日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎本日のフルムーン

2019年09月14日 | ◎本日の想像話

本日のフルムーン

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◎そして飛び立つ

2019年09月14日 | ◎これまでの「OM君」

そして飛び立つ

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◎本日の俺様のステージ

2019年09月14日 | ◎これまでの「OM君」

俺様のステージにすっと立つ。

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◎本日の想像話「俺は勇者だ」

2019年09月14日 | ◎本日の想像話

 俺は勇者だ。三年更新の賃貸契約を結んだ風呂なし1Kの物件をベースキャンプとして活動している。
 一歩外に歩きだした瞬間から戦いは始まっている。まず暑さとの戦い。ここで役立つのはよろずやで仕入れた装備だ。エレキテルを蓄えて羽が回る持ち運び式の送風機を片手に持つ。肩掛け式の物が新発売されたが、手に持つタイプを買ってしまったからしょうがない。壊れるまでは買わない。俺は貧乏性なのだ。幸い武闘家の俺には武器は必要ない。片手に送風機を装備しても何の問題も無い。武闘家だが、目立たない様に服装はノーネクタイでパンツ、皮靴をはく姿を装っている。
 俺はパーティでは動かない。一人だ。リュックサックにすべての道具を入れて動く。ぱんぱんのリュックは人を沢山乗せて運搬する電線より電気を取り入れて動く箱型車両に乗る場合には注意が必要だ。背負っている状態を解除して前に抱え直す。これがソロ勇者のエチケットだ。
 目的地に到着した箱型車両は人々を吐き出す。俺は少々のダメージを受けながら降りたつ。ここに俺の倒すべきボスがいる。ゲートに魔法のカードをかざす。進行を妨げていた扉が音もなく開く。魔法カードの残高不足が気になって、この世界の硬貨「エン」で入金しておく。これも勇者のたしなみだ。
 施設に到着した。侵入するための儀式がある。まずカードを差し込む。切れの良いメカ音と共に施設に到着した時刻が印字される。労働活動を終えた時にもう一度カードを差し込む。明瞭に労働対価が得られる魔法のシステムだ。
「おはようございます」私はボスの顔色をうかがいながら朝の挨拶をする。
「おう」
朝刊を横に大きく広げてデスクに座る男。新聞の端からちらりと俺を見た。タバコをくわえたままだ。諸悪の根元であるボスだ。
「おう、今月もあと三日だぞ。売り上げはどうなんだ」
私は身が縮まるのを感じる。
「厳しいです」
「厳しいじゃだめなんだ。死ぬ気で売れ」
ボスが本気の殺意を瞳に宿した目で俺をにらみ付ける。このボスを俺のレベルで倒す事は不可能だ。
 俺は自分のデスクに崩れるように座った。おもむろに名簿を開く。ページの上から順番に営業電話をかける。
「忙しい」
「ふざけるな」
「結構です」
あらゆる罵詈雑言が受話器から流れ出す。俺は歯をくいしばりながら次の番号を押す。 不意にレベルが上がる音が想像の中で鳴った。

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