9
唯の人。そうは思ってはいない。
敵は吸血鬼と知って戦っている。
だが――them(ゼム)――ヤッラのふいの変わり身。
翔子たちはついていけい。
まずFが変身した。
牙の鉤爪をひからせて、鋭く攻めこんでだ。
だが、鉤爪だけの武器では純と翔子の夢道流の剣士に斬りこまれる。
勝ち目はないと判断したのか。
変身した姿は怪異なものだった。
頭の両サイドからめきめきと角が生えてきた。
山羊の角とも見える。
目は黄金色の碗をはめこんだようだ。
月の光のように皓こうと光り放つ。
「うぬら、とって喰うぞ」
グローブのような手が伸びてくる。
だがおおきく変形しただけに動きは鈍い。
「あらまぁ!!! タクアンみたいな指だこと」
まさに翔子をワシヅカミにしょうとした。
Fの指を、古風に表現した。
が、百子の剣は居合ぎりのすばやさ。
輪切りにした。
「うう。痛い」
Fはわざとらしく呻く。
おおきくうでをふった?!
指は元どおりだ。
再生している。
いや、斬り落としたのは幻の指だったように錯覚してしまう。
まぼろしであるわけがない。
瞬時に再生してしまうのでそう思えるのだ。
「これでは、たたかいようがないよ」
「大江山の酒吞童子を倒した剣さばきどこにいった」
耳まで裂けた口がわらつている。
笑った方が凄みのある口元だ。
「さぁさぁさぁ」
翔子と百子がたじたじとなる。
純がふたりをかばって前に出る。
そのさらに前に人影が。
「おう。美魔か。この時を……千年以上も待ったぞ」
「それなのに、そのお姿は……あさましい信行さま……と、争わなければならない……悲しゅうございます」
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山羊の角とも見える。
目は黄金色の碗をはめこんだようだ。
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「うぬら、とって喰うぞ」
グローブのような手が伸びてくる。
だがおおきく変形しただけに動きは鈍い。
「あらまぁ!!! タクアンみたいな指だこと」
まさに翔子をワシヅカミにしょうとした。
Fの指を、古風に表現した。
が、百子の剣は居合ぎりのすばやさ。
輪切りにした。
「うう。痛い」
Fはわざとらしく呻く。
おおきくうでをふった?!
指は元どおりだ。
再生している。
いや、斬り落としたのは幻の指だったように錯覚してしまう。
まぼろしであるわけがない。
瞬時に再生してしまうのでそう思えるのだ。
「これでは、たたかいようがないよ」
「大江山の酒吞童子を倒した剣さばきどこにいった」
耳まで裂けた口がわらつている。
笑った方が凄みのある口元だ。
「さぁさぁさぁ」
翔子と百子がたじたじとなる。
純がふたりをかばって前に出る。
そのさらに前に人影が。
「おう。美魔か。この時を……千年以上も待ったぞ」
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