前回、経済主体の決算書類の表現の型として、その経済主体の「一定の期間の活動の成果」と「一定の日(決算の日)における資産・負債・純資産の状況」があるということを述べ、「一定の期間の活動の成果」を表現する型として、「お金」の計算書の説明をしました。
「活動の成果」として、もうひとつ代表的なものが「利益」です。
「活動」とその成果である「利益」を表現する(計算する)方法として、損益計算書があります。損益計算書は知っている方も多いと思います。
同じような計算をするのに、「利益」という言葉を使わないものもあります。
非営利法人等がそうです。
非営利ですから、「利益」という言葉は馴染まないということであろうと考えます。
しかし、考え方は同じですので、ここでは、それらも含めて、利益計算書として説明します。
利益計算書のイメージを図にすると次のようになります。
利益は、収益から費用を差し引いて計算されます。
会計を使って表現するときに、収益を右側に、費用を左側に表示します。
お金計算書と似ています。
収入が収益に、支出が費用に、お金が利益に変わっただけです。
収益は利益を増加させる活動で、費用は利益を減少させる活動と考えてください。
収入と支出との違いは、追々説明していきますが、簡単にいうと次のような感じです。
収入は、ある事業期間にお金が入った場合に計上されますが、収益は、その事業期間にお金が入っていなくても、その事業期間の利益を増加させるもの等は、その利益を増加させる金額を計上します。逆に、お金が入っていたとしても、その事業期間の利益を増加させないものや翌期以降の利益を増加させるべきもの等は、その事業期間には計上しません。
支出と費用の関係も同じです。
収入・支出は、ある特定の期間に、お金が入ったか、お金が出ていったかを重視しますが、収益・費用は、お金の入金・出金ではなく、利益を増加させるかどうかで、または、利益を減少させるかどうかで、ある特定の期間に計上すべきかどうかを判断します。
少し分かりにくいと思いますが、この違いについては、追々、具体例を示しながら説明するつもりです。
上図では、収益の方が費用より多いので、利益は左側に表示されています。
これが、費用の方が大きければ、逆になります。
金額の記載がある場合は、マイナス表示等で表示します。
ここで、左側を借方(かりかた)、右側を貸方(かしかた)といいます。
実際の計算書に近い表現にすると以下のようになります。
図の上が、左右(借方と貸方を並べるよう)に表示したものです。
しかし、実際の利益計算書は、図の下のように、上下に並べて表示します。
「一定の期間」を計算書の上に表示します。
「いつからいつまでの活動の成果ですよ」ということを分かるようにします。
収益の活動や費用の活動は、ひとつとは限りません。
同じような活動をまとめたものが、勘定科目で、この勘定科目ごとに金額を表示するようになっています。
どのような勘定科目があるか分かっていない方は、実際の計算書をみたりして、追々理解していけばいいと思います。
この点は、お金計算書で説明したものと同じです。
ところで、「お金」は、現金・預金として、現物を指し示すことができます。
「お金」は、「モノ」「請求権」であるからです。
「お金」は、「モノ」「請求権」であると同時に、「指標」でもあります。
一方、「利益」というのは、「指標」です。
「モノ」や「請求権」ではありません。
だから、「利益」は現物がないので、「利益」を指し示すことはできません。
「利益」は、会計上、ある特定期間の活動の成果を表現するために作られた指標です。
利益というと悪いイメージがありますが、これは、誤解だと考えます。
長くなるので、別な機会に、追々、説明していこうと思います。
本日は、ここまでです。
(今日は、朝から体調が悪かったので、うまく説明できたか分かりませんが、修正すべき点は追々やっていきます。追々が多いです。ご容赦ください。)
会計に関連した私の考えについて、書こうと思います。
できるだけ分かり易く書きたいのですが、難しくなるときもあるかもしれません。
会計は分からないけど興味がある方、会計を勉強したいと思っている方、会計に携わっている方、何かのご縁で私のブログを読んでいただいた皆様のお役に立てれば幸いです。
皆様に、神さま仏さまのご加護がありますように。
61歳のオッサン公認会計士でした。
では、また。