トライアングルの部屋

シニア街道をゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

琥珀のまたたき 小川洋子

2015-12-23 13:16:07 | 本 2015年
結末まで記載しておく

不倫の末4人の子を産んだ女性

4番目の女の子を病で亡くす
女は病ではなく
前の日に犬になめられたためだと
他の子供たちには話す

そして子供たちを連れ
愛人から手切れ金として
もらった別荘に引っ越す

そこでは
子供たちの戸籍上の名前を
図鑑からそれぞれが選んだ名前に
変えてしまう

長女はオパール
長男は琥珀
次男は瑪瑙(めのう)

そして塀の外に出ると
末の子を襲った魔犬が来ると
子供たちを脅し
中に閉じ込める

家の中では
たくさんある図鑑が
子供たちの遊び道具であり
勉強道具だった

母親の愛人は図鑑を作る会社を
経営していたのだ

母親は生活費の為に
温泉療養所で働き始める

そうやって6年以上の監禁に近い生活

最初のほころびは
前の別荘の住人と付き合いのあった
よろずやなる男が出入りし始めたこと

もちろん母親にはわからないように
こっそりと…

彼が持参して来る数々の品は
外からの情報が何もない子供たちには
夢のような物ばかりだった

次第にオパールと彼の間に恋心が…

そして思わず外に出てしまった瑪瑙を見て
水道メーターの検針員が声をかけたのが
子供たちが発見されるきっかけだった

母は自殺
オパールは彼と逃げ
二人の男の子は
福祉施設へ

「誰も知らない」という
映画を思い出す

これはどこの国の話か?
表紙を見れば日本ではないような

琥珀が助け出されてからは
アンバーと呼ばれている

でもあり得ない話ではないかも

空き家ならまだしも
母親が出入りして
一人暮らしと言えば

それに別荘地と言う環境も
近所同士のつながりも薄いし
敷地も広いようなので
声も聞こえないだろう

何より子供たちは
大きな声を出さないように
訓練されていたのだ

愛人の本妻には子供ができなかった
本当に4人目の子は病気で亡くしたのだろうか
もしかして本家の方に取られたのでは?

考えすぎか?

葬儀の様子など
具体的だから違うか?







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キッチン・ブルー 遠藤彩見

2015-12-13 18:54:58 | 本 2015年
食をテーマにした話が6話

「食えない女」
会食不全症候群
という病名をつけられた女性
三十六歳 独身
映像翻訳家

人前で食事ができない
親の前でもダメと言うありさま

だから家で仕事ができる翻訳家になったとあるが
それが理由なら考えが甘い
依頼人と接待とかは必至の気がする

小さい個人の会社か店舗にでも就職して
最初にすべて打ち明ければいいじゃないか
と思うのは安易?

でも同じように
一癖ありそうな男性と何とかなりそうな予感?

「さじかげん」

アパレル業界でバリバリ働く沙代は
結婚していて共働き
子供はいない

悩みは料理が苦手
夫においしいと言ってもらえる料理を作るため
超初心者向けの料理教室に通っているが
なかなか上達しない

そこに手際もよく料理上手の真梨という女性が
入ってくる
なぜ?

