日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(919)「ド・モルガンの法則」と「含意の定義」と「(強・弱)選言」。

2021-06-08 14:07:00 | 論理

 ―「昨日(令和03年06月07日)の2つの記事」を「補足」します。―
(01)
―「ド・モルガンの法則」の証明。―
(ⅰ)
1   (1)  ~(P&~Q)  仮定
 2  (2) ~(~P∨ Q)  仮定
  3 (3)   ~P      仮定
  3 (4)   ~P∨ Q   3選言導入
 23 (5) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  24連言導入
 2  (6)  ~~P      35背理法
 2  (7)    P      6二重否定
   8(8)       Q   仮定
   8(9)   ~P∨ Q   8選言導入
 2 8(ア) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  29連言導入
 2  (イ)      ~Q   8ア背理法
 2  (ウ)    P&~Q   7イ連言導入
12  (エ)  ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  1ウ連言導入
1   (オ)~~(~P∨ Q)  2エ背理法
1   (カ)   ~P∨ Q   オ二重否定
(ⅱ)
1   (1) ~P∨ Q   仮定
 2  (2)  P&~Q   仮定
  3 (3) ~P      仮定
 2  (4)  P      2連言除去
 23 (5) ~P&P    34連言導入
  3 (6)~(P&~Q)  25背理法
   7(7)     Q   仮定
 2  (8)    ~Q   2連言除去
 2 7(9)  Q&~Q   78連言導入
   7(ア)~(P&~Q)  29背理法
1   (イ)~(P&~Q)  1367ア選言除去
12  (ウ) (P&~Q)&
       ~(P&~Q)  1イ連言導入
1   (エ)~(P&~Q)  2ウ背理法
―「含意の定義」の証明。―
(ⅲ)
1     (1) ~P∨ Q   仮定
 2    (2)  P&~Q   仮定
  3   (3) ~P      仮定
 2    (4)  P      2連言除去
 23   (5) ~P&P    34連言導入
  3   (6)~(P&~Q)  25背理法
   7  (7)     Q   仮定
 2    (8)    ~Q   2連言除去
 2 7  (9)  Q&~Q   78連言導入
   7  (ア)~(P&~Q)  29背理法
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア選言除去
    ウ (ウ)  P      仮定
     エ(エ)    ~Q   仮定
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ連言導入
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ連言導入
1   ウ (キ)   ~~Q   エカ背理法
1   ウ (ク)     Q   キ二重否定
1     (ケ)  P→ Q   ウク条件去
(ⅳ)
1  (1)    P→Q  仮定
 2 (2) ~(~P∨Q) 仮定
  3(3)   ~P    仮定
  3(4)   ~P∨Q  3選言導入
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24連言導入
 2 (6)  ~~P    35背理法
 2 (7)    P    6二重否定
12 (8)      Q  17肯定肯定式
12 (9)   ~P∨Q  8選言導入
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 29連言導入
1  (イ)~~(~P∨Q) 2ア背理法
1  (ウ)   ~P∨Q  イ二重否定
従って、
(01)により、
(02)
① ~(P&~Q)≡(Pであって、Qでない。)といふことはない。
②  ~P∨ Q ≡ Pでないか、または、Qである。
③  ~P∨ Q ≡ Pでないか、または、Qである。
④   P→ Q ≡ Pであるならば、  Qである。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則Ⅰ)。
③=④ である(含意の定義Ⅰ)。
従って、
(02)により、
(03)
