鬼はもとより 青山文平

奥脇抄一郎

御馬廻り

剣の達人で女たらし

若後家に腹を刺され
再び城に上がった時には藩札掛に回されていた

藩札頭　佐島兵右衛門に藩札の基本を学ぶ

兵右衛門が病で亡き後
頭になった抄一郎

家老より藩札十割刷り増しの要求

拒否する抄一郎

藩札の版木を持ち江戸に逃げる

江戸浅草

万年青売りを生業にして
陰であちこちの藩に藩札指南をしている

ある時ひらめいた新しい仕法

抄一郎は北の海に臨む
貧しい貧しい島村藩
一万七千石で実践することにする

あん ドリアン助川

映画上映を前に原作を！！

良いあんこを求めて
菓子職人と女の子とばあさまが
悪戦苦闘する話だと単純に想像して読み始めたが
こんなに重い展開になるとは・・・

刑務所に入っていたこともある男　千太郎
大将と慕った男の後を継いで
どら春というどら焼きのお店を任されている
（店主は先輩の奥さん）

あんは業務用を使用

そこに
働きたいと吉井徳江という老女がやってくる
断る千太郎

諦めずにやってくる徳江

食べてみてほしいと置いていったあんこ

一度はごみ箱に捨てたが
引き揚げて一口食べてその奥深さに驚く

働くことになった徳江の特異な身体の違い

徳江に心を開いている
客の中学生ワカナ

彼女と共に知ることになる徳江の壮絶な人生

千太郎くんどうか徳江の思いをあんに込めて
成功してほしい

できたらそこまで完成してほしかったよ

駆込み女と駆出し男

江戸時代

鎌倉の東慶寺

幕府公認の縁切寺　尼寺

さまざまな女たちが離縁を求めて駆け込んでくる

離縁が可能か聞き取り調査を行うのは御用宿　柏屋

三代目は柏屋源兵衛（樹木希林）

居候するのは甥で戯作者志望　医者見習いの信次郎（大泉洋）

駆け込んできたのは堀切屋の妾　お吟（満島ひかり）
眉をそりお歯黒
旦那（堤真一）がひどい男だと訴える

鉄練りじょご（戸田絵梨香）
商売を妻であるじょごに任せ
自分は酒と女に入浸りの旦那重蔵（武田真治）

ゆう（内山理名）
道場の一人娘で許婚もいたが
道場破りの男に許婚を殺され
無理やり夫婦にされた

大泉洋演ずる信次郎が
柏屋に怒鳴り込んできた男たち相手に
早口で言いくるめる場面は彼ならでは！！

満島ひかり演ずる
妾お吟のなまめかしい仕草は適役
若かりし頃の夏木マリさんを
彷彿させる

お吟が駆け込んだ理由と
堀切屋との愛はホロリと泣かせてくれる

東慶寺の内情も意味ありげだが
省略しすぎの感も・・・

二時間半近くの上映時間だが
中だるみもなく
楽しめた

かたづの！ 中島京子

江戸時代

奥州　南部藩は
同族が領主として君臨するいくつかの領土に分かれていた

その中の一つ八戸

その殿である八戸直政の妻　袮々（ねね）
夫死後は女当主となった生涯の物語

夫が射ようとした矢から袮々が助けたのは
一本角の羚羊（かもしか）

その羚羊が彼女の一生を語る

死して角だけになってからも
魂は死なず
袮々を守り
ある時は人に乗り移って守る

藩の歴史の中に
遠野に伝わる河童の話や
ぺりかん　蛇　猿などの動物が登場してくる

ジャンルとしては歴史ファンタジー

かたづのは片角

女のいない男たち 村上春樹

６編からなる短編集

★ドライブ・マイ・カー
　
家福
俳優
女優だった妻をガンで亡くしている

渡利みさき
家福が免停や緑内障で運転できなくなったため
専属運転手として雇われた
北海道出身　２４歳

高槻
俳優
家福の妻が浮気していた４人の男の一人


★イエスタディ

谷村
早稲田に通う大学生

木樽
谷村の友人
喫茶店のアルバイトで知り合った
浪人二年目
東京生まれ東京育ちなのに
阪神タイガースファンという事で
関西弁を勉強し習得した変わり者

栗谷えりか
木樽の幼馴染で恋人

★独立器官

渡会
５２歳　独身
六本木でクリニックを経営する美容整形外科医

谷村
渡会とジムで知り合った
作家　既婚　子供なし

後藤
渡会の男性秘書
ゲイ
渡会が付き合う女性の月経周期まで把握している

★シェエラザード
羽原
３１歳
彼の住む「ハウス」という場所の説明がないが
隔離された空間
外出禁止なのか自ら出ないのか不明

シェエラザード

羽原の元に週二回
日用品やら食料品　本などを届ける女
３５歳専業主婦
小学生の子供二人

性交の度に不思議な話を聞かせてくれるので
千夜一夜物語の王妃シェエラザードからとって
羽原が名付けた

シェエラザードが高校二年生の時
好きな男の子の家族が留守の間
家に侵入する話は
目の前で見ているかのようにハラハラした

★木野

主人公はそのまま木野
体育大学卒業後スポーツ用品販売会社に１７年勤務
妻と同僚の浮気現場に遭遇
会社を辞めバーを始める

