寺地さんの作品は
「架空の犬と嘘をつく猫」以来
どちらも家庭の話
時田翼 32歳
耳中市肘差に住む
過疎化の地
停年退職した父親と二人暮らし
耳中市農業協同組合に勤務している
一人息子で趣味はお菓子作り
母親は翼が大学生の時に家を出て
後から離婚届けを送ってきた
今は友人と会社を設立
ある程度成功している
そしてこの話は翼と
その周りの人々の話
母親 翼に片思いしている同僚
翼の家の隣人の孫
親友
その親友の父親
離婚あり
デキ婚あり
介護あり
どこにでもある話と言えばそれまで
限界集落をもう少し突っ込んで欲しかったかも
印象に残っている個所
夫の言いなりになって暮らしていた妻
(親友の母親)
「結婚してからずっと飲みこんできたあなたへの文句が
まだまだあるのよ
それ全部死ぬ前に伝えてしまいたいから
とにかく長生きしましょう お互いに」
だからきっちり精密検査を受けなさい
ということなんだけど
それでハイハイと聞くような夫なら
もっと前に対処すればよかったのに
という気がしないでもない
そして翼とくっつくのはこっちか!
と少々がっかりしたけど
表紙の絵がそれを物語っていた
特にハラハラもドキドキもしないストーリーで
読んでいるときは気軽に読めるが
自分の周りの方が
もっといろいろストーリーがある感じ