今日は肥満について、科学的に分析してみようと思います。
食事をすると、脂肪細胞からレプチンをいうホルモンが分泌されます。
このレプチンというホルモンは、満腹中枢を刺激します。
このレプチンによって脳が満腹だと判断するわけです。
レプチンは、食後20分くらいに、もっとも分泌量が多くなるようです。
だから、できるだけゆっくり食べることがいいのですね。
ただ、レプチンが大量に分泌されているにもかかわらず、満腹だと思わないタイプの人がいます。
それは、レプチンの受容体に問題があり、レプチンをきちんと受けれないからです。
そのような人は、いくら食べても満腹感がなく、食べ続けることになります。
当然、肥満になってしまいますよね。
レプチンの受容体の問題については、いまだ明らかになっていないそうです。
それと、もう一つの視点があります。
ドーパミンです。ドーパミンは快感ホルモンです。
このホルモンを受容することで、快感や幸福感を得ることができます。
そして、ドーパミンは依存症と深く関係しています。
依存症の人は、ドーパミンの回路がうまく機能していないそうです。
つまり、快感を得ようとしているのに、ドーパミンをうまく受け取れない。
そのため、欲求不満になっていて常に何かを求める結果になります。
依存症にもいろいろありますが、肥満は、ある意味、食物依存症ですから、この原理が当てはまるのです。
肥満の人は、ドーパミンの受容能力が低いことがわかっています。
食べても食べても満足が得られない。
このホルモンをコントロールするための薬がアメリカで研究されています。
しかし、決定的な薬はまだ開発されていないようです。
ダイエットの市場は、巨大で儲けも大きい。だから研究は盛んですが、まだまだ、謎の多い分野です。
今わかっているのは、意志が弱いから肥満になるわけではないことです。
豊富に食べ物がある状態に、人間の本能が戸惑っているだけかもしれませんね。