トライアングルの部屋

シニア街道をゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

ほんとうの花を見せにきた 桜庭一樹

2017-12-16 10:19:36 | 本 2017年
衝撃のスタート

母親と姉が殺された
男の子は隠れていて助かった

目の前の母親の死体

そこに男がやって来る

殺人犯ではない別の男

そして母親の体から血を吸っていた

中国の山奥からやって来た妖怪

人の血を吸い
夜しか活動しないバンブーと言われる生き物

殺人犯は一家皆殺しが目的で
男の子も狙って捜していた

バンブーは怯える男の子を連れていく

そこから始まる
バンブーと人間の共同生活

バンブーの世界の掟
成長しないバンブーと
成長していく人間

一緒にいてはいけないのに
強く結びついた心の絆


誰と誰が
どのようにつながっているのか
結局は明かされないので
想像だけで終わるのが
なんとも
もどかしい

題名がロマンチックなのに
血なまぐさい話で驚く

作者の桜庭さん
一樹さんという名で
男性なのに女性っぽい文章だなあと思い
読んでいた

読み終わってから調べたら実は女性だと知り驚き
しかも直木賞も取ったお方

無知を反省




少しネタバレ

題名の「ほんとうの花」とは

バンブーは不死ではなく寿命がある
そして死ぬときには
白い花が咲く
竹の花・・・

画像検索してみる
ほんとうに白い小さな小さな花だった

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百貨の魔法 村山早紀

2017-12-06 14:13:55 | 本 2017年
風早という街にある
星野百貨店を舞台に
ファンタジー的要素たっぷりの話

老舗の
倒産危機のある百貨店

そこには昔から白い猫が住みついていて
その猫を見たとき
願い事をすれば叶うという
言い伝えがある

この百貨店がなくなれば
働く従業員
正社員もパートもアルバイトの学生も
職を失うことになる

それが急だったら次の仕事を探すこともできず
暮らしに困るだろう

他の業種の人々も
全国の取引先も

そうならないように
なんとか頑張っている

我が街でも
つい最近
突然百貨店が閉店した
その事が脳裏に浮かぶ

この物語の百貨店は
大手百貨店チェーンから
見放された

その時は近いのか?

でも
素敵なコンシェルジュがやってきたので
きっと立ち直るだろう

感想としては
ファンタジー的要素が強すぎるかな
いい人しか出てこない
ドラマチックな会話が多すぎ

最期の方
疲労感・・・

名前の代わりに
「そのひとは」という表現も
何度も出てくると
イラっとしてくる
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ビンボーの女王 尾崎将也

2017-11-26 13:31:50 | 本 2017年

テレビ局のADとして働いていた立花麻衣子は
仕事のきつさと
厳しい上司の元で一生懸命働いていたが
一つのミスがきっかけで
衝動的に自分から辞めてしまった


クラッシャー上司
部下のミスを執拗に責めたり
暴言を吐いたりして
鬱による休職や退職に追い込むなど
その言動で部下を次々と潰してしまう上司のこと

女友達の家に
間借りしていたのだが
そこも友達が彼氏と一緒に住むことになったと
追い出される

さらにさらに
母親が書類を偽造して
勝手に麻衣子を
借金の連帯保証人にしていたため
督促にあう

金額は130万円だったが
せめて1万円でも返してほしいと
言われ
つい1万円だけ払ってしまうと
それで無権代理行為を追認
したことになってしまう

つまり母親が偽造した連帯保証を
認めたことになるってことだよね

ついやってしまいそう
無知とは怖い

そして
なけなしの持ち金から
20万も払ってしまい
友人の家を出てから
住みかとしていたウィークリーマンションも
いられなくなる

就職活動をしようにも
携帯の料金が払えず
電話が通じない



(しかし電話は止められてもWi-Fiがあれば
ネットやメールは使えるらしい)

