part4 吸血鬼攻め込む 栃木芙蓉高校文芸部
20
マナーモードにしておいた携帯が胸元で震えた。
繭からだった。
「ツクイクン」
「机です」
「どっちでもイイじゃん。パパラッチがたいへんだよ。歩いていて倒れたんだって」
「元気だったよな。焼ソバ二皿たべて」
「いま、下都賀病院に救急車ではこばれたの。彼ってわたしのところへ連絡よこしたんだ。わたしのこと頼りにしてるんだわね」
「それより症状は……。
「急にねつが出て、のどがカラカラにかわいてる。そんなこといってたよ」
「噛まれていたな」
Gがグラスになみなみと北秋田をつぐと一気にのみへほした。
「燗でよし。冷やでよし。旨い酒だ」
龍之介にはときがときだから噛んでよし。
ときこえてしまった。
「いくぞ」
「いくぞって……Gどこへ? 行く気なの」
「きまっているそのパパラッチの病室だ。
このままだと、新型インフルエンザとまちがいられてしまうからな」
Gのおもったとおりだった。
面会は出来ない。
「ちょっと、ここでお九さんと、まつててくれ」
玉藻と龍之介をのこして、Gは院長室に入っていった。
「なんだ、ツクイくんのほうがはやかったね」
「だから机なの。これからリュウとよべって」
「あらうれしいわね。彼氏みたい」
「おまえさ、気がおおすぎるんだよ。
繭が噛まれればよかったのだ」
「やだぁ。それつてほんとなの。
敬介、吸血鬼に噛まれていたの」
マズイ。
とおもったがもうおそい。
繭はぶるぶるふるえている。
「こわいよ。こわい」
このとき、龍之介は玉藻がはっと息を飲むのを背中に感じた。
one bite please 一噛みして。おねがい。
20
マナーモードにしておいた携帯が胸元で震えた。
繭からだった。
「ツクイクン」
「机です」
「どっちでもイイじゃん。パパラッチがたいへんだよ。歩いていて倒れたんだって」
「元気だったよな。焼ソバ二皿たべて」
「いま、下都賀病院に救急車ではこばれたの。彼ってわたしのところへ連絡よこしたんだ。わたしのこと頼りにしてるんだわね」
「それより症状は……。
「急にねつが出て、のどがカラカラにかわいてる。そんなこといってたよ」
「噛まれていたな」
Gがグラスになみなみと北秋田をつぐと一気にのみへほした。
「燗でよし。冷やでよし。旨い酒だ」
龍之介にはときがときだから噛んでよし。
ときこえてしまった。
「いくぞ」
「いくぞって……Gどこへ? 行く気なの」
「きまっているそのパパラッチの病室だ。
このままだと、新型インフルエンザとまちがいられてしまうからな」
Gのおもったとおりだった。
面会は出来ない。
「ちょっと、ここでお九さんと、まつててくれ」
玉藻と龍之介をのこして、Gは院長室に入っていった。
「なんだ、ツクイくんのほうがはやかったね」
「だから机なの。これからリュウとよべって」
「あらうれしいわね。彼氏みたい」
「おまえさ、気がおおすぎるんだよ。
繭が噛まれればよかったのだ」
「やだぁ。それつてほんとなの。
敬介、吸血鬼に噛まれていたの」
マズイ。
とおもったがもうおそい。
繭はぶるぶるふるえている。
「こわいよ。こわい」
このとき、龍之介は玉藻がはっと息を飲むのを背中に感じた。
one bite please 一噛みして。おねがい。