地震の影響で、多くの方が放射能による被爆の心配をされているかと思います。
また、今後は電気だけでなく、野菜や米などの食料品が不足することも予想されます。
ところが、こんな時でも玄米のちょっとした知識があるだけで、放射能にも食料難にも怯えることなく過ごすことが出来ると思いますので、お伝えしてみようと思います。
タイトルの「玄米一粒の革命」は、自然農法の創始者として知られる福岡正信さんの著書『わら一本の革命』から拝借させていただいたもので、この記事はずっと前から書こう書こうと思っていたのですが、その内容がそのまま放射能対策にも食糧難対策にもなっていますので、元のタイトルのままお届けしようと思います。
僕が玄米を食べるようになったのがいつごろなのか、よく覚えていないのですが、多く見積もってもここ5年くらいだと思います。
実家では、母が玄米を大好きでよく食べており、家庭の食卓に玄米が出ていた時期もありました。
幼心に食べた玄米の印象としては、やはり一般的に言われているような「硬くて美味しくない」というようなイメージでした。
それでも一人暮らしをする中で玄米を食べてみようと思ったのは、あまりに多くの「玄米が良い」「玄米を食べなさい」の声を耳にしていたから。
それで最初は、白米ごはんの中に玄米を4分の1ほど混ぜて炊いていました。
それがだんだん「玄米が入っていないと物足りない!」と思うようになってきて、割合も半々くらいになってきました。
玄米を食べるようになって感じたことは、
・とにかく満足感(満腹感)が全然違う。ごはんの量もおかずの量も、白米の場合より驚くほど少なくて済む
・野菜をあまりたべなくても、野菜を食べた感がある
・腹もちも断然よい
・揚げ物や肉類などの西洋風のおかずよりも、和風の質素なおかずが食べたくなる
このようなことは、当時超ビンボー生活をしていた僕にとっては、食卓が安上がりにシンプルになって健康にもなれる!?願ってもいない棚ボタ話しでした。
やがて僕は、白米に合うおかずと玄米に合うおかずとが全く別物であることに気付き始めます。そして、世の中に玄米に対して「まずい」という印象を持つ人がいるのは、おかずが白米おかず(西洋食)のままだからなのではないか?という重大な事実に気づくことになります。
そんな折、前出の本、「わら一本の革命」に出会います。その中で福岡さんは、「白米とは玄米の栄養をひとしきり削ぎ落とした後の残りカスだ!」と、福岡さん流の竹を割ったような口調で説明していました。
そして僕は、それが決して誇張表現ではないことを知ります。
なんと白米とは、実に玄米に含まれている栄養のうちのおよそ8割、ほとんどすべての栄養を削り落して残った部分。まさに残りカスだったのです!
なるほど言われてみれば、米に白で『粕』なのでした。
*ちなみに「玄米」とは、収穫した稲の実のもみ殻をとり除いたもの。「白米」とは玄米の外殻や胚芽などを精米して削り落したもので、その粉状の削り粕が「ぬか」です。
そして、はっと思い起こせば、愛用の旧暦手帳にもこんな記事がありました。
『江戸患い』
江戸の街は豊かになった中期以降、本格的なグルメブームを迎え、都会では白米を食べることが流行した。同時に身体の不調を訴える人が続出し、故郷へ戻ると自然に治ることから「江戸患い」と呼ばれた。
江戸患いはケイ素やビタミンB不足による脚気。野菜のぬか漬けはその頃から普及した副菜、栄養が不足を補う意味で理に適っていた。外食産業も発達し、江戸患いに効くという評判もあって蕎麦屋は多いに繁盛したという。
昔の人が「一汁一菜」の素食で健康を保てたのは、玄米や雑穀にバランスよく含まれるミネラルやビタミンのおかげだが、現代人はいまだに白米信仰の中にいる。
~LUNAWORKS「旧暦日々是好日」2009、2010年版より
ガーン!!自分はまさに飽食贅沢時代の白米信仰者だったのでした!!
その贅沢貴族っぷりは、例えるならスイカの真ん中だけくりぬいて、あとは捨てているようなもの!!なんと愚かだったのか!!
というわけで、それから思い切って玄米100%食事に挑戦する日を増やしてみました。もちろんおかずは味噌汁と漬物と昔ながらの質素な和惣菜で。
するとどうでしょう!お漬物が、味噌汁が、煮物が、きんぴらごぼうが、なんとこんなにも奥深く、美味しいものだったとは!びっくりしました。
そのとき僕は、日本に生まれて30年近く、初めて本来の和食の味、本当の和定食の姿を見たのです。
同じ和食のおかずでも、玄米を主食にすると、それまで白米では感じることができなかった奥深い複雑な表情を見せるようになります。そして野菜や素材そのものの味がより引き立ち、調味料の味でなるべく邪魔されたくないと思うようになり、自然と薄味にもなります。
白米では和食の奥深い繊細な味わいを知り得ることはできません。
なぜなら、日本の伝統食とは、玄米やヒエやアワなどの雑穀類を主食としたときにバランスがとれるように作られているからです。
そしてそのバランスの完成度の高さは世界随一を誇ります。
和食とはまさに、和(バランス)を極めた食なのです。
(続く…)