ビリを買って100ルピーを出したらタバコ屋の兄ちゃんはうちの店は両替屋じゃないと機嫌が悪い。もっと買えとタバコやライターそれにビスケット等15ルピーくらいの品物を目の前に並べさあどうするとぼくの顔を見ている。デリーでは宿代100ルピー、昼飯に50ルピーと使うので100ルピーは日本の千円くらいの感覚でしかない。だがこんな小さな村では100ルピーは1万円札に相当しチャイ屋やインド人の食堂では出すと嫌がられる。銀行で100ドル両替すると約3500ルピーになるのだが35枚の100ルピー札を渡される。リシケシに長期滞在している外国人はアシュラムに住んでいる。食事はアシュラムの食堂で食べるしタバコやドラッグは禁止されている。彼等に必要な物はミネラルウオーターやフルーツくらいだ。ガンガの対岸に外国人相手の食品や日用雑貨を売っているちょっと大きな店があり、ぼくも含め外国人は両替を兼ねてそこで買物をしていた。いつも小銭を用意しているのだが時には100ルピーが残ってしまうことがある。
兄ちゃんのタバコ屋はここでは大きい方の店なのだがインド人はタバコを箱ごと買うことは少ない。タバコ屋は何処にでもあり吸いたくなれば1本50パイサくらいの小銭を出して買い、マッチの代わりに火の点いた紐が用意してあるのでそれでタバコに火をつける。大体インドの服はタバコやマッチ等の小物を入れるようには作られていないのだ。タバコを箱ごと買えるのはお金持ちのインド人と外国人くらいでコインや小額の札はあるが100ルピーなんか出されても兄ちゃんは困るだけだ。タバコやビリは幾らあっても腐ることはない、買い溜めをするつもりで20ルピーくらい買うとぼくが言うと兄ちゃんは店の横の潜り戸から出てぼくに店番を頼んで両替をしに走って行った。何処まで行ったのか暫らく待たされたが兄ちゃんは息を弾ませて戻って来た。
いきなり体調が良くなった 金曜日は呑んべぇTさんと道具を作りワカメ採りだ
5mの竹竿の先端に4本の鉄バンドを針金で締め上げその道具で海中のワカメを巻きつけ採る
かなりの重労働だ 汗が出る 当然ビールとなるがそこはぬかりなくTさんが用意していた
この時期だったらどこでもワカメが採れたが去年頃からワカメの生育が良くない
この日はまあまあの収穫だった 帰ってワカメを茹でお世話になっている知人宅へ届けた
若いワカメはやわらかく磯の薫りがする