その壱 おいてけ
口入れ屋の娘 お紺が男にだまされた
言い争いのはずみで男を殺してしまう
お紺を慕っている手代の常吉は
河童のおいてけの噂がある錦糸堀へ
男を運ぶ
真相が明らかになった時
お奉行の人情さばき下される
その弐 あかいと
文七とお糸
お互いに惚れ合っているのに
なかなか先に進まない
そんな時
文七が大怪我をする
その参 すりきず
お駒
親に捨てられ
助けてくれたのは
スリのお露だった
お駒は鉄斎のおかげで今は足を洗っている
お駒が働いているのは
紙問屋 大黒屋
お駒の勘で大黒屋の不審な動きを
鉄斎に相談したことから
大捕物に・・・
その四 よいよい
阿波徳島藩 勘定奉行の嫡男
錦之助は酒乱
そのせいで浪人となり
江戸へ出てきた
占いを異常に信じるお雅との出会い
そしておけら長屋の住人との出会い
その五 あやかり
酒屋の奉公人松吉が
迷い猫を飼うことになった
溺愛する松吉
しかしその猫が行方不明になる
その頃 御旗本や武家の妻女の間で
猫を飼うのが流行っていた
将軍御抱えの絵師が描いた猫の絵が
発端
猫を捕まえて売っている者がいる
捕まえてみればその男は病気の妻と
幼い子供が四人いて
家のことで忙しくしているうち
仕事も失くしていた
さておけら長屋の住人はどうやって
これを片づけるのか?
お節介な者ばかりが住むおけら長屋
お染は言う
お節介をやくのは
その人のことが好きだからだろ
嫌いな人にお節介なんてやかないからね
だからあたしたちは
好きな人がいっぱいいるってことさ