田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

シソ餃子おいしかっぺな 麻屋与志夫

2009-12-04 19:31:34 | Weblog
12月4日 金曜日
●カミサンとは外食をするとき、いつも戸惑う。

草食系の彼女はまず和食。

でも宇都宮は若者の街だから、和食の店が少ない。

わたしたちが長く住んでいた、女子医大や早稲田の近辺には定食屋さんがおおい。

安くてうまい。

銀だらなんか二切れもついてくるんだから。

味噌汁とおしんことおいしいお茶までついて980円くらいの店がおおいんだから。

●宇都宮に定食屋さん、ないのかな。

わたしたちが知らないだけですよね。

いいお店がいっぱいあるのでしょうね。

●わたしは肉食系だから、なんでも食べられる。

ともかくヒト喰った(読者を唖然とさせる)小説をかいているくらいですものね。

●ステーキ(too expensiveで敬遠)だろうが。

焼き肉。

かつ丼。生姜焼き。

食べられないものはない。

カミサンはほとんど肉は食べない。

牛や豚を食べられるほうがおかしい。

殺してたべる、残酷すぎるという。

魚だってさばけない。

じっと睨まれているようで怖い。

というのだ。

徹底した菜食主義。

よく元気に今まで生きてこられたね。

と感心する。

だから体重差二倍の夫婦だ。

どちらか、スレンダーかかかなくてもわかりますよね。

●ふたりの好みが一致するのは、餃子ということになる。

宇都宮餃子館総本店は。

西口から駅をでて。線路沿いに左に歩き近道のガード下をくぐる。

噴水公園の脇をあるくとすぐ前だ。

ともかく鹿沼駅を出発してから30分とはかからない。

こんな近くに住んでいて。

宇都宮餃子を食べないなんて。

バチがあたるというものだ。

東京から新幹線でかけつけるひとだっているのだもの。

●そしてカミサンはシソ餃子。

わたしはニンニク餃子、二皿。

ふたりともいつも同じものを注文する。

いつもおいしくいただける。

口うるさいカミサンがいちども味について不満をもらしたことがない。

ありがたいことだ。

宇都宮に餃子があってよかった。

●そこで、きょうの奥様はバンパイアのシーンができあがった。



●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。
 


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那須野ガ原、ハルマゲドン/奥様はパンパイア 麻屋与志夫

2009-12-04 05:16:28 | Weblog
奥様はバンパイァ89

○「わたしは古いタイプだから、シソ餃子のほうが好きね」

GはMと少し離れて座っている玲加を楽しそうにみている。

みんなでそろって外食するなんて初めてのことだ。

「シソの葉って野州大麻の葉のにおいと似ているような気がするの。

青々とした色からくる連想かもしれないけど。

わたしたちって、麻畑がすきだったのよ」

たしかに過去形だ。

葉をひとが吸うようになってから、麻の人気は落ちた。

いまではこの地方にも、ほとんど麻畑などない。

大麻畑で戯れていて、玉藻の前の加勢に間に合わなかった吸美族の記憶をもつMは

しみじみといった。

「麻耶にも会ってきた。あいかわらず感動させる小説かいていたわ。オジイチャン

もがんばれ、がんばれって伝えてだって。ほんとおもしろい子だわ」

○わたしはなんてうかつだったのだ。

麻耶にも……にも……ということは神代寺の父たち、娘と息子たちともMはあって

きた。

わかれの気持ちをこめてあってきた。

長いことこの那須野が原に住み、玉藻の前の霊とともに孤独に生きてきた。

そして、わたしとの50年。

Mはすべてに、決着をつけるきでいる。……とGは悟った。

○静かにシソ餃子を食べている。

じっと見つめているとMと遇ったころのことがおもいだされた。

あたりまえのことだが――吸美族の姫であるMは。

あのころとほとんど体型に変化がない。

顔だって顎のあたりに少ししわがふえたくらいだ。

「攻める気なんだな」

Gは声を低めた。

「そうよ」

涼しい顔でMが応えた。

「あいてが犬飼のひとたちでなくってよかった。武の一族と和解できてよかった。

ベルゼブブがまだわたしたちにまとわりついていたとはね」

Mが目で玲加を呼ぶ。

玲加がいちはやくMの気配を感じる。

「なぁに? おばさま」

「ベルゼブブもわたしたちも、武さんの一族もみんな天使だったのよ。

だから悪魔になっても、あいつは翅にこだわって、蝿をじぶんのまわりに置いてお

くの。そのベルゼブブとこれから戦いにいく。覚悟はいいわね」

「そんな気がしていた。おばさまが、食事にみんなを誘ってくれたときから、そん

な気がしていた。武たちもわかっているみたい。ハシャギかたがいつもとちがうも

の……。わかっているのよ」

「玲加は肩の傷は痛まないの」

「武が湿布はってくれたからもう痛くないよ」

「じゃそろそろいきますか」

「どこへ? 人狼の若者もつれていくのか」

「かれらは戦わなくてもいい。じぶんたちの周りには、極身近に敵がいるというこ

とを教えておきたいの」 


●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。
 


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