田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

番長襲名/ガントレット3 麻屋与志夫

2010-03-26 20:58:58 | Weblog
part11 番長襲名/ガントレット3 栃木芙蓉高校文芸部(小説)


52

ふたりだけで監察官を襲うなんて無謀すぎる。
文子の掌底からの念波光をあびて、
爬虫類の肌を露呈してしまった吸血鬼だ。
文子の能力はわかっているはずだ。

それがふたりだけで宇都宮から恨みをはらしにやってきた。
そんなのって、おかしい。

物音に気づいてふりかえると、
いま龍之介がとおってきた墓の狭い道を番長がはしってきた。

「よかった。机、怪我はなかったか」
「なにがあったのですか」
きくまでもなかった。
ヌンチャックとタンポ槍の男たちが追いかけてきた。
「うちの若いもんと入れ替わってやがった」
その一言で納得した。
殺気があったわけだ。
こいつらは吸血鬼の従者だ。
レンフイルドだ。
RFだ。
龍之介は特殊警棒のグリップをひねった。
先端から刀身がとびだした。

「番長!! これを使ってくれ」
番長は龍之介から受けとった、
警棒をひとふりして手ごたえをたしかめている。
そして不審そうに龍之介を見返した。
「ぼくは、これ」
「どこに隠していたんだ」
龍之介がGから譲られた仕込みを抜き放っていた。
夜目にも白刃がひややかに光っている。



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