フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

天使の囀り 貴志祐介

2012年05月11日 08時19分09秒 | 読書・書籍

 貴志祐介の「天使の囀り(さえずり)」を読了。


 これで貴志氏の小説を三冊読んだことになる。その中で、この本が一番面白かった。
 ただ、どう面白かったかを説明するのは難しい。なぜなら、それを言っちゃうとネタバレしてしまうからである。
 
 一応、ジャンルは、ホラーということになっている。しかし、私はミステリーだと思っている。謎を知りたいとおもい、夢中になってページをくくっていたから。
 気持ちの悪い寄生虫のような虫(線虫)が出てくるが、そういう生物が嫌いな人にとってはホラーなのかもしれない。そういう虫的なものが本当に嫌いな人は読まないほうがいい。
 しかし、恐怖は、実は快楽とちかいところにある。それがこの小説のひとつのテーマでもある。だから、怖い怖いと思いながら、人間はそれに近づいてしまう。
 怖いといって目をそむけるより、こわごわ見てみるのも、実は楽しい。
 
 それから、このような科学的なテーマを扱った小説はいつ書かれたかが、意外と重要である。古い小説は、今の進歩と食い違ってくるからである。
 この小説の初版発行は1998年になっている。だから、この小説が書かれたのは、だいたい15年前くらいである。それにも少しびっくりする。今読んでもまったく古くないのだ。


 脳神経学や生物学などよく勉強していて、今読んでも新鮮である。当時、これだけのことが書けたことがすごい。私も生物的なことは興味があって、よく知っている方であるが、それでも知らないことがほとんどだった。


 もし、時間つぶしのために何を読もうか迷っている人、自信をもってお薦めする。

コメント
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