大森インプラントクリニック松元教貢歯科医院腫れ痛みなく早く、骨不足でも骨ができて直ぐに歯が入る幸せのブログ

松元教貢歯科医院は骨が不足で骨造りしても腫れ痛みのとても少なく早く治せる方法をしてる即時荷重インプラントパイオニアです。

余命とインプラント治療の価値観

2012年04月23日 | 日々のインプラント臨床の話

今日は、悲しい出来事をご報告しなければなりません。

この症例の患者さんが3月末に永眠された、とリコールの連絡をさせていただいて、ご家族の方とお話して知りました。

本当に残念です。

人柄の非常に素晴らしい方で、今までの人生長い間入歯で悩まされ続けて来たから、もう入歯は嫌だ、と言うことでインプラント治療をさせていただきました。

最後は心臓が弱ってしまって、とのことでした。

亡くなられる3ヶ月前に最後のリコールで来て下さって、食事に関しては何も困っていない、とてもインプラント治療には満足している、とニコニコお話しして下さっていました。

この方のインプラント治療も、実は途中で色々と他の体の病気で闘病期間があり、苦労しながら最終的なセラミックの綺麗な歯を入れられました。

私の得意とする低侵襲即時荷重インプラント治療で施術させていただいたので、少なくともインプラント治療に関しては腫れて痛んだり、噛めなくて非常に困られたり、と言うことなしで治癒期間も経過を辿りました。

そのお陰で、インプラント治療に対して恐怖感を抱かれることもなく、快適な過ごし方を経て、体の方が今一つ思わしくなかったのですが、何とか持ち応えられ、最終補綴まで治せたのです。

やはり、高齢者の方の治療ほど、機能面での早い回復と痛がらせない、腫れたりしない、治療を受けるのが楽であった、と思っていただけるように治療を行うことが何よりも重要だと強く感じます。

もし、通常のインプラント治療のように歯茎を切り開き、インプラントを植立し、縫合し捲る治療で、直ぐに歯が入らず、義歯も入れられずで施術してしまったのなら、多分この患者さんは最後まで治せなかったことでしょう。

インプラント治療はその成果は素晴らしい治療です。

それは間違いがありません。

しかし、一般的に考えて侵襲が大き過ぎるのです。

歯茎の切開、骨の削合、インプラントの捻じ込み植立、歯茎を閉じる縫合と、一つ一つを考えなければ、患者さんは痛み腫れます。

歯茎の切開の切り方、歯茎の剥がし方、扱い方、骨の削り方、痛みを与えないように削る配慮、インプラントの捻じ込みも、そして縫合、歯茎の状態の把握、治り方が良いように、痛くなったり腫れたりしないようする配慮。

どれ一つをとっても、細心の心使いが必要です。

 

私は、これらのステップ一つ一つを考慮して、出来る限りムリ・ムダ・ムラのない施術が一番痛がらせない腫れ上がらせない、と思います。

ですから、私は切開を最小限の切り方しかしませんし、骨の扱いでも削り方、植立の方法と考えられる全ての細かな工夫をしています。

更に、私の施術は縫合を殆ど必要としない方法で治せています。

しかも、殆どの場合綺麗な仮歯があって綺麗に傷口が保護されるように治しています。

これらの成果があるからこそ、患者さんにインプラント治療の恐怖を味わせることなく、早く綺麗に仮歯での咬合を確立し治せたのです。

 

この患者さんに関しては、体の具合の問題で最終補綴を待ってしまいましたが、それでも常に機能面、審美面では納得いただける状態で経過を辿りました。

非常に残念ながら、この方は永眠されてしまわれましたが、この方にとってインプラント治療の意味、価値は素晴らしいものがあったのでは、と感じます。

もっともっと長生きされ使っていただきたかったのですが寿命には勝てません。

 

こう言う時に良く議論されるのですが、数年しか使えないのにインプラントなんて高額の治療するなんて、と言うご批判も良くいただきます。

しかし、では何もしないで義歯治療で調整、再製を繰り返す人生であった場合どうであったのでしょう?

一人の人生なので、同一人物の中で、義歯治療とインプラント治療を比較することは難しいです。

大抵の場合義歯が嫌で嫌で、でインプラントになるのです。

その場合、インプラントなんてするんじゃなかった、こんなだって知っていたら義歯で我慢したのに、と言う意見も見ることがあります。

 

インプラントがこう言う批判を浴びる最大の原因は、外科処置のトラブルです。

それを解決することが、インプラントの批判を解決する、患者さんに納得いただく最善の手段だと私は考えます。

ですから、一人2003年恩師DR.ラムの元に学び、最小切開によるインプラント治療、最小限の侵襲のインプラント治療を志したのです。

そして、偶然の幸運に恵まれ専門書も出すことが出来ました。

低侵襲治療、患者さんの為の怖くない、痛くない、腫れない治療が私の道になりました。

その成果として、今回のご紹介した患者さんの実例のように、怖がられない痛がられない腫れない、直ぐに歯があって早期に機能回復する治療を成し遂げられるように成って来たのです。

そうこうしている内に、世の中全体で低侵襲が望まれ標榜されるように成って来ました。

その傾向は嬉しいものですが、中にはとんでもない実例も散見させられます。

正しい低侵襲・即時インプラント治療が広まるにはまだまだ時間が掛かるのでしょう。

 

残された時間を有効に、生き甲斐ある素晴らしい人生にする為のインプラント治療。

残された時間で考えていると躊躇して、辛い状態のまま締め括る事になりかねないと危惧します。

そう言う躊躇を振り払う為には、侵襲への恐怖をなくすことが最重要です。

その上で、しかも即時、直ぐに機能できる状態に治すこと。

これらの両立は、とてもレベルが高く難しいものです。

常識的には、矛盾しているとも言えるものです。

しかし、矛盾しかねない条件の両立こそ解決の道、なのです。

そうして差し上げないと、余命が尽きてしまうかも知れませんし、痛がられたら治療を進められなくなるかも知れません。

怖くなく痛くなく早く綺麗に、と言う矛盾する要求を完全に満たして差し上げる道は、これからも止まることがなく進めないといけないのです。

 

この患者さんの御霊にお誓いして、今後も低侵襲即時荷重審美インプラント治療を極めて行きますと、心から祈念致します。

 

心からご冥福をお祈り申し上げます。

合掌