製造業が生き残るひとつの方法は、低価格商品を提供することだといった。それには低賃金地域を開発してそこで製造させる方法をとるのが通常だ。つまり、企画と販売は先進国で行うが、製造は後進国で行う。
ただ、先進国の国内の中に低賃金労働者を作り出し、そこから安い製品を作りだせれば、わざわざ後進国に行く必要が無い。派遣労働などはこのような手法はこれだ。
しかし、派遣労働がいかに安く使われようと、後進国より賃金が高い。したがって先進国内で安い製品を提供するモデルの製造業を行うのは難しい・・・ と思っていた。しかし、アメリカは信じられないビジネスモデルを作りつつある。それが囚人ビジネスだ。
州政府は財政困難から様々な負担を囚人に押し付けている。つまり部屋代・食事代、それだけでなくトイレットペーパーや図書館利用料までも有料にして囚人に請求している。そのせいで囚人は借金漬けになってしまう。囚人は借金を返すために働かなくてはならない。そしてその弱みにつけ込んで最安値の労働力として利用する。
たとえば、電話交換手などはインドなどで行われていたが、インド人より安く使えるなら、国内の方がいい。囚人の電話交換手は雇用保険も要らず低賃金でも文句は言えない。ストも無ければ組合も作れない。
アメリカの人口は世界の5%だが、囚人数は世界の25%を占める。それこそ囚人は腐るほどいる。夢のような労働力である。
アメリカの投資家がいま注目している投資先は、利益率の高い刑務所ビジネスである。
ある種の奴隷である。アングロサクソンはこのように奴隷をつかうのが文化がある。
日本人にはちょっと考え付かない発想である。恐ろしい話だ。