ネットカフェでは
住所もない

蟻地獄の完成と表現されている

麻衣子はティッシュ配りをして
日当をもらい
それでネットカフェのお金を払って
なんとか暮らすことにした

明日はどうなるかわからない毎日

そのネットカフェで
人質たてこもり事件が起き
麻衣子が人質になってしまう

ところがその犯人が
麻衣子の身の上を聞き
同情して
立花麻衣子さんの
貧困問題をなんとかしろ
それが条件だとか言いだす

そんなこんなで
超有名人になってしまった麻衣子

しかしその後もいろいろあって
ホームレスとして
段ボールに住む身となってしまう

そこで麻衣子は
AD時代に学んだ撮影の技術を生かし
YouTubeに今の生活を投稿することにした

さてさて
今の生活から
抜け出すことはできるのか?


若者の貧困
いろんなケースがあると思うが
人質は特別として
いつ誰の身に起こってもおかしくない問題

電話がない
身分証明書がない
住所がない

いつも当たり前のようにあることが
なくなる恐怖

見えないところに貧困は隠れている


著者の尾崎将也さんは
「梅ちゃん先生」などの脚本も手掛けていて
これが初めての小説
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ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵

2017-11-23 05:41:17 | 本 2017年
OLの奈良瑛子

37歳 

会社ではお局様と呼ばれる年齢

独身
三年前に買った
中古の1LDKマンションに一人暮らし

恋人なし
趣味もなし

そんな瑛子が家の近くに見つけたカフェ

経営していたのは偶然
元の会社の後輩
葛井円

世界中を旅することが好きな円は
旅行先でみつけた食べ物を
カフェで出していた

瑛子はカフェにいながら
旅行しているような気分を味わえると
常連になる

仕事をしていく上での問題や
女性同士の諍い
最後には介護問題も出てくる



同僚の女性の話

主婦でふたりの子供がいる
なにかを選び取らなくてはならないのだ
すべての人に優しく
愛想よくするほどの
体力も気持ちの余裕もない
だから嫌われてもかまわないと
判断した人のことはどう思われようが気にしない

子育てをしながら仕事を続けることの大変さを
周りは理解しないと
少子化対策のためにも



整体師に言われた話

冷え性でしょの質問に

そうでもないけどと答えると

それは鈍感になっているだけ
冷え性がひどい人ほどあんまり感じないの
と言われる

どう答えても相手の意見が正しいことにされてしまう

占いもこんな感じ

なるほど

介護の話

介護していてミスをすると責められる
介護していなかった身内は責められない

よくある話かも
家を出た小姑が自分では何もせず
世話をしていた嫁に悪態をつく

ラストのドッキリ的なことは
個人的には不要かも

これから行きにくくならんかな?


そしてその話の合間には
いろんな国の食べ物が登場

特にスイーツ系は思わずよだれが・・・



出てきた食べ物の記録

アルムドゥドラー
別名 ハーブレモネード
オーストリアの炭酸飲料

苺のスープ フィンランド

ロシア風ツップフクーヘン
濃厚なチーズケーキ ココアの風味
ロシアと名前に入っているが
ドイツのケーキ

チェー
ベトナムのスィーツ
かき氷に
小豆やココナッツミルク
フルーツ入り
パフェのような

月餅
アヒルの卵の塩漬けが入っている物がある
黄身だけ二つ
月の様に

バングラディッシュの大根カレー

ドボシュトルタ
幾層にもなっていて
表面が薄いキャラメルのようなもので
覆われている
ハンガリーの菓子

ハンガリーは日本と同じ姓の後に名前が来る
ヨーロッパでは珍しい

モロッコミントティー

ポルトガルのコーヒー がラオン

セラドゥーラというお菓子

香港式ミルクティー
濃い目の紅茶に練乳

香港式アイスレモンティー
多くのレモン入り
凍檸茶どんれんちゃ

鴛鴦茶ゆんよんちゃ
コーヒーと紅茶をブレンド
エヴァミルク入り

ザッハトルテには甘くない生クリームが合う

カフェ・グルマン

コーヒーといろいろなお菓子が少しづつ
ワンプレートにのせられている

バクラヴァ
殴られたように感じるほど甘いトルコやアラブの菓子
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花になるらん 玉岡かおる

