5
「消耗がはげしすぎたのね。念の力をフルパワーにして戦ったのはひさしぶりなのよ」
「オバサマのひさしぶりというのは、ナンネンブリカシラ……?」
やはり消耗がはげしすぎたのだ。
と納得した表情で玲加はミイマのそばに膝まづく。
すこし体を休めれば回復するだろう。
「10世紀ぶりかしら……」
少女のようなあどけない顔で、ミイマがきついジョークをとばす。
「あら、そんなにお古い話ですか」
と、玲加が真面目な顔で応えている。
「それより、わたしとんでもないこと感じた。あいつらブラックバンパイアのねらいは、わたしたちなのかもしれない。ひとをそそのかして、ひとを刺殺させる。あれはほんの前哨戦。BVの真の狙いは、わたしたち神代寺フアミリよ。たぶん、この推測には狂いはないはずよ」
ガラス壁にへばりついたあの「かはほり」。
――は、と……ミイマは古語でかんがえていた。
加波保利たちの憎しみに満ちたあの目。
殺意がこめられていた。
小さな尖った爪。
ネズミに似た顔。
きらいだ。
あいつらは人間に混じって生きることの出来るわたしたちを嫉妬している。
人間と結婚して、子どもの産めるわたしたちを憎んでいる。
「父に知らせといて。くれぐれも、注意するように」
念をこめただけでコウモリをしりぞけた。
口を突いて出たのは、消災陀羅尼だった。
あんなパワーがあったことなんか、わすれていた。
使う必要もなかったからだ。
Fに遭遇したためか。
なにかと昔のことばかりかんがえている。
いい思い出なんかあったのだろうか。
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「消耗がはげしすぎたのね。念の力をフルパワーにして戦ったのはひさしぶりなのよ」
「オバサマのひさしぶりというのは、ナンネンブリカシラ……?」
やはり消耗がはげしすぎたのだ。
と納得した表情で玲加はミイマのそばに膝まづく。
すこし体を休めれば回復するだろう。
「10世紀ぶりかしら……」
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「あら、そんなにお古い話ですか」
と、玲加が真面目な顔で応えている。
「それより、わたしとんでもないこと感じた。あいつらブラックバンパイアのねらいは、わたしたちなのかもしれない。ひとをそそのかして、ひとを刺殺させる。あれはほんの前哨戦。BVの真の狙いは、わたしたち神代寺フアミリよ。たぶん、この推測には狂いはないはずよ」
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――は、と……ミイマは古語でかんがえていた。
加波保利たちの憎しみに満ちたあの目。
殺意がこめられていた。
小さな尖った爪。
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あいつらは人間に混じって生きることの出来るわたしたちを嫉妬している。
人間と結婚して、子どもの産めるわたしたちを憎んでいる。
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口を突いて出たのは、消災陀羅尼だった。
あんなパワーがあったことなんか、わすれていた。
使う必要もなかったからだ。
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