田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子 27 麻屋与志夫

2008-12-06 13:42:32 | Weblog
タエコがおろおろしている。

「大田のやろう。ブッコロシテヤル」
キヨミのいまの彼。戸川さんが殺気だっていた。

「なにがあったの」

みんな、首を横にふる。

ぴかぴかにみがきあげられている。

きれいすぎる。

ヤミの廊下でみんなたちんぼしていたのだ。

誰も何が起きたのかしらない。

なにも、わからないのに、カツカツときている。

ただひとつ、わかっていることは、大田先生に暴力をふるわれたらしい。      
キヨミは、救急車ではこばれた。

上都賀病院に。   

「キヨミさんが怪我よ」 

看護婦している姉からタエコに電話があった。

タエコが戸田さんに……。  

わたしたちの、連絡網は完璧だった。  

またたくまに、廊下にあふれるほど、仲間があつまった。             

おちつかなければ。

わたしまで、まきこまれて、こうふんしてはだめ。

冷静に、れいせいに。

「ようたいわ」
「なにおちつていてるの」
「おちついてなんか、いないわよ。おちつこうとしてるだけよ」
「面会謝絶の札がみえないの」

プラスチックの板がドアに掛かっていた。

面会謝絶

バカにしないでよ。

わたし。

トサカいっぱい、怒った。

こんな表示がなによー。

キヨミとわたしたちの連帯の絆。

こんなプラスチックのプレートでたちきられてたまるもんですか。

完全にプッンときた。

「やめてぇ」

みんなの声が、わたしの後ろで起きた。

ドアを後手で閉めた。 

病室には教頭のアデランスがいた。 





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ああ、快感。



ありがとう/感謝しています

2008-12-06 10:54:12 | Weblog
12月6日 土曜日
●けさはうれしいことがあった。

●日本ブログ村ランキング。ファンタジー部門でまだ二位をキープしていた。訪問者もミケタ。閲覧数は4百を超えた。

●ながーいこと小説をかいている。まだほめられたことがない。たつたひとりいます。ほめてくれたひとが。

●「おじいちゃんの小説おもしろいよ。次、また読みたくなるもの」
そうです。中学三年生になる孫娘がほめてくれました。

●あたまがくらくらするほどうれしかつた。

●むかし、同人誌の仲間に青木泰一郎としいう男がいた。自己破滅型の天才的文学青年だった。お酒の飲み過ぎで亡くなったと仄聞している。

●ほんとうなのかな? 生きていれば中上健次に匹敵するような作品のかけた男だとわたしは信じている。惜しい友をうしなったものだ。

●かれには合評会ではいつも酷評された。なつかしい思い出だ。わたしの作品には純粋な文学青年をいらいらさせるものがあるらしい。「こんなのは文学でも、小説でもない」とまでいわれた。でも、かれのいうことにはなにも反論できなかった。

●いまだに小説がどういうものなのかわたしにはわかっていません。

●そのためか、読んでいただける、ということにすごくこだわります。

●わたしのつたない小説ですが読者がいるかぎり、愛読してくださる皆さんがいる限りかきつづけます。文学ジジイ。青年といってもらいたいのにね。

●まあ、それはこのとしではムリか。ともかくなんといわれても読んでくれるひとがいればかきづける。それが夭折した友への供養にもなる。そうこころを励ましている。

●いつか、だれかにほめられるような、感動をあたえることができるような小説がかけるようになるだろう。

●人生まだまだこれからだ。



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ああ、快感。


夕日の中の理沙子 26  麻屋与志夫

2008-12-06 09:05:35 | Weblog
       

母「あなたにいっていただいて、よかったわ……。
でも、ひどいこというものね」

父「まだ若いから。
自分たちの一言が子供の人生にどんな影をなげかけるかなんて。
想像もできないのだろうな。
理沙子……、先生をうらむなよ。
先生には悪い先生はいない。
生徒にたいする認識のしかたに歪みがあるだけだ。
これが生徒のためだとおもいこむ。
それが生徒の反感をかう。
そういうことだ。
必死で勉強しなさい。
こんな街がきらいなら……いくらでも。
おまえは外にでられるのだからな……」

「わかったわ、パパ。
今日はほんとうに、ありがとう」

母「よかったわ。
あとは、受験の日に450点以上とることよ。
大田先生を見返してあげなさい」

ほら、まだ、こだわっている。

女はこわーいのだぞ。

「まかしといて。
もっととるわよ。
480点くらいとってみせるわ。
女の意地もありますからね」
 
しらなかった。

このころ、追試をうけていたキヨミがトラブっていたのだ。       
 
わたしの家の電話がけたたましくなった。

つかれていたの。
シャワーを浴びて。

すぐに寝ようとしていたやさきだった。

呼びだし音は不吉にひびいた。
 
病院にかけつける。  

外科病棟の廊下。

みんな、そろっていた。

花の清美組の仲間があふれていた。

看護婦や付添いのオバン。

の……めずらしい動物でもみるような視線。

ながい、廊下を掃くような!

スカートのグループ。

いまどきの全国の中学!!

どこにいってもみられない!!!

超クラシックな!!!!

超ロングスカート!!!!!                  

(わたしはこれだけは、ごめん。
みんなとちがう。
腰のところでおって。
ミニにしてる)

清掃(モッブ )スカートと職員室でよばれている。

ロングスカートの集団。

先輩の

せんぱいの

センパイの

senpaiの

an old‐timer
(J.E.引きました。いまどきこんなことば使うのかな? )

から譲り受けた、ありがたい。

オサガリダ。

ないがしろにはできない。

集会のあるときの制服なのだ。


珍獣の群れ。

なんだから、好奇の目もしかたないか。

なにか、めずらしい生き物でもみる目。

ETとでも遭遇したような目。   

侮蔑。

偏見。

外見だけでものの価値をきめこむ。

むかしがらの大人の目。     


「リサコどうしよう……」





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