ氏はトムを息子、ディッキーの友人だと勘違いしていた。ディッキーが南イタリアの避暑地に移り住み絵を描いたり楽しく遊び暮らしていたのをアメリカに呼びもどしてくれないかと頼む。旅費と滞在費はもつという。トムは心よくグリーンリーフ氏の頼みを聞き入れ、イタリアに行く。そこでトムはディッキーと親しくなり彼の家に寝泊まりするように。ディッキーにはマージという女友だちがいて、やがてふたりはトムを厭わしく思うようになり、トムを排除しようとした時、トムは・・・

さて、別の日のベル。













散歩から帰ってきたベル。






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アメリカの友人

2021-02-25 14:40:00 | 本の紹介



byパトリシア・ハイスミス。佐宗鈴夫訳。河出文庫。

パリ南部の歴史ある田舎町、フォンテーヌブローで額縁商を営むジョナサンは妻と息子とつましく暮らしていた。妻子を愛している彼の唯一の心配事は、自分は白血病に罹っていて長くは生きられないということ。一方、富豪ですでに犯罪を犯しているトム・リプリーはそんなジョナサンに目をつけ、ゲームを仕掛ける。それはごくごく普通の小市民、ジョナサンを多額の報酬をエサに死への恐怖を利用して、殺し屋に仕立てあげるというもの。窮地に置かれたら人は同じ、いともたやすく一線を踏み外すものだとこの小説は教えてくれる。


さて別の日のベル。




朝の散歩時間がだんだん遅くなっていき・・・






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許されざる者

2021-01-29 10:52:00 | 本の紹介



byレイフ・GW・ペーション。久山葉子訳。創元推理文庫。

スウェーデン、国家犯罪捜査局の元長官、ラーシュは脳塞栓を起こし一時、意識不明になり、右手が不自由に。彼が名うての捜査官だと知って主治医のウルリカは、25年前の未解決事件(9歳の少女が暴行され惨殺された事件、とっくの昔に時効が成立)の話をする。彼女の父は牧師をしていて犯人を知っている女性の懺悔を聞いたと。牧師は亡くなる直前まで悔やんでいたらしい。ラーシュは調べていくうち一人の男の名前が浮かび上がり、ウルリカもこの痛ましい事件の背景に関わっていることが後にわかるが・・・

さて、最近のベル




寝ています。






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もうひとりのタイピスト

2021-01-16 16:14:00 | 本の紹介



byスーザン・リンデル。吉澤康子訳。東京創元社。
舞台は1924年、禁止法が施行されていたニューヨーク。第一次世界大戦後、当時、景気もよく女性に参政権が与えられ、断髪(ボブカット)が流行したころ。ローズは警察署でタイピストとして働いていた。彼女は孤児院で育ち、品行方正、地味で貧しかった。ある日、新しいタイピスト、オーダリーがやってきた。彼女は洗練されていて美しく、職場の男たちだけでなく、ローズさえも魅了した。オーダリーは裕福で身につけるもの、食べるものは最上、タクシーで通勤、一流ホテルのスィートルームに住んでいた。オーダリーはローズに近づき、ふたりは親友同志になった。やがてローズはオーダリーとホテルに住み、行動をともにし・・・オーダリーの犯罪に巻き込まれていく。

さて、別の日のベル。







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氷の双子

2020-12-29 15:45:00 | 本の紹介
byS・K・トレメイン。国弘喜美代訳。小学館文庫。




一卵性双生児の姉の方、リディアがバルコニーから墜落死した。そのショックから母、サラは立ち直れないでいた。一年後、スコットランドの北の孤島に転居するが。そこはサラの夫アンガスが祖母が暮らしていて、祖母の死後、アンガスが相続した島だった。島には灯台と祖母が暮らしていた住居しかなく、長年無人島になっていた。住居を改修、水道と電気をひいてなんとか住めるようになった。一方、残された双子の妹、カースティは新しい小学校に馴染めず、精神的に不安定。自分は実はリディアで亡くなったのはカースティだと言い始め、ときどきカースティの亡霊を見るのだと。一卵性双生児は親でも見分けるのが困難で、母のサラでも確信できない。亡くなったのはどっち? ほんとうに死因は事故? 不可解な出来事が重なり、夫アンガスの不倫、サラ自らの不倫が暴かれ・・・夫婦関係は破綻、サラはだんだん病んでいき・・・すべてが明らかになったとき、衝撃的なラストを迎える。

