田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子 37 第一部完         麻屋与志夫

2008-12-12 00:23:11 | Weblog
理沙子さま。 

とあらたまって書き出します。

大学はW大の第二学部にしました。

合格しました。 

よろこんでください。

ムーンライトスクールとしゃれこんだわけ。

昼間はバイト。

おやじは火災保険の金がおりるから、心配するなというけど。

ごぞんじ、体育系の人間ですからつぶしはききます。

どんなむりししても……病気になりたくても、なれない体質ですから。

でもラブシック(びょうき)からはいまだにぬけだせません。

手紙なんか、書くのやめようとしたのに。

ですが、やはりだめでした。

愛してます。

わかれるわけではありません。

住む場所なんて、関係ないとおこってくれてありがとう。

うれしかった。

はじめて相合傘で町を歩いたときのことはわすれない。

うれしかった。あれは……わすれません。

雨がふりだしていた。

ぼくは試合がながびいて、約束の時間におくれていた。

ぼくは、あの時のきみの姿を、いまも見ている。

雨美人の理沙子。

雨空をみあげ途方にくれて、昇降口で、それでもぼくをまつていてくれたのを、覚えている。

好きだ。愛している。

傘のなかてでのフアストキス。

忘れない。 

忘れられない。

4月の始めには荷物の整理に神沼にかえります。

そのとき、会ってください。

じゃ。

元気でな。



だって。


                  
                   第一部完      理沙子の日記より

one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。