今日は朝一から出張オペで、前歯の犬歯から犬歯までの抜歯即時植立即時荷重審美インプラント手術をしています。
抜歯してから直ぐにインプラントを植立して、綺麗に前歯が入るようにする治療です。
非常に繊細さを要求される手術で、歯科用CTで術前にどの位置にどう植立したら良いのかを緻密に計画を立て、その通りに手術することが要求されます。
そして、綺麗に仮歯を入れることも要求されていますので、ただ入れれば良いという植立ではダメなのです。
全てのインプラントで35N以上を達成しなければいけませんし、歯茎の治り方も計算して、全ての手術を成功させなければいけません。
1回だけの手術で終わらせる、と言うことはその時に全てをチャンと治るように整えなければいけない、と言うことなのです。
2回法とか術前にGBR骨造成したりとかの手術の進め方は、何回もの手術を重ねることで、その時々で修正のチャンスがあり、時間は掛かりますが、その分安全策を重視した方法とも言えるのです。
しかし、その分患者さんは何回もの手術とか、治癒期間の長さに耐えなければなりませんし、何よりも中々固定式の歯が入らないことに耐えなければいけません。
それらの欠点を解決する為に、今回のような1回で全てを終わらせる即時植立即時荷重と言う方法がある訳ですが、この方法では手術後の治り方、骨や歯茎の落ち着き方を見抜く必要があり、それがチャンとできないと審美的な解決にならなくなってしまうのです。
なので、審美的な部位でのインプラントに関しては、1回だけの手術で治すというのが、非常に厳しいとされているのです。
それでも、インプラント周囲に必要とされる骨の量、歯茎の厚みと高さをコントロールできる技を同時に駆使することができれば、1回の手術の中で患者さんが望んでいる成果を出すことができます。
但し、この方法の最大の問題点は、患者さん自身の骨の硬さが拠り所で、それが所定の硬さ持っていない場合には出来ない、と言うことなのです。
言い換えれば、出たとこ勝負、と言う面が強く、植立をどれだけしっかりとさせられるのか否か?の術者側の力量で、物凄く影響されるのです。
植立をしっかりとさせられる技には色々な技があります。
上顎でしっかりと植立する為には、何と言っても骨を押し曲げて圧縮する技法の応用が有効です。
私はこの方法の原法を1998年熊本の添島先生に教えていただいて、それから応用して今では殆どの上顎のインプラント手術で用いています。
私自身は、講演とかさせていただく際には、上顎のインプラントでは、ドリルは殆ど用いません、と発言しています。
でも、この技術かなり難しいもので、色々な応用方法があって、その時々に応じて使い分けています。
何時かはこれらを整理してご報告したいな、と思っています。
今日のオペも、このテクニックを用いて無事に即時荷重、綺麗な歯を最初から入れられるように出来ました。
後は順調に治れば、3ヶ月後にはセラミックの歯が入って終了です。
通常のインプラント治療でGBR骨造成とかしていたら、間違いなく1年以上は掛かります。
それが、4分の1以下の期間で治せるのです。
これこそ、患者さんにとっての本当の低侵襲ではないでしょうか。
私は心からそう信じて、この方法を極め、後世の為に残したいと願っています。
全く新しいインプラント治療方法を私は編み出し、患者さんの為、世の為人の為に残します。