さて、今日のベル。







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念入りに殺された男

2020-12-12 15:49:00 | 本の紹介



byエルザ・マルポ。加藤かおり訳。ハヤカワポケットミステリー。

アレックスは、フランスの北西部に位置するナントで夫とペンションを経営して二人の娘を育てている。彼女は若い頃は作家を目指していたが傷害事件を起こして精神科に入院していたこともあったが現在は愛する家族と平穏に暮らしている。ある日、大物作家、シャルル・ベリエがお忍びで彼女のペンションにしばらく滞在することになった。最初のうちはベリエとうまくいっていたが、ある夜、アレックスはベリエに襲われて激しく抵抗、逆に彼を殺してしまった。彼女は彼の遺体を敷地内に埋めて、翌日、パリに出る。ベリエのマンションに滞在して、彼のアシスタントを名乗り、ベリエの人間関係を探り、誰かに罪をなすりつけられないかと考える。彼を深く知りたいためにベリエの小説を丹念に読み込み、snsにも彼の名前で投稿しはじめる。そして中断されたベリエの小説を書きはじめ・・・

さて、別の日のベル。




寒いのでお散歩用の服を買ってあげたものの、ちょっと小さかったかな。






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銀の夜

2020-11-29 09:23:00 | 本の紹介



by角田光代。光文社。

高校生のときバンドを組んでメジャーデビューしていた三人の女性たち、ちづる、麻友美、伊都子のその後の物語。彼女らは現在30半ば。裕福な夫と結婚して6歳の娘の母親になっている麻友美。著名な翻訳家を母に持つ伊都子はフリーのカメラマンをしている。細々とイラストの仕事をしているちづる。三人はそれぞれ問題を抱えている。専業主婦の麻友美は娘を芸能人にして自分の夢を叶えたい。しかし内気で引っ込みじあんの娘にままならない。夫が20代の若い女性と不倫しているちづる。既婚者の恋人を持ち、偉大な母の呪縛から逃がれられない伊都子。しかしあることがきっかけで三人は誰にも頼らず、それぞれの道を自分の足で歩きだそうと決意する・・・

さて別の日のベル。




車に乗って、ちょっとお出かけしました。




ちょっぴり疲れました。

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果てしなく輝きの果てに

2020-11-08 08:53:00 | 本の紹介
byリズ・ムーア。竹内要江訳。ハヤカワポケットミステリー。






ミッキーは5歳の男の子、トーマスのシングルマザーで、フィラデルフィア市警のパトロール警官。ミッキーには過酷な子ども時代をともに過ごした妹、ケイシーがいる。ふたりは麻薬中毒者の母が亡き後、祖母ジーに育てられるが、ジーは仕事をかけもちし、かつかつの生活をしていて二人の孫はやっかい者でしかない。やがてティーンエイジャーになったケイシーは薬に溺れて道を外した。一方、ミッキーは警察運動協会の無料のプログラムで知り合った巡査、サイモンの影響を受けて、警官になった。ある日、線路際で薬をやっていた若い女性の死体が発見される。その後同じような手口で殺された女性の事件が続いて、ミッキーはにわかに心配になる。そう言えばこのところパトロールでケイシーの姿を見ていない。ミッキーはケイシーを探しはじめる・・・

