6
もともと倫子からきいた言葉だ。
ジャズでgroovyとは『イイ気分になれるイカシタ演奏』くらいの意味だ。
美香はfan。フアンくらいの意味としてとらえている。
たしかに美香はこわいものに魅かれる。
バンパイァの話は大好きだ。
怖いものが好きだ。
恐怖を感じるのが好きだ。
剣道だって死と紙一重のところで生きていることがわかる。
だから必死で練習する。
だって真剣だったら、もう死んでいる。
竹刀だから生きているが。なんて師範にいわれるともうメロメロだ。
体から血をふいて倒れる。
そうイメージする。
それだけでもう十分に怖い。
体に刃が突き刺さってくる。
その感触は? そうイメージする。さらに怖い。
痛み、血がながれる。その喪失感。怖い。
『啓示』だって同じようなものだと美香は思っている。
怖いものみたさで、怖い夢をみるのだ。
超能力なんて、大袈裟なものではない。
レム睡眠時によく夢をみる。
それを夢による知らせ。
予知能力なんて思いこんでいる。
こんどだってそうだ。
「羽田の国際線到着ロビーにいけ。そこにバンパイアがやってくる」
バンパイァがやってくる。
それだけだ。
そのvampireを迎え討てとはいっていない。
だから、ロックバンドをたぶん装って入国してきたVのヤッラのことではない。
アンデイ。――の、ことを夢枕でつげられたかも。
でもちょっと複雑。
香世も今回は同じお告げをうけている。
もしかして、やはり能力? フォースなの? だと……うれしい。
――また『啓示』があった。
上野でおりる山手線を乗り越して池袋まできていた。
夢は真っ赤な血……? だった。
夢には色はないという。
ほんとかな。
色があった。
女の子が喉を食いちぎられていた。
となりにアンデイがすわっているからバンパイアの夢をみたのだ。
「オネエ。よく眠っていたから起こさなかった。また夢みたでしょう」
アンデイの隣で香世が体を少しこちらにずらして話しかけてきた。
香世にはわたしの夢の内容がわかっているのだ。
「アンデイは赤ワインの飲める店ならどこでもいいって」
夕食の話をしているのだ。
そうだ。
この親子と食事をしてみたい。
でも真っ赤な霧のような、その中で女の子が吸血鬼の生贄になっている夢。
気になるな。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
にほんブログ村
もともと倫子からきいた言葉だ。
ジャズでgroovyとは『イイ気分になれるイカシタ演奏』くらいの意味だ。
美香はfan。フアンくらいの意味としてとらえている。
たしかに美香はこわいものに魅かれる。
バンパイァの話は大好きだ。
怖いものが好きだ。
恐怖を感じるのが好きだ。
剣道だって死と紙一重のところで生きていることがわかる。
だから必死で練習する。
だって真剣だったら、もう死んでいる。
竹刀だから生きているが。なんて師範にいわれるともうメロメロだ。
体から血をふいて倒れる。
そうイメージする。
それだけでもう十分に怖い。
体に刃が突き刺さってくる。
その感触は? そうイメージする。さらに怖い。
痛み、血がながれる。その喪失感。怖い。
『啓示』だって同じようなものだと美香は思っている。
怖いものみたさで、怖い夢をみるのだ。
超能力なんて、大袈裟なものではない。
レム睡眠時によく夢をみる。
それを夢による知らせ。
予知能力なんて思いこんでいる。
こんどだってそうだ。
「羽田の国際線到着ロビーにいけ。そこにバンパイアがやってくる」
バンパイァがやってくる。
それだけだ。
そのvampireを迎え討てとはいっていない。
だから、ロックバンドをたぶん装って入国してきたVのヤッラのことではない。
アンデイ。――の、ことを夢枕でつげられたかも。
でもちょっと複雑。
香世も今回は同じお告げをうけている。
もしかして、やはり能力? フォースなの? だと……うれしい。
――また『啓示』があった。
上野でおりる山手線を乗り越して池袋まできていた。
夢は真っ赤な血……? だった。
夢には色はないという。
ほんとかな。
色があった。
女の子が喉を食いちぎられていた。
となりにアンデイがすわっているからバンパイアの夢をみたのだ。
「オネエ。よく眠っていたから起こさなかった。また夢みたでしょう」
アンデイの隣で香世が体を少しこちらにずらして話しかけてきた。
香世にはわたしの夢の内容がわかっているのだ。
「アンデイは赤ワインの飲める店ならどこでもいいって」
夕食の話をしているのだ。
そうだ。
この親子と食事をしてみたい。
でも真っ赤な霧のような、その中で女の子が吸血鬼の生贄になっている夢。
気になるな。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
