田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

超短編 13 タイムトラベル

2023-01-14 08:03:07 | 超短編小説
超短編 13 タイムトラベル
男は朝の散歩から家にもどった。
門口で見知らぬ老女が迎えてくれた。
「あなた、どこまで散歩に行っていたの?」



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欲望が枯れるとオカルトを信じていた12歳にもどった。麻屋与志夫

2023-01-13 10:22:26 | ブログ
1月13日 金曜日 
昨日は千手山公園。
千手院観音堂までの石段を登ることができた。
うれしかった。
いまはここは公園となっている。
お子様用の公園だ。
天辺に「恋空」で全国的に有名となった観覧車がある。
12歳の少年だった頃には駆け上ることの出来た石段。
なんども、上を見あげては登ることをあきらめていた石段。
毎日散歩して脚を鍛えた。
30分ほど歩けるようになったので思い切って挑戦した。
上まで登り切り仁王様と対面した時はほんとうにうれしかった。
仁王門や観音堂のことをこのところ超短編でとりあげていただけに感涙した。
あと何年生きられるかわからない。
一日一日が貴重に思える。
若い時には見えなかったものが、みえるようになった。
ややオカルトじみた気配を周囲にかんじる。
魔法や怪物、吸血鬼、人狼、地縛霊などが意識の靄の中に漂っているのを感じるのだ。
これこそ幼年期への回帰ではないか。
これから書く小説ではそれらの存在が主役となっていくような気がする。
年老いて色気が亡くなり、性欲に悩まされ、邪魔されなくなった、それでオカルトかとも思う。
コナン・ドイルが晩年オカルトに凝っていたのはよくしられている。
石原慎太郎もそうだつたと風評を耳にしている。
いずれにしても、これはまさしく老化現象なのだろう。
しきりと12歳の頃のことばかり思いだしている。
そのうちこうした諸々の記憶や思考も曖昧なものとなってまうのだろう。
死ぬまで文章は失いたくない。



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12 幻肢痛  麻屋与志夫

2023-01-12 09:30:32 | 超短編小説
超短編 12 幻肢痛
「ぼくと結婚してください」
 女は男の顔をじっと見つめた。
 男の手には高価そうなエンゲージリングがきらめいていた。
 あの人、タレントだった。
 公務員だなんてウソついていた。
 でも、わたしも彼に言ってないことがある。
 幻痛が左指にはしった。
 ありもしない手に痛みが走る。
 テレビではウイデングマーチが流れている。
「こんどの彼も。裏切ったら殺してやる」
 幻痛は激しくなるばかりだ。


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超短編 ぼく12歳なんだ 麻屋与志夫

2023-01-12 06:30:45 | 超短編小説
11超短編  12歳
「キングのスタンドバイミーのメインキャストは12歳なんだ」
 彼女はうれしそうな顔でさきをうながした。
「マキャモンの少年時代の主人公も12歳なんだよ」
 彼女は笑顔できいている。
「男の子の12歳は、女の子の生理がはじまる前みたいな歳なんだ」
 彼女はうなずく。
 この男の患者はときおり、記憶をとりもどす。
「だからぼくはもうすぐ男になる」
 彼女は、そうそうと顔であいづちをうつ。
「そうしたら結婚してください」 
 彼女は黙ってしまう。
「おねがい、結婚して」
 沈黙。
 彼女は目の前の紙切れに目をおとした。
 大正12年-12月-12日生まれ
 正確にはカルテにあるとおり大正12年なのだ。
 12歳ではない。でも12にこれでは、こだわるわね。
 クリニックの女医さんは患者の男を慈愛に満ちた顔でみている。
「あなたが、大正生まれだということに気がつけばいいのにね」


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Sanctuary禁猟区 麻屋与志夫

2023-01-11 13:35:46 | ブログ
1月11日 水曜日 晴 外気温10℃
Sanctuary禁猟区
いつもの散歩道。
御殿山病院の脇の道を坂田山団地に向って歩きはじめる。
セブンイレブンのある十字路で左折。
右側に「西城」昔、(鹿沼城)の家老をしていたという由緒ある家系でこの屋号かある。
――を右手にみて切通の坂をおりようとして、ふと左手を見た。

まだ残っていた。
赤い「禁猟区」という標識。
この標識がいつごろ立てられたのかしらない。
わたしの家の近所。
鹿沼ハリストス正教会の前にも同じ標識が立っていたのだが今はない。
この禁猟区を英語では sanctuary。

この単語をわたしはフォークナーの小説でおぼえた。
内容のあまりの凄まじさにおどろいた記憶がある。
ポパイという変質者がトウモロコシの穂軸で乱暴する話だ。

そんなことを思いだしながら坂をくだる。
この歩道は道端にベンチがある。
疲れればそこに座って休めるのがありがたい。
いまどこの地方でも東京からの移住者を期待している。
街にベンチの数をふやし退職後のひとたちを勧誘したらどうだろうか。

