テレビ局のADとして働いていた立花麻衣子は
仕事のきつさと
厳しい上司の元で一生懸命働いていたが
一つのミスがきっかけで
衝動的に自分から辞めてしまった
クラッシャー上司
部下のミスを執拗に責めたり
暴言を吐いたりして
鬱による休職や退職に追い込むなど
その言動で部下を次々と潰してしまう上司のこと
女友達の家に
間借りしていたのだが
そこも友達が彼氏と一緒に住むことになったと
追い出される
さらにさらに
母親が書類を偽造して
勝手に麻衣子を
借金の連帯保証人にしていたため
督促にあう
金額は130万円だったが
せめて1万円でも返してほしいと
言われ
つい1万円だけ払ってしまうと
それで無権代理行為を追認
したことになってしまう
つまり母親が偽造した連帯保証を
認めたことになるってことだよね
ついやってしまいそう
無知とは怖い
そして
なけなしの持ち金から
20万も払ってしまい
友人の家を出てから
住みかとしていたウィークリーマンションも
いられなくなる
就職活動をしようにも
携帯の料金が払えず
電話が通じない
(しかし電話は止められてもWi-Fiがあれば
ネットやメールは使えるらしい)
ネットカフェでは
住所もない
蟻地獄の完成と表現されている
麻衣子はティッシュ配りをして
日当をもらい
それでネットカフェのお金を払って
なんとか暮らすことにした
明日はどうなるかわからない毎日
そのネットカフェで
人質たてこもり事件が起き
麻衣子が人質になってしまう
ところがその犯人が
麻衣子の身の上を聞き
同情して
立花麻衣子さんの
貧困問題をなんとかしろ
それが条件だとか言いだす
そんなこんなで
超有名人になってしまった麻衣子
しかしその後もいろいろあって
ホームレスとして
段ボールに住む身となってしまう
そこで麻衣子は
AD時代に学んだ撮影の技術を生かし
YouTubeに今の生活を投稿することにした
さてさて
今の生活から
抜け出すことはできるのか?
若者の貧困
いろんなケースがあると思うが
人質は特別として
いつ誰の身に起こってもおかしくない問題
電話がない
身分証明書がない
住所がない
いつも当たり前のようにあることが
なくなる恐怖
見えないところに貧困は隠れている
著者の尾崎将也さんは
「梅ちゃん先生」などの脚本も手掛けていて
これが初めての小説