おとぎカンパニー 日本昔ばなし編 田丸雅智

田丸雅智さん

ショートショートコンテストで賞を取ったり
審査員をしたりと
ショートショート界（？）ではかなりの方のようで
さすがお話もとてもおもしろかった

昔ばなしがこんな風に変わるのか
こんな風に使われるのかと
感心してしまう

一寸法師からの一寸上司は
その通りに上司の身長が一寸しかない
オチもしっかりあって
コントにしたら面白いのに

わらしべ長者からのわらしべエージェーンシーは
物々交換のプロ集団
最後はほっこりさせられた

こぶとり爺さんからの
鬼の救いも
原作でいえば欲張り爺さんの方が
こぶ二つになってジエンドなので
主人公の悲惨な終わりを想像してしまったが
なんともいい気持ちでの最後で
ひと安心

最後が「エ？？」と言う終わりよりは
ハッピーエンドの方が好み

その他

舌切り雀
桃太郎
浦島太郎
花咲か爺さん
平将門
おむすびころりん
三枚のお札
笠地蔵
那須与一　扇の的

会津藩は朝敵にあらず 松平容保の明治維新 星亮一

陸奥国会津藩9代藩主　松平容保

容保は
自分の意見もはっきり言えず
流されるように京都守護職につき
ほとんど病の身であり
本人の意志とは関係なく
まわりが動いてしまったような気がする

すべての悲劇は京都守護職を引き受けた時から始まった

家臣の西郷頼母らが反対したのに
保科正之が決めた
将軍家には忠義を尽くすべし
と言う家訓が容保を縛り、
引き受けてしまう

薩長に攻められた箇所は
残酷はなはだしく
もっと早く降伏していればと・・・

容保の孫の秩父宮勢津子妃殿下の成婚が
会津藩が朝敵と言う汚名をそそいだとある


孝明天皇を暗殺した犯人かもと
噂された岩倉具視
なぜお札に？

徳川慶喜
なんてずるいヤツだ
容保側から書いたものだからか？

ほんのちょっと当事者 青山ゆみこ

青山ゆみこさん　1971年生まれ
2020年の今は49歳

ご自身の体験を赤裸々に語りつつ
社会問題について触れている

現金がなくても簡単に買い物ができるクレジットカード
そこから起きた借金地獄

自己破産すれば借金はなくなりますよと言う
天の助けみたいなお言葉にふらふらと・・・

本当に紙一重
自己破産には実印が必要だと思い
実家に探しに行った
そこで両親が異変に気付き免れた
そうでなければ簡単に自己破産してたかもだって

青山さん
遺伝性の高音域難聴とのこと
そのテーマで驚いたのは
発達障害の話
症状の一つに「聴覚過敏」というものがあり
普通の人には感知できない音まで識別してしまう
例えば蛍光灯のチリチリ
時計の秒針の音
そんな音まで大きな刺激として感じてしまうと・・・
知らなかった
外見からはわからないし本当に大変だと思う

生まれたばかりの子供を
ネットカフェのトイレで殺してしまった女性の公判に行ったときの話

そして性暴力の話をいくつか

終末期の話では
緩和ケア
終末期鎮静
安楽死
自死幇助（ほうじょ）

この中で終末期鎮静のことは初めて知った

がん患者が亡くなる前おおよそ一週間以内に
あらゆる緩和ケア治療をしても苦痛が緩和されない時
鎮静薬を使って眠ることで
苦痛がない状態にする方法
薬で眠ったまま死を迎えるようにする治療

鎮静薬だからモルヒネとは違うと

ここのテーマは重くて
がんで苦しんで亡くなった両親の死を思い出し
これはいつごろからあったのだろうと

常々遺伝的にも自分が亡くなる時はガンのような気がしていて
最期苦しむのは嫌だなあ安楽死できたらなあと思っていたが
鎮静と言う方法があったとは
詳しく調べてみなければ！！

障害者殺傷事件
被告人の名前が公表されることを
本人が望んでいるので
B被告と記されている点にも
青山さんの強い気持ちを感じる

青山さんが人材派遣会社に登録する過程を読み
そのシステムを初めて知った
私も青山さんと同じくらいのスキルなし人間
青山さんはその後いろんな資格を取得したらしい
素晴らしい！！

遺品整理

これは、
する立場は終わって
今やされる側に近い年齢になり
義父母の時に大変な思いをしたので
自分は子供に苦労させたくないから
断捨離しておくわと偉そうに言いながら
ワンルームマンションにすぐには
引っ越しもできないくらいの荷物がまだあるなあ
（引っ越す予定は全くないが）

あとがきが一番楽しく読めたかも
「十五年前当時付き合っていた男」とあるけど
これって今の配偶者とは違うんだろうか

結婚生活も十五年近くとあるから
やっぱり今の夫さまではないか
紛らわしい書き方
再婚したのかプロフィール探したわよ

「ほんのちょっと当事者」と言う題名は
青山さん本人が当事者と思ってたけど
もしかして読者が少しづつ
どこか当事者ではないかということかも

私自身は青山さんのご両親の関係性に共感できた
自分の母が同じように父の影響で行動に制限されていた
昔ながらの男尊女卑の夫婦関係
父親が亡くなってやっと自由の身と言う時に
自分も病に侵され次の年に亡くなった
やっと母と一緒にいろんなところに遊びに行けると思っていたのに

青山さんと青山さんの母親との関係を読むと
親が子供に強く影響することを改めて感じ
逆に自分は子供にどんな影響を与えているか怖くなる

コクーン

1985年公開の映画

老人ホームに入居する男性3人が
隣の家のプールを無断借用

そしたらみるみる若返り

そこの家を借りていたのは
不死の星から来た異星人

そのエネルギーが老人たちに移ってしまった
その代わり不死のはずの異星人がエネルギーを吸い取られ
死んでしまう

いろんなところ省略してそんなあらすじ

ネタバレだけど
最後はホームの老人たちがその不死の星へ
一緒に行ってしまうのだ

家族と別れても行きたいか？
不死がそんなにいいか？
何とも後味の悪い映画で
コクーン２も録画はしてあるが
観る気がしない・・・

阿弥陀堂だより

NHK-BSにて放送

２００２年公開
舞台は長野県飯山市

静かな自然たっぷりの景色の中で物語は進んでいく
四季の移り変わりが美しい

売れない作家の夫（寺尾聡）
優秀な医者だがパニック障害という持病がある妻（樋口可南子）

二人が都会を離れ夫の生まれ故郷に帰ってきた

妻が無医村だったこの場所で医者として働く

夫が料理を作っているから家事担当か？

阿弥陀堂を守っている老女（北林谷栄）
声の出ない女性（小西真奈美）
余命わずかの恩師とその妻（田村高廣・香川京子）
そんな人たちとの交流

穏やかに穏やかに
時間は過ぎていく

テーマは
生と死か？