きのう、ポストにポトンとコウジから手紙がきた。
白い角封筒だ。
わたしには予感があった。
かならず、きょうあたり、コウジかられんらくあり。
恋する少女は勘が鋭くなるんだから。
彼のことなら、彼がすることなら。
離れていたってわかっちゃうんだからね。
あれから、一週間もすぎているのだ。
永遠のとぎが、わたしたちを隔てた感じがする。
手紙をもらって、だから、すぅごく、うれしい。
なつかしい。
あたしたちが神沼にいる……いた。
ことの絶対の証しのために、帝繊橋(睦橋)上でくちづけをした。
コウジはわたしのもの。
それをみんなにみてもらいたかった。
とくに、どこかにいるかれの同性の彼に、みてもらいたかった。
コウジはわたしのものよ。
という、刻印をおす儀式にも似たキス。
あんた、おとこなんだから、コウジのことはきっぱりあきらめなさい。
ほんとは……。
あのとき、コウジは……。
〈死〉をみていたのだとおもう。
すごくおもいつめた目をしていたもの。
火事でなにもかも灰になってしまったコウジ、かわいそう。
コウジは、放物線をえがいて。
川面に落下するじぶんをかんがえていたんだわ。
はるか、眼下に黒川の流れがあった。
ぶきみな奔流。
巨龍のような、悪魔の鮫肌のようにささくれだった波頭。
飛び込まなければ、もうしわけないような、青く深い流れがあった。
「いま、飛び込めば死ねるよね」
とわたしはいった。
キスしたあとだった。
いっしょに死んでもいいんだから。
心中してもいいわ。
ほんとはそんなこと口にしては、いけなかったのだ。
倒産した家は、サラ金の取り立に悩まされていた。
らしいのだ。
火事でなにもかも灰になって。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓

ああ、快感。
白い角封筒だ。
わたしには予感があった。
かならず、きょうあたり、コウジかられんらくあり。
恋する少女は勘が鋭くなるんだから。
彼のことなら、彼がすることなら。
離れていたってわかっちゃうんだからね。
あれから、一週間もすぎているのだ。
永遠のとぎが、わたしたちを隔てた感じがする。
手紙をもらって、だから、すぅごく、うれしい。
なつかしい。
あたしたちが神沼にいる……いた。
ことの絶対の証しのために、帝繊橋(睦橋)上でくちづけをした。
コウジはわたしのもの。
それをみんなにみてもらいたかった。
とくに、どこかにいるかれの同性の彼に、みてもらいたかった。
コウジはわたしのものよ。
という、刻印をおす儀式にも似たキス。
あんた、おとこなんだから、コウジのことはきっぱりあきらめなさい。
ほんとは……。
あのとき、コウジは……。
〈死〉をみていたのだとおもう。
すごくおもいつめた目をしていたもの。
火事でなにもかも灰になってしまったコウジ、かわいそう。
コウジは、放物線をえがいて。
川面に落下するじぶんをかんがえていたんだわ。
はるか、眼下に黒川の流れがあった。
ぶきみな奔流。
巨龍のような、悪魔の鮫肌のようにささくれだった波頭。
飛び込まなければ、もうしわけないような、青く深い流れがあった。
「いま、飛び込めば死ねるよね」
とわたしはいった。
キスしたあとだった。
いっしょに死んでもいいんだから。
心中してもいいわ。
ほんとはそんなこと口にしては、いけなかったのだ。
倒産した家は、サラ金の取り立に悩まされていた。
らしいのだ。
火事でなにもかも灰になって。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓

ああ、快感。