さて、別の日のベル。

夜明け前の薄くらい公園で。
今朝は霧で幻想的な光景でした。








いつもこの時間になるとやってくる、人気者のミィちゃん。


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苦悩する男

2020-11-05 08:45:00 | 本の紹介



byヘニング・マンケル。柳沢由実子訳。創元推理文庫。

5年前に癌で亡くなったヘニング・マンケルの刑事ヴァランダーシリーズ最後の事件。
ヴァランダーも引退間際、だんだん心身の衰えを自覚する年齢にさしかかってきた。娘、リンダは刑事になり、結婚してクラーラというかわいい孫にも恵まれた。ある日、ヴァランダーはリンダの義父ホーカンの誕生日パーティーに招待された。ホーカンは元海軍の司令官だった。その際に話したことになにかひっかかるものを感じたヴァランダーだったが。何日か後、ホーカンは突然、失踪。続いてホーカンの妻も行方不明に。妻はロシアのスパイという汚名を着せられたまま自殺死体として発見された。ヴァランダーは最近、記憶が途切れることがあり、いいようのない激しい孤独に苛まれ老いに向き合いながら、独自に事件を追い始めるが・・・

さて、別の日のベル。




今日も元気にかけっこができるベル。






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ときどき私は嘘をつく

2020-11-02 09:05:00 | 本の紹介



byアリス・フィーニー。西田佳子訳。講談社文庫。

私(アンバー)は覚醒した。耳は聞こえるが、喋れず、身体も動かない。どうやら事故に遭ったらしい。ここは病室らしく私はいろん管に繋がれている。何があったか思い出せない。それに私はまわりから意識がないように思われている。夢を見たり覚醒したりを繰り返しながら見舞い客や親族、医師、看護師の話から少しずつ記憶がもどり始める。過去と現在が交差して、だんたんと自分を取りもどし・・・しかし・・・



さて、別の日のベル。




散歩から帰ってきたベル。




庭で追いかけっこをしているつもり?






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不協和音

2020-10-03 09:18:00 | 本の紹介
byクリスティーン・ベル。大谷瑠璃子訳。小学館文庫。




一年前に夫、デズを癌で亡くしたリリーは未だ喪失感と悲しみの感情から立ち直ってはいない。しかし12歳と5歳の息子たちを育てるため前向きに生きていかないといけないと日々、家事にくわえて財団で昔の音楽を整理して保存するバイトをしている。そんなある日、見知らぬ女性からお悔やみの手紙が届く。ジャスミンと名乗るその女性はデズの元恋人だといい、最愛の人を亡くした同志、悲しみや思い出をわかちあおうと返事を求める。それが悪夢のはじまりだった。その後、リリーの行動を把握、監視したように、結婚記念日にネグリジェを送ってきたり、リリー母子が外出したすきに庭を綺麗にしたり、とうとう家の中まで侵入し、どんどんエスカレートしてくる。snsで勝手に夫の追悼サイトまで作られ、リリーの心は乱れ、ちょっとした行き違いで友人に去られ、仕事を首になる。誰を信用してわからず、恐怖を感じたリリーは家を処分する覚悟をし、息子たちと実家にもどるが。そこで待ち受けていたものは・・・

さて、別の日のベル。










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噂 殺人者のひそむ町

2020-09-06 15:01:00 | 本の紹介
byレスリー・カラ。北野寿美枝訳。






ジョアンナはロンドンで大手の不動産会社に勤務していたが、フリーライターのハンサムなマイクルと出会い、妊娠。しかし二人は結婚を望まず、ジョアンナは故郷の田舎町に移り住んだ。ジョアンナの父は幼い頃、自分たちを捨てて以後連絡を絶った。それもジョアンナがシングルマザーになった理由の一つだった。マイクルとは息子、アルフィーと一緒に会ったり相談したりする良好な関係だった。ある日、ジョアンナはママ友から、この町に昔、10歳の時、5歳の男の子を刺殺したサリーという女が名前や過去を変えて住んでいるという噂を聞いた。ジョアンナの息子は肌の色が違うという理由でクラスメイトからはじかれていて。彼女は息子のためにママ友とうまくやっていきたい気持ちでこの噂をひろめてしまう。さらにフリーライターのマイクルにも知られて、彼は興味を持ち調べはじめる。そしてジョアンナの家に引っ越してくる。噂が噂を呼び、ひとり歩きしたとき悲劇がさらに悲劇を呼び込む。

さて、いつかのベル。




暑いから、朝散歩は夜明け前から。






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