ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・59

2014-05-07 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

フィリップスの粉を入れてみた。良い効きをしてかなり引っぱっている。セガがシックになっていたので少し粉を回してやった。こんな事をやってもしスタッフが途切れたらアシアナに逆戻りだな。ピーターはどうしてアシアナへ来たんだろう、禁断で行かされたのか自分の意思で行ったのか?奴がスタッフ中毒である事はアシアナでも分かっている筈だ。第2収監区で中毒になっているのに問題の解決は何らなされていない可笑しな刑務所だ。だからぼくはこうしてスタッフを毎日やっていられるのだが。
 ネットの外で寝ているぼくにプランが言い寄って来た。スリランカ・グループを離れて俺と一緒にやらないか、と言っているようだが奴の英語は分かり難い。要するにスタッフやビリの代金を全部一緒にして2人でハーフ・ハーフで払うと言う意味のようだ。泥棒と組む気はない。プランがいなくなると今度はサンダーがやって来た。
「お金は誰が持っている?」
ブラックに金を持たせると逃げるぞと言った。どの道、今回手にしたお金の半分以上はアフリカン組織に流れていく。同じアフリカ人へ流れるお金を持ってマリーが逃げるなんて有り得ないしマリーに大金を持たせる事はないだろう。日本からの送金は大使館口座に振り込まれる。生活に必要な金額だけ大使館宛に書いたぼくの手紙によってマリーにお金が渡される。弁護費用や裁判所へ納めなければならない場合は弁護士が直接、大使館へ行って受取る事になっている。今回の件による出費は1万㌦くらいで納まってくれれば助かる。カトマンズに戻ってスンダルと土産品店を開く約束をしている。開店費用は1万㌦予備費として1万㌦、失敗したら帰国しても良いまだ少し余裕がある筈だ。
 


腰の痛みは良くなりつつあった が5日早朝 右へ寝返りを打つと身体がぐるりと回った
めまいだ ベットに起き上がろうとすると押入れの襖がぐぁ~んと回る どどどぅなっとるんや
枕元の目覚まし時計を持って居間のこたつの上に置こうと屈むと今度は壁がぐぁぐぁ~んと回り
そこへへたりこんでしまった やばい とにかく頭の位置移動をゆっくり静かに行う
顔を洗う ガスを点火すると確認だ 新聞を取る ついでに玄関の鍵を開にする
(もし倒れたら救急隊員が入れる為) どうなるのか 考えてもダウナーになるだけだ
やけくそで焼酎を呑む 酔ってくると気が大きくなり どうとでもなりやがれぇ~だぁ
昼寝から起きるとやはり考えた 以前にも同じような症状を体験している どうしたのか?
なぁ~んだ そんなことで治るのか それらしい記憶がある ネットで検索する
ねがえりを打ち込むと「寝返りとめまい」等の類似項目が表示された クリックすると
でぇ~たぁ~ NHKためしてガッテン これだよ これぇ~
枕を置いて寝る 上を向いて10秒 左 右横になって各10秒 これを10セット行う
右向きは何ともなかったが左向きのとき3回目でちょっと目が回りそうだった 4 5回では
目が回った 6 7では回りそうだがそうはならない 10回 回らない 念のため追加5セット
異常なし 座椅子でリラックスしていると不快感があった腹部も治まっていくようだ ちょうど
乗り物酔いが続いていたような症状だったのではないだろうか 
今朝 ベットで寝返りを打ったがめまいはない  やれ やれだ
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ジャンキーの旅        遠い道・・・・・24

2014-05-01 | 4章 遠い道・逃亡

 昨夕からお腹の調子が良くない。夜中に何度もトイレに座っていたが朝になって激しい下痢になった。ゲップは例の卵が腐ったような臭いがする、薬を飲んで横になっていると昼頃には調子が良くなった。メトロポリスで食事をするのも今日で最後だろう。ビールを飲んでいるとスープとマトンビリヤニが目の前に置かれた。マトンを軟らかくして御飯と炊きこむ、当然カレー味だが絶妙な美味しさだ。さすがメトロポリスだ満足した。ビールが効いたのかホテルに戻って眠っていたが夕方、胸がむかついて目が覚めた。急いでトイレにしゃがむといきなり吐いた。もう一度、胃を絞るようにして吐きだした。昼に食べた物がそのままの姿で便器に貼りついている。胃が働いていない、全く消化していないのだ。コップ一杯の水を飲んで胃の中を洗い、もう一度吐き出した。胃の中の物を全部吐き出して空になったようだ、これで調子は良くなる。スタッフを再スタートして1週間が過ぎている。入院して身体が現実に戻りつつあったのにスタッフが干渉をし始めた。現実が分離しその狭間を身体の組織が揺れ動く、安定を失った最悪の状態だ。スタッフを再スタートしたときはいつも吐いた。正常な意識は異物であるスタッフを拒否し肉体の苦しみによってぼくに警告を発しているのだ。その警告を無視し肉体の苦しみを超えてスタッフの深い闇に入る。甘いドラッグの罠だ。



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