宇宙産業はここに衛星を打ち上げ、この衛星を活用した各種サービスを中心に行われる。そのため、宇宙産業は衛星やロケットそのものよりは衛星を活用した情報通信(IT)産業に近い。

2024-06-01 09:49:57 | しらなかった
 

韓国版NASA「宇宙航空庁」発足、

宇宙開発は日常をどう変えるのか

登録:2024-05-30 19:22 修正:2024-05-31 08:09

 

宇宙開発任務の中で最も多く投資される「衛星打ち上げ」 
衛星通信の発展で派生技術の発展と雇用創出を期待
 
 
昨年5月23日、無人特殊移動車両に載せられ全羅南道高興郡の羅老宇宙センターの発射台に移送中のヌリ号=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 「宇宙開発」という言葉からは最初に月や火星、小惑星のような太陽系内の天体探査を思い浮かべる。しかし、これは主に科学的研究領域であり、産業的側面では地球と月の間の近地球空間である「スペース」にさらに注目する。韓国を「7大宇宙強国」に分類する理由も、昨年5月に実用衛星を載せて打ち上げた「ヌリ号」3回目の発射を通じて、独自技術でこの近地球空間への進出が可能になったためだ。宇宙産業はここに衛星を打ち上げ、この衛星を活用した各種サービスを中心に行われる。そのため、宇宙産業は衛星やロケットそのものよりは衛星を活用した情報通信(IT)産業に近い。

 実際、宇宙航空庁の発足初年度である今年、韓国政府が確定した「宇宙開発振興施行計画」によれば、宇宙開発の5大任務である宇宙探査、宇宙輸送、宇宙産業、宇宙安保、宇宙科学に2024年は計9923億ウォン(約1100億円)を投資するが、このうち衛星発射に関連する宇宙輸送(2221億ウォン)、宇宙産業創出(5494億ウォン)に最も多くの投資が行われる。

 2022年の世界宇宙産業の規模は3840億ドル。韓国宇宙技術振興協会が出した「2023宇宙産業実態調査報告書」は、この中でナビゲーションを筆頭とする地上装備(37.8%)と衛星テレビ、衛星インターネットのような衛星サービス(29.4%)分野が最も多くの比重を占めると分析する。特に、米国の宇宙企業スペースXのスターリンクのように、低軌道群集衛星を利用した衛星通信分野が脚光を浴びている。インターネットや携帯電話が今のように地上網や海底線路ではなく衛星を利用してつながり、それこそ全世界が隙間なくつながることになる。

 宇宙開発が重要なもう一つの理由は、その過程で得られる派生技術が与える経済的効果が大きいためだ。ヘルメットなどの材料である炭素繊維や自動車の安全装置のエアバッグ、火災警報器、浄水器などは、すべて米航空宇宙局(NASA)の宇宙船の開発過程で誕生した材料と技術から始まった。磁気共鳴映像(MRI)、コンピューター断層撮影(CT)も、その中核となる技術は1960年代に月に着陸したアポロ宇宙船のデジタル映像処理のために開発されたものだ。最近は気候変動や災害への対応、安保的側面での重要性も大きくなっている。

 派生技術の拡散は、雇用創出にもつながるとみられる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は3月13日、慶尚南道泗川(サチョン)の韓国航空宇宙産業で開かれた「宇宙産業クラスター」発足行事で「2045年までに25万件以上の良質な雇用を創出する」と明らかにした。

 これに関して、韓国航空宇宙研究院のチェ・ギヒョク責任研究員も「政府の計画どおりならば、今後20年間に国内の宇宙事業関連の市場は、ほぼ20倍の100兆~200兆ウォン(約11~23兆円)の市場になる」として、「衛星通信や放送、ナビゲーションのような衛星活用分野で膨大なベンチャーが生まれるだろう」と話した。例えば「既存の衛星航法装置の誤差を1メートル以下に減らす韓国型衛星航法システム事業(KPS)にはロケットの2倍を超える資金が投入されるが、視覚障害者のためのサービスなど新しい事業領域が生まれる可能性がある」と強調した。

パク・キヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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