大森インプラントクリニック松元教貢歯科医院腫れ痛みなく早く、骨不足でも骨ができて直ぐに歯が入る幸せのブログ

松元教貢歯科医院は骨が不足で骨造りしても腫れ痛みのとても少なく早く治せる方法をしてる即時荷重インプラントパイオニアです。

インプラント学会 大阪で思ったこと。

2012年09月24日 | 日々のインプラント臨床の話

木曜日から大阪にインプラント学会で出掛けていました。

木曜日から行っていたのは、ケースプレ試験と言う専門医取得の為の受験の為です。

そしたら、同じ列の2人隣りがサイナスリフトを日本で広められ、ガイドサージェリーでも良くセミナーをされる菅井先生で、少し離れた列には早春塾長林先生がいて、POIの講師の島本先生もいるし、他にも講師陣として著名な先生が何人もおられてビックリしてしまいました。

どんな内容だったかに関しては、部外秘とされていますので、全く公表出来ませんが、インプラント治療するに当たっての基礎的事項を疎かにしていないかどうかの口頭試問で、やはり合格するには勉強をしっかりとしないといけないものです。

それよりも目立ったのが、とにかく若い先生方の受験生がとても多い。

真面目に勉強していて、偉いなーと思う反面、一般的な歯科治療、歯周病治療レベルに関しては大丈夫なんだろうか?と心配になってしまいます。

今後、今回の学会でもそうでしたが、インプラントの術後の問題、歯周病関係とか、色々な問題が起きてくることが予想されます。

そう言う時に、どうするんだろう?引き出しが沢山あるんだろうか?と不安になりました。

インプラントは確かに良いものですが、しかし、その副作用というか、予後の問題健全な口腔状態を長く終生維持させるには、と言う難しい問題に直面することが間違いなく起きてきます。

そのような重い問いに対して、実は歯科業界側はまだ明確な指針、リカバリー方法を世界的に見いだせていないのです。

そう言う時に、歯周病に対応して来た経験、咬合管理してこれて来た経験は決して無駄にはならないでしょう。

そう言う分野での底の浅い先生がどれだけチャンと対応出来るんでしょうか?

私には不安です。

 

患者さん側は知らないことでしょうが、インプラントのトラブルに関しては早期の撤去、傷口の治癒後3~4か月後に再植立がシンプルで安全である、と言う主張も出始めており、その意見には確かにと思わせる面も少なからずあります。

しかし、患者さん側からすれば、再植立つまりはやり直しと言う選択肢が如何なものなのか、と言う疑念は残るのではないでしょうか。

 

全てを医療側が負担することは経済的にも不可能でしょう。

原因が患者さんの日常生活にある生活習慣病であったりすれば、それは尚更となると思います。

でも、だからと言って全てを又患者さんに負担させるのか?と言うのもどうなのでしょうか。

 

こうして、色々なことを考えると、やはりインプラント治療と言うものは、植立したインプラントは少なくとも20年以上は持ってくれて、その上に取り付ける人口の歯も10年以上は使えないといけないだろう、と私は感じています。

勿論、長く持ってくれることに越したことはないですが、神様から与えられた天然歯ですら色々なことで失われるのですから、人工的なモノがそれ以上の成果を挙げられるのかどうか、に関してはやや心配性である方が良いのでしょうか?

 

まだ国民の中でインプラント治療と言うものへの正しい認識、理解が不足している、と思われる現状の中で、若い先生方が取り組まれるのは、大変だろうなーと心配に成ってしまいます。

時間が経てば解決する、正しいものがいつかはチャンと広まるとは言っても、誤解、勘違いが根付いたら、それを覆すのには非常に時間と労力を要することでしょう。

 

それでも、私はインプラントがバッシングされ適用すべき時にまで適用がされない時代への逆戻りに関しては、それはおかしいと意見を表明します。

部分義歯の辛さ、気持ちの悪さ、使えなさを解決する手段としてインプラントは間違いなく素晴らしいものです。

科学の進化の過程で言えば、インプラントの快適さを知った人類は、二度と義歯と言う不自由な世界に戻ることは考えられないでしょう。

一時的に、問題があると言うことで反省すべき点は反省すべきでしょうが、進化の過程を戻すことは出来ないだろう、と予言します。

 