彼女のおかげで料理に対する考え方が変わり
夫もおいしいと食べてくれるようになる

「味気ない人生」

希穂の住むマンションの階下に
毎夜毎夜大きな声で歌を歌う住民が引っ越してくる
苦情を言っても聞いてくれず
管理会社に訴えてもダメ

ストレスがたまる一方の希穂は
とうとう食べ物の味がわからなくなる
突発性味覚障害になってしまう

引越しを進める周囲に反発し
訴訟を起こそうとするが…

「七味さん」

大前和己が
立ち食いそば屋で一緒になる女性は
そばに七味を十二回も振る
和己は七味さんと名付けていた

和己が勤めるのはフラワースクール
講師8人の勤務シフトを調整する仕事をしている

和己以外講師も生徒も女性のその職場

わがまま言いたい放題の講師相手に
悪戦苦闘の毎日

そこで8人の立場を探るため
差し入れをする

それがうまくいったのは
七味さんの行動のおかげだった

「キャバクラの台所」

キャバクラで働くスミレは
泥酔して客相手に失礼をし
罰としてしばらく店のキッチンで
働くことになってしまった

泥酔したことなどないのに
なぜか?
そして最近そんなキャストが多いことに気づき
謎解きをしようとする

「ままごと」

売れない役者の健人は
小さなバーでアルバイトをしている

そこにやってくるいい所のお嬢様の由奈
毎度手作りのお菓子や料理を持参して来る
そのうち彼女は
健人の家にやってきて
料理を作るようになる
そしてブログに投稿

コメントもらうようになると
健人そっちのけで
料理をカメラで写し投稿することに夢中になる

次第に由奈の料理に飽き飽きし
彼女を避け
しばらく食べないでいたら
バーでのバイトの仕事も
演劇の稽古でも
失敗ばかりしてしまう

バーのマスターから
濃い由奈の料理を食べ続けたことによる
中毒症状ではないかと言われる












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あやしうらめしあなかなし 浅田次郎

2015-12-07 09:59:48 | 本 2015年
背筋がゾォッとする話が7話

「赤い絆」

男は学生
女郎の女

二人は毒を飲んで心中を図るが
女の方はすぐには死にきれず
しばらく苦しむ

場所は山上の神社

信徒を泊める宿坊になっていて
女が苦しんだ部屋には
その後怪しいことが起きる…

「虫篝」

経営していた会社をつぶし
夜逃げしてきた見知らぬ土地
そこに時々自分にそっくりの人間が現れる
乗ってる車も
羽振りの良かったころの
自分の愛車と全く同じ

思い切って人のよさそうな大家に話したところ
自分も戦時中
似たような体験をしたと話し出す

魂の入れ替わり?

「骨の来歴」

昔の親友の家を訪ねてみると
独身だと思っていた彼が結婚していた

しかし相手は二人の結婚に
彼女の親が反対し
彼も別れを決意したため自殺した女?

彼女の両親は男が働いていた喫茶店に
骨壺を置いていく

そして夕方
足音と共にその妻が帰宅する…

「昔の男」

古い古い病院で働く看護師が
結婚か仕事か悩んでいるようなので
先代の院長が幽霊になって現れ
諭すというような話

「客人」

一夜を共にした女が
昔結婚を反対されて自殺した女の幽霊か?
事情を知っている寺の住職

彼が乗り捨てたままのバイクを
ガレージに入れ…
ここが恐怖のピークの文章

「遠別離」

戦時中の話
トイレが近いだの
寒気がするだの
読んでる途中で
こちらも体調悪くなりそうになり
早読み
本当に背中が寒くなり
内容よくわからなかったが
二度読みする気にならず…

「お狐様の話」

第一話に出てきた
由緒ある神社に
狐に憑かれたどこかいい所のお嬢様が
連れてこられた
どうやっても
お狐様は抜けず
ついにその女の子までやられてしまう

夏に読むべき
背中が寒い・・・













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ふくわらい 西加奈子

2015-11-28 11:59:08 | 本 2015年
鳴木戸定(なるきどさだ)
この話の主人公

小さいころ夢中になった遊びが福笑い
と言うので
大正時代か昭和初期かと思ったら
定の両親が結婚したのが1983年と
あった

定は5歳で母親を病気で亡くす

その後父親の栄蔵と乳母の悦子に育てられる

栄蔵は紀行作家
世界中を旅してまわる

そして定もいつしか
それに同行することになった

奇妙な父と行動を共にした定も
いつしか人とはちょっと違った女性に
なっていく

趣味の福笑いを
実際の人間で
自分の頭の中でやってしまう

または有名人ならコピーをとって・・・

「与えられた環境を
意識しないままに受け入れることに
長けていた
不満を覚えたこともないし
そうしようと努力したこともない

父と同じロボットのような人間」

そんな定が勤務しているのは出版社の文芸編集部

他の編集部員が難儀している
一癖も二癖もありそうな作家たちと
難なく付き合っていく

そんな定が
友人ができ
男性経験をし
変化していく様子

普通の人と同じになっていくのかと思っていたら
ラストはやはり奇人?

奇妙な父のコレクションを受け継いだり
全身にタトゥーを入れたり
人肉を食べたりと
あまりにもグロテスクで
途中でやめようかと思ったが
なぜか惹かれる定の魅力

何者にも感情を左右されない定を
うらやましく思うからなのか?






