ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

保釈・・・9  エマは組織の人間 

2016-01-21 | 5章 デリー中央刑務所  保釈

   9月6日(水曜日)
 昼12時の施錠時、エマがぼくの3房に入って来た。これは刑務官の了解を得れば何の問題もない。エマの1房が1名欠員で3房が1名増えたという確認だけで済む。昼食が終った後エマはおもむろに下着の中からベビーハムぐらいの大きさの黒いビニールでラッピングされた物を取り出した。ぼくはそれが何であるか直ぐに分かった。スタッフ50gの大パケだ。ぼくは扇風機を止めた。広げた新聞紙の上にパケからスタッフが出された。刑務所内には正確なスケールはない。かなりいい加減な匙加減で10gの中パケが素早く作られていった。ぼくはサンプルとしてそのスタッフを吸ってみた。エマには5gの中パケを2~3個、作ってくれるよう頼んだ。ぼくが使用する分についてはエマがストックし、残りは他のストッカーへ回すようだ。エマはやはり組織の人間だ、ぼくはそう確信した。
No2Wardで最悪の状況に追い込まれた。要注意のへび目にパケを押収された。
[誰からか?話せ。今、話せばパケは返してやる] ぼくは話せない。
奴がSPにレポートを提出したら・・・ぼくは組織のすべてをゲロする。
組織は壊滅するだろう・・・翌朝、ジャクソン、トビキ、 エマに呼ばれた、
心配するな問題はなかった 友達じゃないか 組織の結束は固い。
支払い能力のある欧米、日本人からの収入に頼るしかない、それが裁判費用に必要なのだ
 ぼくはスタッフへの依存の深みに入り込んでいた。今では小パケではなく5g単位で買いダイクと吸い続けていた。この状態が続けば何れぼくは肉体的にも金銭的にも破綻してしまうだろう。早くここから出なければならない。


こどもは風の子 雪も雨も風になって遊ぶ
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