インプラントの快適さを知ってしまった人類は、ブリッジや義歯に戻れない、と私は確信します。

 

でも天然歯の治療しないでインプラント、と言う選択肢も間違っている、と思います。

ですから、私はALL-ON-4には基本的に反対の姿勢を表明しますし、歯周病治療再生療法の未来に望みを駆けたい、と思っています。

 

我々の時代は、目まぐるしく変化し、急激に進化を遂げる、と言う時代でした。

ですから、非常にエキサイティングな時代でもあり、夢を駆ける時代でもありましたが、反面百花繚乱で乱立の時代でもある、と言えるでしょう。

そのことで、患者さん達も、ネットの進化と言う情報溢れる時代の恩恵と言うべきなのか、反動と言うべきなのか、どうすれば正しいのですか?と戸惑われるばかりではないでしょうか。

 

しかし、残念ながら正しい正しくない、と言う判定基準では判断の下せない時代に今はあるんです。

私はそのことを患者さん達にしっかりと伝えたい。

 

言い換えるなら、何が正しいのかは10年以上経ってみないと分からない、と言うのが一番正解です。

 

私達のような50代の者は、そのことを体感で知っていますが、若い先生方は大丈夫なんだろうか?

彼らの勉強熱心さが、かえって仇になりはしないかとか、そんなことまで心配に成って来ます。

 

特に個人的には歯周病関係の治療の経験、歯を頑張って残す経験値が治療方針、治し方を左右するんじゃないか、と危惧してしまいます。

 

ある有名なインプラントの先生が、インプラント治療は歯科治療をそれなりに修得したその先にあるものだろう、と話されていました。

私もその先生のご意見に全く賛成です。

しかし、現時点ではそのチェックは全く為されていません。

これで良いのだろうか、と考え込んでしまいます。

 

昔々、インプラント勉強していると、義歯が下手だから走るんだろうと揶揄されました。

歯周病治せなくて、歯が残せないからやるんだろう、と中傷されたこともありました。

実際そう言われても仕方がない実態を見させられたのも事実です。

昔、インプラントに関わらないのが良心的医療人である、と言われたことすらあったんです。

 

それが、ここまでインプラントが主役に成っている時代に成って、時代は進んだんだ、と思われます。

でも、主役になり過ぎるのも困った現象ではないの?と私は違和感を感じてしまうのです。

 

日本人は真面目な方が多いから、こう言う時に何が正しいの?と言う価値観で動こうとします。

 

でも何が正しい正しくないの価値観で動こうとすると、価値観が対立した時に動けなくなってしまいます。

 

この際、正しいと言う絶対的価値観を捨てるべき時代なんだろう、と私は感じて仕方がありません。

ではどうするのか、と言うと私は嫌いな言葉ですがエビデンス、確証、根拠を頼りにするしかないんだろうな、と考えます。

 

でも、このエビデンス、個人個人のDRで全く違ってしまうんです。

その違いは時間でしか埋まらないだろう、と歯周病治療の長い歴史の事実を見ていると、そう諦観するしかないんです。

 

願わくば、若い先生方に望むことは、そのインプラント治療の根拠、どうしてそうすることがベストだと考えたのと言う考え方と、二の手、三の手と何かあった時にでもリカバリー出来る手を磨いて欲しい、と思います。

こういうのは、残念ながら経験しながら身に付けるしかないのですから。

そして、その為にはインプラントではなく従来の歯科治療を修得することこそが役に立つ、と私は信じています。

 

根拠、考え方、哲学がチャンとバランスが取れていること、これが最重要なのではないか、と私は思っています。

何故なら、時代時代で科学は進化し、考え方は変わり、何が良いのかは変わり続けるからです。

 

ところが、これら一連のことを患者さん達は意外なほど理解しておられません。

このギャップを埋める永遠に続く努力をあなた方は出来ますか?と言う質問をインプラントを志す若い先生方に敢えて送ります。