① ~(P&~Q)≡(Pであって、Qでない。)といふことはない。
④   P→ Q ≡ Pであるならば、Qである。
に於いて、
①=④ である(含意の定義Ⅱ)。
然るに、
(04)
(ⅴ)
1  (1) ~(P⇔Q)         A
1  (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 2Df.⇔
1  (3) ~(P→Q)∨~(Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~(P→Q)         A
 4 (5)~(~P∨Q)         4含意の定義(Ⅰ)
 4 (6)  P&~Q          5ド・モルガンの法則
 4 (7) (P&~Q)∨(~P&Q)  6∨I
  8(8)        ~(Q→P)  A
  8(9)       ~(~Q∨P)  8含意の定義(Ⅰ)
  8(ア)         Q&~P   9ド・モルガンの法則
  8(イ)         ~P&Q   ア交換法則
  8(ウ) (P&~Q)∨(~P&Q)  イ∨I
1  (エ) (P&~Q)∨(~P&Q)  1478ウ∨E
(ⅵ)
1  (1) (P&~Q)∨(~P&Q)  A
 2 (2) (P&~Q)         A
 2 (3)~(~P∨Q)         2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~(P→Q)         3含意の定義(Ⅰ)
 2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P)  4∨I
  6(6)        (~P&Q)  A
  6(7)       ~(P∨~Q)  6ド・モルガンの法則
  6(8)       ~(~Q∨P)  7交換法則
  6(9)        ~(Q→P)  8含意の定義
  6(ア) ~(P→Q)∨~(Q→P)  9∨I
1  (イ) ~(P→Q)∨~(Q→P)  1256ア∨E
1  (ウ)~{(P→Q)& (Q→P)} イ、ド・モルガンの法則
1  (エ) ~(P⇔Q)         ウ含意の定義
従って、
(04)により、
(05)
⑤ ~(P⇔ Q)
⑥  (P&~Q)∨(~P&Q)
に於いて、すなはち、
⑤(PとQの「真理値」が等しい。)といふことはない
⑥(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)
⑤=⑥ である。
然るに、
(06)
⑥(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)
に対して、
⑦(PであってQでないか、)尚且つ(PでなくてQである。)
の場合は、「矛盾」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑤ ~(P⇔ Q)
⑥   (P&~Q)∨(~P&Q)
に於いて、すなはち、
⑤(PとQの「真理値」が等しい。)といふことはない。
⑥(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)
に於いて、
⑤=⑥ である。
といふことは、
⑦(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)であるかの、どちらか「一方」である。
といふ、「意味」になる。
従って、
(07)により、
(08)
「番号」を付けなおすと、
① ~(P⇔Q)
② Pであるか、または、Qであるか、どちら一方だけが、「真(本当)」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
② Pであるか、Qであるか、どちら一方だけが、「真(本当)」である。
といふ場合を、「強選言(Strong disjunction)」といふ。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ~(P⇔Q)≡Pであるか、または、Qである。
といふ「論理式」は、「強選言(Strong disjunction)」である。
従って、
(10)により、
(11)
① ~( P⇔ Q)≡Pであるか、または、Qである。どちらか一方である。
② ~(~P⇔~Q)≡Pでないか、または、Qでない。どちらか一方である。
といふ「論理式」は、両方とも、「選言(Strong disjunction)」である。
cf.
最後は「PK戦」で「決着」を付けるとするならば、
①「新潟」が勝利するか、「京都」が勝利する。
②「京都」が敗退するか、「新潟」は敗退する。
に於いて、
①=② である(選言)。
cf.

