決して無理することなく、じっくり長く続けようねって決めているのがこのお手紙プロジェクト。
決してひとりではできないこの企画です。
賛同いただいている周りの皆様の力がひとつになってはじめて可能になります。
お手紙を書いてくれる人がいて
お手紙を読んでくれる人がいるから
初めて私の「お届けする」役割が生まれます。
今年も鳥取からクリスマスカードが沢山届きました。
昨年の今頃初めて届いたお手紙もクリスマスカードでした。
たまたま偶然なのですが、今回のお届け先はその1回目のお届け先の釜石箱崎地区のおとなりの鵜住居地区となりました。
きょうはその地区にあるリゾートホテル「宝来館」さんへお届け。
こちらに展示して頂くことになりました!
釜石には何度か足を運んでおりましたが、鵜住居地区へ行くのは初めてです。
今年一番の冷え込みの雪降りの朝、
行ったことがない
車にナビはついてない
あげくに方向音痴ときているもので、ちょとどきどきしながらの雪道ひとり旅。
実は私って悪天候だと無性に元気が出て立ち向かいたくなるクセが昔からあるんです(笑)
そこは目印が何もないところ(津波でなくなってしまいました)で、自分がどの位置にいるのかもよくわからなかったのですが
唯一目に付くドラックストアで地図を書いていただいてなんとか宝来館へたどり着くことが出来ました。
「ああ、すごいですねえ!」とお手紙たちを嬉しそうに手にしてくださるフロントの黒沢さん。
よかった、やっぱり、今日持ってきてよかった!
模造紙に並べたメッセージカードはお客様の目につくところに貼っていただくことになりました。
手の込んだクリスマスカードは仮設住宅のおじいちゃんおばあちゃんに手渡してくださることになりました。
「この辺の人はほとんど仮設住宅で生活してますから」
震災後1年9ヶ月、被災地を訪れるたびに、そこだけ時間が止まっているような気がします。
積み重ねられたがれきの金属は赤茶けて錆びて時間の流れを伝えてはいるけれど
波にさらわれ、土台だけが残った荒地には季節の中で枯れ草がぼうぼう揺れているけれど
やっぱりあの日から時間が止まっている・・・としか思えません。
ぐっと溢れる涙や虚しさをどこにぶつけたらいいのかさっぱりわかりません。
それでもこうして多くの人のあったかい心に包まれると
ああ、生きて限り絶対いいことあるって気を取り直すことができるのです。
帰り道の真ん中は遠野。
風の丘では風車が強い風に身を委ねております。
日没前の空を見上げるとなんだか雲の形の中に男の子の顔に見えてくる・・・
風の又三郎だろうか?座敷わらしだろうか?
とにかく、その雲に見守られているような気がするのです。
だって、この子を見てからの私はすこぶる元気もりもりで「生きる」力を授かったような気さえするんです。
やっぱり遠野は不思議なところ、何かあるな。