私の所属するNPOがキャリア教育を実施した高等学校の先生からお土産をいただきました。
前回はジャム、そして今回は梅ジュースと、先生の細やかなお心遣いに感謝の言葉しかありません。
この学校の農芸化学科の生徒さん作で体に本当によいものばかりなのです。
授業を無事に終了し、ご挨拶をさせていただきながら
私は同年代である親近感から
「先生のご出身は?」と何気なく尋ねたのに返ってきた言葉は・・・
陸前高田です。
家は震災でなくなりました。
妻と母が流されてしまいました。
幸い子供はさずらかなかったので、
ひとり、身軽になりましたよ。
と静かに寂しそうに微笑まれるのです。
それまで雑談で盛り上がっていたその部屋の時間がすっと止まり、
私たちは言葉を失ってしまいました。
先生は静かに微笑んだままです。
ああ、震災の傷が癒えることはないのだ。
私たちは先生のお顔が忘れられず、
しばらく夕闇の道を寡黙になりながら盛岡への帰路に向かったのです。
そして「うめの精」がやはりやさしく微笑む週末の朝です。