byルース・レンデル。山本やよい訳。
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レンデルが亡くなり、はや7年。この小説は1996年に上梓され、日本には2015年に翻訳かれ発行された最後の小説。20年前のロンドンとそこで暮らす人々を描いているが、時代の古さは感じない。
主人公はミドルクラスの若い女性、メアリ。ほかにヤク中のホブ、ホームレスのローマン。富裕層の犬の散歩をして生活のたしにしている老人ビーン。彼ら4人の視点から物語は進行する。レンデルの人物描写はさすが。
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メアリは博物館に勤める若い女性、支配的な恋人アリステアと同居しているが結婚の話はない。あるときメアリは見知らぬ白血病患者のために骨髄移植をする。身体に傷をつけたことでアリステアは激怒、彼女に暴力をふるいメアリは家を出た。ちょうどその頃、祖母の友人夫婦が長期の旅行のため、留守番をメアリに頼んだので彼女はその屋敷に移りすむ。そして骨盤の提供相手の男性と出会い、恋に堕ちる。それが・・・
梅小路公園では梅が咲き始めました。
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