国会中継を久しぶりに見ました。民主党の福山氏と大塚氏の質問でしたが、閣僚の答弁姿勢とその内容に失望いたしました。
民主党政権時代、官僚のメモなしで答弁できない大臣を沢山目にし、私は遠慮なく、厳しい批判を致しました。民主党の政治スローガンは、官僚の支配を許さず、政治家が主導するという勇ましいものでした。金権腐敗の自民党に怒りを燃やし、私が民主党へ一票を入れたのは、このスローガンに引かされたからでもありました。
しかし、実際はどうだったか。民主党の大臣は国会において、野党になった自民党議員の質問に追い詰められ、事務方の官僚の助けなしでは何も答えられない大臣ばかりでした。政治主導どころか、官僚の助けなしでは何もできない政治家の無能さを、国民の前に晒してしまいました。
ところが今日の国会中継では、自民党の大臣諸氏が、惨めな姿を見せてくれました。具体的な名前を挙げますと、福山氏の質問に答えられず、何度も官僚に耳打ちされたりメモを渡されたりし、それでもまともな答弁ができなかった金田勝年法務大臣。つぎは、大塚氏の質問に同じ醜態を晒した、防災担当大臣松本純氏。それから稲田朋美防衛大臣でした。
委員会の質疑ではあらかじめ質問通告がなされ、それに基づいて大臣が答弁するようになっております。大塚氏の質問は事前通告なしにされたものですから、ルール違反ではありましたが、問われている内容は予算案の数字についであり、それが一切答えられないというのでは、大臣の資格があるのかという不安が出てまいります。民主党の大塚氏はそれを狙っていたのでしょうが、質問そのものは、所管大臣が把握しておくべき数字ですから、言い訳にはなりません。
さすがに総理と麻生財務大臣は難なく答弁し、危なっかしいけれど岸田外務大臣もなんとか誤魔化しておりました。総理の任命責任も問いたくなりますが、順番待ちの大臣指名という政界のルールも、破綻していると見て良いのではないでしょうか。議員たちは、このような醜態を国民に見せても、それでも大臣になりたいのでしょうか。自分は適任でないと、辞退する良識は身につけていないのでしょうか。これはもう、与野党を超え、大臣指名方法の見直しが必要な時期なのかもしれません。
「共謀罪の構成要件の中に、過去に犯罪事実があることも含まれますか。」福山氏の質問に対し、「これから、検討いたします。」の一点張りでした。何度も官僚の説明を受けながら、こんな答弁しかできないのでは、法務大臣の資格があるのでしょうか。こんな質問には、常識で答えれば良いのです。「当然含まれます。」、私なら即答するでしょう。自分の言葉で答え、国民に納得させるのが大臣というものでないかと、見ている方が恥ずかしくなりました。
稲田氏につきましては、過去に苦情を述べましたので繰り返したくありませんが、相変わらず防衛大臣らしくない、赤い線の入ったスカートを身につけ、束ねた長い髪でした。緊迫した隣国との状況下で、自衛隊が危機意識を高めているおり、防衛のトップに立つ大臣として、それなりの身なりがあるのではないのでしょうか。
加えて、自衛隊予算が減額修正されているのはなぜかという、大塚氏の質問に窮するお粗末さに、眉をひそめてしまいました。一千万円単位の修正でなく、確か100億単位の減額修正だったと思いますが、なぜ答えられないのでしょう。国の防衛について、本気で取り組んでいるのか、疑わしくなるではありませんか。
「国会中継を見ていますと、そのレベルの低さは、与党も野党もひどいものです。」「こんなことでは、日本の未来はありません。」
ブログの知人が私にコメントを入れてくれましたが、実際そのとおりでした。失言狙いと揚げ足取りの応酬では、いくら議場が沸きましても、そのようなものは政治ではありません。こんな議員たちによって陛下の退位問題が討議され、これが国権の最高機関である国会だというのでは、そら恐ろしいものがあります。所管する省庁の数字すらおぼつかない議員たちが、長い日本の歴史や文化を討議し、皇室のあり方を審議するというのですから、冷や汗が流れてまいります。
「でもその責任は、こんな議員を選んだ国民にあるのです。」知人のコメントはそう結んでおりました。まったくその通りなので、私は自らを恥じつつ、本日のブログを閉じます。