2017-11-18 09:22:05 | 本 2017年
京都の呉服屋 高倉屋

4代目主人が母親 勢田雅(せいたみやび)のために建てた
京都伏見の別荘のお披露目と
古希のお祝いのシーンから物語は始まる

幕末から明治の
動乱の京で生きた
みやびの人生を自ら語っていく

みやびの両親が始めた呉服古着屋

その店を
大きくしたのはみやびの力と言っていい

ほとんどが史実

どんどん焼けという
京都の町全体を焼いてしまった大火

天皇が京を去り東京へ行ってしまったため
寂れいく京都を盛り上げようと
奮起する人々

中心は高倉屋

異国の人々が日本へやって来た
彼らを相手に商売をしようと
どうやったら売れるか思案するみやび

間にある関税という不平等な条約

歴史の勉強をしているような気持になる

その中で揺れ動く女としてのみやびの心

不幸な登場人物も多くいる中で
最後は泣けた
感動の涙

そして高倉屋は実在するんだと知った時の
驚き!!

別荘にお祝いに来た山縣有明も
みやびの恋人の父 調所広郷も実在する

月季花と書いて
げっきか

薔薇のこと

季節なしに毎月咲くから





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かがみの孤城 辻村深月

2017-11-05 14:29:09 | 本 2017年
安西こころ 中学一年生

いじめに遭い
登校拒否になり
家にいる時
部屋の鏡が突然光り出し
そこに体が吸い込まれていく

鏡の中には別の世界があった

こころのほかに6人の中学生

みんな学校にいけないとか
問題を抱えていた

そこの主だか管理人だかの
狼のお面をした生き物
ドレスを着て少女のようで
男のような言葉を使う

(表紙の絵がとても素敵です)

鏡の中ではいろいろな決まりがある

それを守らないと大変なことが起きる

というような
ファンタジー的なことは置いておき
私はこころのいじめのことの方が興味があった

作者がいじめに遭ったことがあるのか
経験した人から聞いたのか
いじめられている悔しさが
伝わって来る

「私はあの子に時間を奪われたんだ と思う
学校に行けるはずだった時間
部活に入って授業を受ける時間」

そして真実を周りの大人たちに話しても
信じてもらえるか不安に思う気持ち

自殺するくらいなら
こころみたいに学校行かなきゃいいのに
と思うことがあるけど
家にいたらいたで
不安は多い・・・


そんな時
こんな鏡の世界があったら
仲間ができたらと
夢を見てしまうかも

この話では
いじめた方のその後がないのが残念

いじめた側は
大人になって
そのことをどういう風に
記憶に残しているんだろう

フリースクール
心の教室の喜多嶋先生が
オオカミ少女では?と思っていたけど
はずれでした
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竜宮城と七夕さま 浅田次郎

2017-10-29 13:56:46 | 本 2017年
JALグループ
機内誌「SKYWARD]に掲載されたエッセイが40話

機内誌のせいか
海外に行った話が多い

作家とはこんなに多忙なんだ
机に向かって
ひたすらペンを走らせる

今ならキーボードを打つか?