神田と書き
かみだと呼ぶ
バー木野の客

不思議な不思議な物語
これが村上ワールド？


★女のいない男たち

僕

僕の昔の恋人エムの夫
エムが自殺したことを僕に電話で知らせてくれた
なぜ昔付き合っていたことを知っていたか
電話番号を知っていたか不明

雑誌掲載時
ドライブ・マイ・カーで
みさきが吸殻を車からポイ捨てし
北海道のある特定地では当たり前のことと書いて
地元から苦情が殺到
特定されないように書き換えたとのこと

阪神ファンとして言わせて頂けるなら
イエスタディで
東京での阪神の試合
縦縞のユニフォーム着て
外野の応援席に行っても東京弁しゃべったら
相手にされないって
コミュニティーに入れないって
そんなことはありません！！
いつのころの話？
今や全国区の阪神ファン
関西弁しゃべる人だけがファンやない！！
ク～～昨日で最下位やて！！

村上春樹さんはヤクルトファンとのことでした

どの話も
女がいない男たちだが
男もいない
つまり友人もいない孤独な男たちの話だった




　

左手の記憶 矢野燿大

プロ野球　中日と阪神で捕手として
20年間　球を受け続けた
投手に対する熱い思いを本にした

出てくる投手は３２人

阪神時代に監督だった野村克也さんのことも書いている
とても勉強になったと！！
直接教えてもらったわけではない

教材はボヤキ

相手の配球を読む

相手の作戦を読む

それを口に出して言う

当たる

なんで分かんねん？

それが教材

すごい監督だったのだなあ

もう監督はやらないのか？

トレードのつらさも書いてある

気分は転校生

なかなか移籍チームになじめないと
つらいんだな

遠山・葛西スペシャルという必殺継投は驚き

高校野球では時々見るから
プロ野球もあればいいのにと思ったことはある

実際やったことがあるんだ

相手が左打者か右打者かで
投手がマウンドと一塁を入れ替わるというもの
発案は野村克也監督

今もルール上可能なのか？

２００３年セ・リーグのMVPの話は笑える
僅差で井川がもらったのだが
２０勝をあげた最終戦
勝ち越し打を打ったのは僕　矢野
１９勝だったら僕だったかも
余計なことした(笑)だって

記者会見の隣でガッツポーズされたって

早く指導者になって戻ってきておくれ！！
矢野さん！！

王妃の館

チケットをネットで購入してから
評価を見て衝撃！！

最悪の評価

それでもシアター内は三分の一くらいの入り

最初から期待しないで観たので
結果はまあまあかも

水谷豊さんのとぼけた演技は楽しめた

日本からフランス　パリへの
二つのツアーグループが
「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」という
高級ホテルのスィートルームに宿泊

同じ部屋を
一つのグループは昼ホテル利用
夜観光
もう一つは昼観光して
夜宿泊

もちろん客は知らない
ホテルとツアー会社が協力し合って
荷物を移動したりする

ホテルのメイドの異常なミニスカートが気になった

水谷豊演ずる
作家北白川右京が
パリを舞台に執筆するその物語も
出てくる

それがなんとも奇妙
学芸会だし
なぜにフランスの話を？

あちこちのパリの名所も舞台になっているのだが
なかでもヴェルサイユ宮殿は
邦画史上初めて撮影が許されたって

その他の出演者としては
成金実業家役　緒方直人さん
最近見かけなかったなあ

その恋人役　安達祐美さん
いくつ？33歳かあ
肌がきれい

パブの女装スター　クレヨン
演ずるのは中村倫也さん
実際の本人の画像を見たら
結構男っぽい感じ
でも映画ではすごく仕草が女っぽくて
魅力的だった

エンディングの曲がすごく素敵だったので
調べてみたら
小野リサさんが歌う
フランス語の名曲 「PLAISIR D'AMOUR」 （プレジール ダムール）
となっていた

シンデレラ

ゴールデンウイーク中で
シアター内は満員

シンデレラのブルーのドレスを着てきた
5歳くらいの女の子もいた

ストーリーは知っている通りの展開

違うところは
王子との出会いは
舞踏会が初めてではなかったり
継母の心情など
童話には出てこない部分もあり

幸せになるためには
自分で勇気をもって決断することが大切
という点は2015年のシンデレラ

暗くてつらいシーンがあっても
結果がわかっているだけに
安心して観ていられる

舞踏会で大勢の前で
二人だけで踊るシーンは
かすかに残るおばちゃんの
乙女心キュンキュンですわ

シンデレラ役のリリー・ジェームズは
きれいでチャーミング

吹替えの高畑充希ちゃん
最初「ン？」と思ったけれど
いいかも

エンディングロールで流れる
王子役の城田優さんとの歌もとても素敵