若い人はムリ。
田舎で義務教育をすませ、東京の私立高校に進学を希望する家庭には向いていないと思う。
ともかくお年寄りにやさしい街づくりが大切だ。

土地も家賃も驚くほど安いのだから可能性はおおいにあると老婆心ながら思っている。

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今夜は鎮守様の「春渡祭」。オタリヤと読む。

2023-01-10 18:43:18 | ブログ
1月10日 火曜日 晴 室温5℃
今日は鎮守様の「春渡祭」。オタリヤと読む。
大きな半球形の金網のなかでふるいお札や、達磨を燃やしてくれる。
数年前、ひさしぶりでその火、一年間無病息災ですごせるという、にあたりにいった。
ところが、寺院のものは持ち込まないでください。
と標識がでていた。お寺さんのものまで、投げ込まれると膨大な量になってしまうのだろう。
その趣旨は、言わんとしていることはよくわかる。
神社と寺院という区別がわかりかねない。
衆生にとってはお寺さんも鎮守様もかわらない。信仰対象である。
鹿沼のお寺では柵をめぐらし境内に立ち入らないで下さい、という標識がでているところがおおい。
なぜだろう、とおもい、たまたまお寺さんの子が塾生でいたので聞いてみた。
「浮浪者が入ってきて、墓地を汚したり、焚火などするので危険だ」とのことだ。
ホームレスの人を救済するといった仏心はないのだろうか。
葬式の席で、仏の慈悲は無限で、仏を信じれば来世まで救われる。
とか、線香のあげかたとか、拝み方の作法をながながと述べているのが白々しく感じる。 
なにか小言幸兵衛のようなブログになってしまった。妄言多謝。こめんなさい。


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あなたの土地では「おべっか」という習慣がありますか。 麻屋与志夫

2023-01-08 09:00:51 | ブログ
1月8日 日曜日 晴。寒い。室温5℃
あなたの土地では「おべっか」という習慣がありますか。
これも母から聞いた言葉だ。母は栃木生まれだ。
正月の三が日は妻の労をいたわるため、男性が厨房に入って賄いをする。
男子厨房に入るべからず。
といった時代の風習だ。
正月料理をつくるので年末に獅子奮迅の活躍をした。
女房殿を、いやこの来し方。
一年間毎日台所で炊事をしてきた妻への。
感謝のしるしだ。
もうひとつ、食に関しての思い出がある。
母が幼少のころ、はじめて牛鍋を食べることになった。
四つ足で不浄のものを食べるというので庭に粗莚を敷いた。
その上に茣蓙を重ねて敷いて庭でコンロを囲みおそるおそる食べたというのだ。
そのころは、トマトを赤茄子と呼んでいた。
わたしが長生きしている。
母から聞いた明治中頃までの栃木地方の話が。
いまでも目の当たりにみるように思いだすことがある。


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「七草なずな 唐土の鳥が……」 麻屋与志夫

2023-01-08 06:51:48 | ブログ
1月7日 月曜日 
「七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン」
正月の七日には野菜をいれたお粥を食べる習慣がある。
これは全国にある食文化のようだ。
わが家では母がこの歌を歌いながら朝早くから炊事をしていたのを思いだす。
正月のあいだに飽食となった。
あるいは飲みすぎた胃にはやさしいお粥を食べることは理にかなっている。
どうしてお粥を食するのかは正確には寡聞にしてしらない。
唐土の鳥とはおもしろい。
むかしから、悪いものは中国大陸のほうからやってくると信じられていたのだろう。
中国のかたには申し訳ないが、ふとコロナのことを考えてしまった。
この鳥は、異界からきた妖鳥、鬼車鳥だともいわれています。
興味のある方はぜひ検索してください。
母のまな板で春の七草を刻む音も、いつもより気合が入って高くお勝手から響いてきました。

春の七草を一パックにつめて売っていた。
スーパーに妻のおともをして行ったところ、売れ残ってバーゲンの棚に並んでいた。

こんなところにも、古き良き時代の文化が廃れていくのが如実にあらわれていると、思った。


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新人賞作家のサイン会  麻屋与志夫

2023-01-06 08:40:05 | 超短編小説
1月5日 木曜日 晴 室温5℃
超短編小説
10 新人賞作家のサイン会 

新宿紀伊国屋書店で新人賞作家古賀志郎のサイン会がひらかれていた。

若いキレイナ女性が彼の前に立った。

サインがすんで彼は女性をみあげた。

「あっ、橘川麻里奈さん」

なつかしそうに声をかけた。

「おめでとうございます。おばあちゃんも、よろこぶでしょうね」

著書を渡そうとしていた彼の手が一瞬静止した。



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どえらい初夢をみた。 麻屋与志夫

2023-01-05 10:26:58 | 夢見るGGの夢占い
1月4日 水曜日 晴 寒い
夢見るGG夢占い32

えらい夢をみたものだ。
金剛力士像が動き出した。
「なにをもたもたしている」とわたしを叱咤しながらせまってくる。
わたしは金縛りにあって身動きができない。
独鈷杵をふりあげて迫ってくる。
わたしは夢の中でうめいている。
このまま死ぬわけにはいかない。
死ぬわけにはいかない。
うめいた。
大声でうめいているじぶんがわかる。
どうして……。
……そこが夢のおもしろいところだ。
この夢の解釈をしいる。
千手観音堂の仁王さんのことを書いたからだ。
妻に起こされた。
仁王さんには害意はなかった。
むしろ立派な作品を書けと叱咤、励ましてくれていたようだ。
「隣近所まできこえるような悲鳴だったわよ」


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