「佐々木がサンシローを奪還してきた。有能な男だよ、あいつは」
「本当にそう思っているのか」
ミツオは厳しい視線を山岡に向ける。山岡は視線を外さなかった。ミツオの問いにも答えなかったが言葉を続ける。
「サンシローのことを調べていくと、どうやら一度インストールした情報は消すことができないということが分かった。情報の消去はサンシローの抹殺を意味する。殺せば良いと思っていたが、一緒に生活するうちにワシには出来ないということに気づいた。どうするべきか悩んだ。そこでバイオ生物にくわしい篠田という男を探し出した」
山岡の前のグラスには琥珀色の液体。いつもミツオが飲んでいる青い色を放つ人造アルコールではない。山岡はミツオにボトルを持ち上げて飲むように促した。ミツオがうなずくと、山岡はボトルから注いだグラスを、立ち上がってミツオの前に置いた。ミツオは目の前のアルコールを一気に飲み干した。胃に炎がともる感覚を感じながらミツオが口をはさむ。
「データの消去を試みたということか。篠田の手にデータが渡ることは考えないのか」
「本当にそう思っているのか」
ミツオは厳しい視線を山岡に向ける。山岡は視線を外さなかった。ミツオの問いにも答えなかったが言葉を続ける。
「サンシローのことを調べていくと、どうやら一度インストールした情報は消すことができないということが分かった。情報の消去はサンシローの抹殺を意味する。殺せば良いと思っていたが、一緒に生活するうちにワシには出来ないということに気づいた。どうするべきか悩んだ。そこでバイオ生物にくわしい篠田という男を探し出した」
山岡の前のグラスには琥珀色の液体。いつもミツオが飲んでいる青い色を放つ人造アルコールではない。山岡はミツオにボトルを持ち上げて飲むように促した。ミツオがうなずくと、山岡はボトルから注いだグラスを、立ち上がってミツオの前に置いた。ミツオは目の前のアルコールを一気に飲み干した。胃に炎がともる感覚を感じながらミツオが口をはさむ。
「データの消去を試みたということか。篠田の手にデータが渡ることは考えないのか」