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経営者保証ガイドラインを斬る No22 参考事例集解説②

2014-08-29 13:57:54 | うんちく・小ネタ

 

 前回のブログ(8月1日)からまた日数が過ぎてしましました。次回に続いて、経営者保証に関するガイドラインの活用に係る参考事例集の解説です。
 同参考事例集は、事例を次の4つに分類しています。
 A.経営者保証に依存しない融資の一層の促進(11事例):個別の融資案件において、経営者保証を求めなかったもの
 B.適切な保証金額の設定(4事例):融資総額について経営者保証を求めず、担保等を考慮して、一定の金額の経営者保証を求めたもの
 C.既存の保証契約の適切な見直し(6事例):経営者交代等により、根保証契約を解除したもの
 D.保証債務の整理(2事例):企業が債務免除を受けるに際して、経営者保証についても一定額を免除したもの
 Aの個別案件について、経営者保証を求めない融資は、私が地方銀行に勤務していたときも、数は少なかったのですが、見かけることはありました。今後は、経営者保証に関するガイドラインが公表された関係で、経営者保証の付さない融資案件が増加してくるものと思われます。
 しかし、この個別案件の事例では、経営者が融資全額について、どれくらいの債務保証をしているのかが分りません。
 それについては、Bの融資総額について経営者保証を求めず、担保等を考慮して、一定の金額の経営者保証を求めたものの事例で明確になっています。4事例のすべてが保証金額の減額となっており、経営者保証がゼロのなった事例はないようです。
 よほどの優良企業であれば、経営者保証をゼロにできるでしょうが、現実的には、この事例のように融資総額と担保評価額の差額の範囲内で経営者保証の金額が決まるという案件がほとんどであろうと考えます。
 Cの経営者交代等により、根保証契約を解除したものですが、これも融資総額に対して経営者保証がどうなっているのかが分らない事例があります。前経営者の保証や根保証を解除したのは分りますが、新経営者について保証を求めないと明確にしているのは2件のみで、他がどうなっているかは不明です。
 Dの企業が債務免除を受けるに際して、経営者保証についても一定額を免除したものも、私が地方銀行に勤務していたときに、このような取扱いをすることはありました。これについても、経営者保証に関するガイドラインが公表された関係で同様の案件が増加してくるものと思われます。
 事例としては、まだ少ないのですが、金融機関側から経営者保証に関するガイドラインの説明をしたというものもあり、経営者保証に関する金融機関の姿勢は着実に変わっていくものと考えます。ただし、金融マンの感覚としては、なかなか受け入れ難いと考えている人も多いようで、浸透するまでには、時間がかかるのではないかという気もします。
 次回は、事例集を読んで、私が良い変化と感じた点及び懸念する点について説明してみたいと思います。一応、時間はかからない予定です。
 その間に拙著「本音を言わない銀行、言っても解らない中小企業の社長」でも読んでいてください。
 元地方銀行マンの53歳のオッサン公認会計士でした。
 では、また。

 


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