田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

因縁対決/下野高VS芙蓉高  麻屋与志夫

2010-02-08 03:50:25 | Weblog
part6 因縁対決/下野高VS芙蓉高  芙蓉高校文芸部

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黒い害意の波がはたと静止した。
「どうやら気づいたみたいね」
ボウガンの矢を胸に受けたRFはコート、羽根も残さず消えていた。
「羽根さえのこれば再生できる。
そう信じ込まされていたのね。おかわいそう……」
黒衣の集団に戦慄がしった。ジリッと後退りする。
「なにがおきたの」
玉藻がかけつけた。
Gも傷ひとつうけていない。
「これよ」
「うわぁ。銀の矢だ!!
銀で貫かれることをおもっただけで、
ショック死するバンパイアもいるくらいだから。
さすが監察官。すごい武器をもってるのね」
「こんな武器つかうなんてお恥ずかしいわ」
と自嘲する文子。
「それより、影番の鬼村さんはいますか」
龍之介はわざと丁寧な言葉で後ずさりするトレンチコートの群れによびかけた。
「おう、なんだい。なにか用か。転校生」
コートが少し長すぎる。
だがとげとげしい殺気はアイツだ。
うちの番長と立ちたかっていた男だ。
「よく会いますね。うちの植木さんをおそっていたのもあなたたちですよね」
「それがどうした」
「なぜなのです」
「転校生にはわからんだろうよ」
「なにかわけがあるんでしょうね」
「もういい。龍之介、帰るぞ」

「わたしも知りたかった」
病院の正門から黒のトレンチコートの集団は退去していった。
わざとかっこつけて、
見栄をはって、
堂々とゆとりの退却。
「それはわたしたちが、原因だよね、翔太」
えっ、え……それって、どういうことなの!?
と龍之介はひとりごちる(ひとり語とをいう)。


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