ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

第5話 両替ババ・・・3  ババの苦難

2015-10-28 | 第5話 両替ババ

つかつかと兄ちゃんの店へ行くとババは下流の方を指差して何か言っている。
「もうちょっと離れた下の方で店をやれ、こう近くでやられたら俺は商売にならない」
とでも言ったのだろう。兄ちゃんはババに逆らわず店を下流へ10mぐらい移動させた。だが今回ババがとった作戦は全くの誤りではないのか、頭に血が上ってババは状況を理解していないように思える。
  家族そろって聖地巡礼
 貧しい村から聖地巡礼に行くことなど一生にそう何度もあることではない。巡礼へは村の親族一同が揃ってお祭り騒ぎで出発する。
がその前に村の爺ちゃんから巡礼地の話や旅先には悪い奴がいるから気をつけろ、と注意などを聞いてくる。爺ちゃんの話はリシケシ駅に着いた時の細かい注意から寺院には10パイサの賽銭をあげろと続き、そしてラムジュラの上から見た大きな魚の話になると爺ちゃんの興奮も最高潮だ。
「ラムジュラから下を見てみろ、こげな大きな魚が泳いどる」
口を尖らせ両手を広げて爺ちゃんの熱弁が続く。
「そげなのが本当におるのか、爺ちゃん?」
「あぁおる、こげん大きい」
寺院のお賽銭とお魚に供物をやることを忘れるな、と爺ちゃんの話しを聞いてリシケシへやって来た。ガンガ河畔の小道をぞろぞろと歩いていると、
「父ちゃん、爺ちゃんが言うとった魚の餌が売っとる」
と言うことで兄ちゃんの店で魚の餌を買い、ぶらぶらと餌をぶら提げたお祭り騒ぎの一行が両替ババの気持ちなど知らないで目の前を通って行ったのではないだろうか。リシケシ駅から歩いて来ると兄ちゃんの露店が先に目につく、どうせ兄ちゃんを移動させるのだったら、ババより上流にしておけば良かったのかもしれない。

童謡 木枯らしのメロディーがスピーカーから流れてくる 
小型のタンクローリーが灯油の配達を始めた もう冬が近いのか?
先週は最高気温23~25度 毎日湾へ釣りに行き顔は漁師焼けだ
北西の強い風が吹いた 明日 風が治まるだろうか イカ釣りはどうなる・・・

コメント
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