そんな生活を想像していたら
情報収集等で出張が多いらしい

印象に残った所をいくつか記載


続・しろくま綺譚

鹿児島名物のスィーツです

私は食べたことはありません

かき氷でもフラッペでもない

スーパーのアイス売り場にあるものとは
比べ物にならないおいしさのようです

痛痒感こそが幸せの極致とばかりに
ついてもすぐには食べに行かず
翌日まで待って
もう我慢がならぬというところまで
高揚させてから堪能するだなんて・・・

次の日
天変地異か自分自身の体調不良
が起きたらどうするんでしょうか

納豆礼讃

予備校で親しくなった友人
九州男児

納豆を食べると頭が良くなると
いうけれど
ごはんには合わないなといいだした

よくよく話を聞いてみたら
彼は甘納豆を納豆だと信じて
甘納豆に葱と醤油を混ぜて
ごはんにかけて食べていたということでした

それで本当の納豆を教えたら
翌日彼は
ひどい店だ 納豆が腐っていたと・・・

悪臭ひどく糸まで引いていたって

海外の話が多いと言った割には
印象に残ったのは食べ物でした
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ショートショート・BAR 田丸雅智

2017-10-21 15:07:26 | 本 2017年
本当に短い話が21話

あらすじを書くと
それだけで話のほとんどになってしまうくらい短い

どれにも
え?というオチがある

印象に残ったのは
阪神ファンであるので
「甲子園の魔物」

本当に甲子園には魔物がいて
運命を一瞬で変えられてしまうという

魔物は高校生に姿を変えて
応援団に混ざっていたりする

九回裏危うくサヨナラ負けか?
という時
魔物を捕まえて
勝ったはいいが
その魔物が応援団と共に
ついてきてしまったという話
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京都伏見のあやかし甘味帖 柏てん

2017-10-16 13:04:43 | 本 2017年
副題 おねだり狐との町屋暮らし

主人公 小薄れんげ
おすすき と読む
29歳

失業失恋で
京都にやって来る

甘味帖というだけあって
京都のお菓子が次々登場

検索しながら読んでいく
実在するから楽しい

まずは京都ではなく
東京
日本橋錦豊琳
かりんとう

東京駅グランスタ店限定は
アーモンドシュガー

●京菓子司
満月の阿闍梨餅


●御菓子司 能登掾(のとじょう)稲房安兼(いねふさやすけん)
茶のだんご

御菓子司とは
公家の家来として
御菓子作りを認められた一部の和菓子屋

源氏香
香道の中でも香りを当てて
楽しむ組香の一種


●京菓子司 平安殿本店
平安殿 粟田焼 平安饅頭

巨椋(おぐら)

れんげが
京都で民泊した宿の借主 虎太郎の
従兄弟が経営するバーの名前

澤屋まつもと守破離
これは日本酒

和らぎ水 やわらぎみず
チェイサー
強い酒を飲むとき
口直しに飲む水


黒文字
菓子に添えて出すようじ


● 松風御三家
(松風とは日本一薄和菓子と言われているそうな)

松風 亀屋陸奥

松屋藤兵衛の紫野味噌松風

松屋常盤 紫野味噌松風

●亀屋伊織 きつね面

●伏見夢百衆

利き酒

酒まんじゅう

酒カステラ

バニラアイスに清酒をかける日本酒版アフォガート

●京菓子司 満月

名代豆餅
三宝だんご
桜だんご

錦市場 食べ歩き

●鍵善良房
葛切

●亀屋清永

清浄歓喜団(しょうじょうかんきだん)
星づく夜
大人の栗羊羹
(和栗とブランデー)

●御菓子司 甘泉堂
京の名どころ

ストーリーはれんげが
陰陽師みたいな?
あやかしに巻き込まれながら
傷ついた心が少しづつ癒されていく
というもの

お菓子の画像を挿入できないのが残念・・・





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この嘘がばれないうちに 川口俊和

2017-10-12 14:16:14 | 本 2017年
過去や未来へ行くことができる喫茶店
「フニクリフニクラ」

行くためにはいろいろな条件がある
その条件が
なんとも不自然
(過去や未来に行けること自体不自然だけれど)


前作の「コーヒーが冷めないうちに」は
面白かったが
こちらは少しがっかり

喫茶店オーナー家族の人間関係など
前作のストーリー忘れてるし

どうしてこの喫茶店の時田一家にその力があるのか?

なんていろいろ考えていくと
しらけてくる

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