他国領攻撃特化 厚壁貫通も
日本購入トマホーク 性能判明
全イージス艦に配備
岸田政権が進める「敵基地攻撃能力」保有の一環として、防衛省が取得を進めている米国製の長距離巡航ミサイル・トマホークは最新鋭の「ブロックV(5)」で、対地攻撃に特化したものだと分かりました。搭載される弾頭は厚い壁を貫通し、無数の破片が飛び散って内部を破壊することが可能とされています。他国領土への攻撃に特化した兵器で、もはや「専守防衛の範囲内」との説明は成り立ちません。
米軍は2021年から、航法・衛星通信能力を向上させた「ブロックV」の配備を開始。今後、主に洋上の艦船を攻撃する「ブロックVa」(MST=海洋打撃トマホーク)と、対地攻撃に特化した「ブロックVb」に分かれます。防衛省は本紙の取材に、「取得を進めているトマホークは最新型のブロックVで、対地攻撃用となる」と回答しました。
「ブロックVb」には「JMEWS」(統合複合作用弾頭システム)と呼ばれる弾頭を搭載。厚い壁を単発で貫通・破壊できるとしています。政府は敵基地攻撃の対象として、政府機関など相手国の「指揮統制機能」も挙げています。強固な防護壁で覆われた地下司令部などの破壊を可能とするものです。
さらに、JMEWSは着弾後に無数の破片を生成する「爆破・破砕」機能を有しています。破片が高密度で飛び散り、防護壁内部の人員を殺傷することが可能です。米軍がイラクやアフガニスタンで使用した地中貫通爆弾(バンカーバスター)と、無数の子爆弾が分散するクラスター(集束)爆弾のような能力を併せ持つ殺りく兵器です。
また、海上自衛隊のイージス艦全8隻をトマホーク配備可能にする計画も判明しました。防衛省は23年度予算にトマホーク400発の購入費用2113億円と、イージス艦にトマホークを搭載するための関連器材の取得費1104億円を計上。同省は、関連器材の取得費は「8隻分」だと明らかにしました。24年度にイージス艦の改修費用を盛り込み、25年度以降、トマホーク配備を狙っています。
イージス艦が配備される横須賀(神奈川県)、舞鶴(京都府)、佐世保(長崎県)各基地周辺に、トマホークを保管する大型弾薬庫が建造され、有事の際の攻撃目標となる危険があります。
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