予定では、奈良田温泉の付近の駐車場にクルマをとめて、そこからバスで一時間くらいかけて広河原に行き、北岳、間ノ岳、農鳥岳を登って、それから奈良田に下って、温泉に入ってニコニコ帰ろうというものだった。しかし、この予定はもろくも崩れ去ってしまった。というのも、ナビに奈良田までの道が通行止めになった、と表示されたのだ。どういう事か意味が分からなかったのだが予定を変更して、芦安の駐車場にクルマを止め、そこからバスで広河原に行った。今考えれば、それでよかったと思う。農鳥岳経由の行程は相当ハードで、そこまで行く体力がなかったと思うからだ。結果オーライである。
奈良田までの道が通行規制されたのは、多分、奈良田の駐車場がいっぱいになってしまったからである。奈良田は200台止められるということなのだが、クルマがいっぱいになると邪魔になるだけだから、通行規制されるのだろう。芦安も第8駐車場くらいまであって700台くらい止められるのだが、8時頃に着いたときにはもうほとんどいっぱになっていた。私たちのクルマがほとんどラストくらいだった。だから、マイカーで行こうとする人は、前の日に入ることをお薦めする。それは相当早く行くか。
芦安から広河原までバスで一時間弱位かかる。なんで広河原までクルマで行ったら悪いんだと思ったが、バスに乗ってみたら理由がすぐに分かった。崖で道が狭くてあんなところにクルマがガンガン通ったら、大変な事になってしまう。たしかにバスで移動するのが合理的である。
バスを降りて吊り橋を渡って広河原山荘の前から登山道が始まる。天気がよくて気持ちがいい。
広河原山荘を20分くらい登ると、白根御池分岐がある。樹林帯の中を通って行けば白根御池小屋に、雪渓の見える谷側の道へ行けば八本歯のコル方面へ行くことになる。私たちは、樹林帯の白根御池小屋を目指す。
本当は、初日で白根御池小屋で休憩して肩の小屋まで行く予定だったのだが、分岐から白根御池小屋までの3時間が坂続きでアホみたいにきつかった。平坦なところは殆どなく心臓破りの坂が続く。御池小屋には12時頃着いたのだが、バテバテでもう歩きたくないということで、御池小屋に泊まることにした。あとでその判断が正しかったことを知ることになるのだが、その時点ではまだ分からない。
まだ12時頃なのに、池の付近にテントを張って休む。
御池小屋はトイレも水洗だし清潔感があって素晴らしい小屋だった。私が今まで行った小屋の中で一番綺麗な小屋だと思う。スタッフも親切だ。もう一度泊まってもいいなぁと思わせる小屋である。
明日から地獄が始まるのだが、まだこの時点では分からない。夕方四時にホイコウロウを作ってビールを飲んでいる。のんきなものだ。