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アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎

2015-11-20 18:15:07 | 本 2015年
アイネクライネナハトムジークとは
モーツァルトのセレナードの一つ

6話ある話がどこかで繋がっている
年代が進んだり戻ったりで
ちと疲れる

読んでいてあれ?この子は誰だっけ
って感じで戻って苗字を確かめたり

あらすじは書かない
登場人物も書かないでおく

傑作だったのが
ファミレスでの話

客の男が店員の女の子にこれでもかと
クレームをつける

見かねた他の客が
その男に
おどおどと物申す
「こちらの方がどなたの娘さんかご存知の上で
そういう風に言ってらっしゃるんですか?」
「あの人の娘さんにそんな風に強く言うなんて
命知らずだなと、思いまして」

もちろんでまかせ

客はクレームをやめてしまうってわけ

実際通用するかはわからないが
こう言われたらちょっとドキッとはするわ



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院内カフェ 中島たい子

2015-11-15 09:53:39 | 本 2015年
とある病院の中に設置されたカフェ

たぶんタリーズとかスタバとかそんなカフェ

そこに関わる人々が各章で語っている

まずは土日だけカフェで働く相田亮子
平日は主婦
小説家の卵
パン屋の夫あり
不妊

朝子

夫と二人暮らし
こちらも子供なし
2章では
朝子が
離れて住む両親を
介護することになった経緯が
書かれている
そして両親を看取った直後
夫の病が発覚
入院することになって
このカフェに来た
カフェでの夫婦の諍い
離婚を決意する朝子

そして同じ介護人の空気を持った男との出会い
彼は兄を看取っていた
その後自分が病気になってしまう

あなたも・・・あまり犠牲にならないよう
家族ほど 病人ほど恐いものはない
男の言葉

朝子の夫 孝昭

脱サラして起業するに至った話
孝昭がカフェで出会ったのは
さやかという病と闘う少女
彼女はまりあというもう一人の自分を
作り上げていた
病気である自分を頭から排除したいために・・・
孝昭にとってのそれはトイレだった

再び
亮子
同僚の村上君のウィルスに対する考え方
ウィルスは人間の技術より進化が早い
死なない程度の熱なら薬は飲まない
と言うような…

夫との出会いや
私生活

菅谷医師

亮子が「ゲジデント」と心の中で呼び名をつけた
カフェの常連
泌尿器科
無神経な感じがして実は心優しい男なのかも

再び孝昭

自分が眠っている間に
置いて行かれた朝子からの手紙

自分は病院のカフェのようになると!
病んでいる人が
いつでも入れるように病院に寄り添っていて
でも関わらず独立して
そこにある
その強さを私も持ちたい・・・
自分はいつでもカフェにいる

その手紙に感激して
点滴スタンドを引きずってカフェに行く孝昭

最終章はクリスマスのカフェの様子
誰かがクリスマスプレゼントを置いて行った

カフェにいる皆さんにもう一杯
好きなものをこれで
残ったら歳末助け合いの箱に
という手紙と一万円札

誰だろう?
ちょっと知的障害があるウルメ?
いつも
ここのコーヒーはからだにいいんだよと
誰にともなくつぶやいている常連さんか?

ゲジデントか?

村上君からペシミストだって言われた亮子
ペシミスト?
おばちゃん苦手の横文字
検索してみる

悲観主義者

反対語はオプティミスト楽観主義者と言うんだって

たとえば給料がまだ半分も残っていると思うか
もう半分しかないと思うか

私は確実にペシミストだ

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天空の蜂 東野圭吾

2015-11-07 18:20:29 | 本 2015年
軍用の巨大ヘリコプター「ビッグB」が
何者かに遠隔操作で乗っ取られた
福井県 高速増殖炉「新陽」の上空で
ホバリングを始める

犯人の要望は
稼働中の原発を全て停止させろというもの
拒めば「新陽」に墜落させるという

ところがその「ビッグB」には子供が紛れ込んでいた

自衛隊が別のヘリコプターで近づき
子供を救出する

事件まで様々な偽装で
厳重な取り締まりを回避し侵入に成功する犯人の頭脳

協力する女性の苦悩

三島が共犯に至った経緯は
つらいものがある

この本で印象に残った部分を抜粋

絶対落ちない飛行機があるか?
ゼロにできない飛行機事故
それに対してできることは
落ちる確率を下げていくこと
乗客はそれを承知で
その確率なら大丈夫と都合よく解釈して乗り込む

原発も同じ
原発が大事故を起こす確率を下げること
それでも
ゼロにはできない

原発が大事故を起こしたら
関係のない人間も被害にあう
国全体が原発という飛行機に乗っているようなもの
しかしこの飛行機を飛ばさないことだって
不可能ではない

この本が書かれたのは1995年
東日本大震災の16年も前であることも驚きだった
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がらくた屋と月の夜話 谷瑞恵

2015-10-25 15:56:17 | 本 2015年
骨董屋の老人 河嶋

彼の店につき子が行ったのは偶然

和菓子屋を探して迷い込んだ

その時大事にしていた指輪を失くしてしまう

店に探しに行っているうちに
ガラクタにも一つ一つ
物語があることを知る

そして気になる男の出現
河嶋の息子と思われる天地

近くの工業高校の教師

中村佑介さんの表紙と
ファンタジックな題名に惹かれて
読み始め
いつか盛り上がるか
面白くなるかと
期待して惰性で読んだけど
最後まで
なんだかなあだった

天地の生い立ちも複雑すぎるし
ウサギの剥製なんて気持ちが悪い
夢がない

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真壁家の相続 朱野帰子

2015-10-11 18:32:52 | 本 2015年
大学の法学部に通う真壁りん

祖父が七十七歳で亡くなった

遺産は家一軒

その遺産をめぐって
良い人ばかりだと思っていた
父親の兄妹が争う

父は失踪中
母は祖父を2年間介護していた

どんなに仲の良い家族でも遺産相続がその関係を
裂いてしまうことがある

介護していたりんの母が
報われてよかったな

それだけで読んでよかったと思える
途中飽きてきてしまったので


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主婦病 森美樹

2015-09-17 11:34:50 | 本 2015年
「眠る無花果」

小学生の絵子
両親と三人暮らし
父親は自宅で整体院を開業

ところが母親が事故死
自殺ではないかとのうわさも…

慣れない二人だけの生活

やたら人懐っこい近くの弁当屋のおばさん
 
二人だけの所にイチゴショート10個を
土産に持ってくる伯母(父の姉)

いつもきちんとしていた母の主婦像

母が残した庭の手入れをする絵子

そこには無花果が…

庭から見える整体院の窓

そこでは弁当屋のおばさんが
全裸で治療を受けていた

近くの男子寮に住む金髪の若い青年

「まばたきがスイッチ」

美津子
市役所勤務の夫は八歳年上
見合い結婚して十二年
子供なし
会話もほとんどない冷めた関係

毎日きっちり六時半に帰宅する夫

働く必要がないと言われ
ありあまる時間
美津子は自宅で
テレフォンアポインターなる仕事をしていた

コールセンターとかのではなく
男性相手の・・・

そして夫のワイシャツポケットには
女装バーやSMクラブの名刺が…

主婦はいざという時の為に
百万は持っていた方がいい
という新聞に載っていた
人生相談回答者のアドバイス

すでに90万貯まっていた

何かが始まるか?

向いのアパートで
いつも同じ時間に洗濯物を干す金髪の男性

「さざなみを抱く」

結婚して30年の夫婦

夫は同性愛の最中にホテルで倒れた
相手の部下の男性は救急車ではなく
妻である詩季子に電話をよこした

脳卒中
片麻痺
歩行排泄食事に要介護
性的にも不能

結婚してからゲイであることを知る
それでも
夫婦関係は適当にあり
子供までいる

君が最初で最後の女だよ
一生懸命がんばったんだと言う夫

そんな夫に
詩季子は若い男との浮気現場を見せつける

それを見てか倒れる夫
どちらに興奮したのか
尋ねる妻
男にか自分にか…

夫は亡くなった

「森と蜜」

最初の話の絵子の母親美緒の話

小学校の頃の話
自分の身代わりに乱暴され殺された親友

夫への思い

自分の浮気

そして電柱に激突死
それは自殺か?

浮気相手は金髪の男

「まだ宵の口」

早朝の団子屋でのパートをしている和香奈
夫とはすれ違いになってしまう

夫50代
和香奈40代
子供はできない

毎日団子を買いに来る金髪の男
二本づつ買っていたのに
ある日一本に…
好きな人が死んでしまって…

「月影の背中」

地元財閥 陽向(ひなた)家のひとり娘由紀乃

単調な結婚生活
つまらない夫

アパートの家賃を払いに来た草汰と恋に陥る

顔を知られた狭い地元で逢瀬を重ねるため
陽向家が持つタクシー会社の運転手になる由紀乃

それでも噂になり夫に知られてしまう
問い詰める夫

夫の脇腹を刺し
逃げる由紀乃

タクシーは電柱に激突

死んだのか
魂がさまよっているのか…




















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