然るに、
(12)
(ⅲ)
1(1)~(P& Q)        A
1(2)  P→~Q         1含意の定義(Ⅱ)
1(3) (P→~Q)∨(Q→~P) 2∨I
(ⅳ)
1  (1) (P→~Q)∨(Q→~P) A
 2 (2) (P→~Q)        A
 2 (3) ~P∨~Q         2含意の定義(Ⅰ)
 2 (4)~(P& Q)        3ド・モルガンの法則
  5(5)        (Q→~P) A
  5(6)        ~Q∨~P  5含意の定義
  5(7)        ~P∨~Q  6交換法則
  5(8)       ~(P& Q) 7ド・モルガンの法則
1  (9)~(P& Q)        12458∨E
従って、
(12)により、
(13)
③ ~(P& Q)
④   (P→~Q)∨(Q→~P)
に於いて、すなはち、
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
④(Pであるならば、Qでないか、)または(Qであるならば、Pでない。)
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(14)
③ ~(P&Q)
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
といふことは、
③(PとQが、「同時」に「」になる。)といふことに関しては、「それ」は無い
といふ「意味」である。
従って、
(14)により、
(15)
③ ~(P&Q)
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
といふことは、
③(PとQが、「同時」に「偽」になる。)といふことを、「否定」しない。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
③ ~(P& Q)
④ (P→~Q)∨(Q→~P)
に於いて、すなはち、
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
④(Pであるならば、Qでないか、)または(Qであるならば、Pでない。)
に於いて、
③=④ である。
といふことは、
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
といふことに、他ならない。 従って、
(16)により、
(17)
③ ~(P&Q)
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(18)
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
といふ場合を、「弱選言(Weak disjunction)」といふ。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
③ ~(P& Q)
④   (P→~Q)∨(Q→~P)
といふ「論理式」、すなはち、
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
といふ「それ」は、「弱選言(Weak disjunction)」である。
cf.
「PK戦」が無い場合、
③「新潟」が勝利するか、「京都」が勝利する。
④「新潟」が勝利するか、「京都」が勝利するか、または、「引き分け」である。
に於いて、
③=④ である(弱選言)。
従って、
(11)(19)により、
(20)
「番号」を付け直すと、
① ~(~P⇔~Q)≡(Pでないか、または、Qでないか、)どちらか、一方である。
② ~( P& Q)≡(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
に於いて、
① は「強選言」であって、
② は「弱選言」である。
然るに、
(21)
(ⅲ)
1   (1)~(P∨Q)  A
  2 (2)  P     A
  2 (3)  P∨Q   2∨I
1 2 (4)~(P∨Q)&
        (P∨Q)  13&I
1   (5) ~P     24RAA
   6(6)    Q   A
   6(7)  P∨Q   7∨I
1  6(8)~(P∨Q)&
        (P∨Q)  17&I
1   (9)   ~Q   68RAA
1   (ア)~P&~Q   69&I
(ⅳ)
1   (1)  ~P&~Q   A
 2  (2)   P∨ Q   A
  3 (3)   P      A
1   (4)  ~P      1&E
1 3 (5)   P&~P   34&I
  3 (6)~(~P&~Q)  13RAA
   7(7)      Q   A
1   (8)     ~Q   1&E
1  7(9)   Q&~Q   78&I
   7(ア)~(~P&~Q)  19RAA
 2  (イ)~(~P&~Q)  2367ア∨E
12  (ウ) (~P&~Q)&
       ~(~P&~Q)  1イ&I
1   (エ) ~(P∨ Q)  2ウRAA
従って、
(21)により、
(22)
③ ~(P∨ Q)≡(Pであるか、または、Qである。)といふことは無い。
④  ~P&~Q ≡(Pではなく、Qでもない。)
に於いて、
③=④ である(ド・モルガンの法則Ⅱ)。
然るに、
(23)
例へば、
③ ~(P∨  Q)
④   ~P&~Q
に於いて、
P=カオルは外国人である。
Q=カオルは 女性 である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
③(カオルが外国人であるか、または、カオルが女性である。)といふことはない。
④(カオルは日本人であって、尚且つ、は男性である。)
に於いて、明らかに、
③=④ である。
然るに、
(24)
③(外国人の、カオルといふ女性)は、存在し得るし、
③(日本人の、カオルといふ女性)は、存在し得るし、
④(日本人の、カオルといふ男性)も、存在し得る。
cf.
かおる、カオルは、日本語圏における人名である。男性名にも女性名にも用いられるユニセックスな名前
(ウィキペディア)
従って、
(18)~(24)により、
(25)
③(カオルが外国人であるか、または、カオルが女性である。)といふことはない。
④(カオルは日本人であって、尚且つ、は男性である。)
に於いて、明らかに、
③=④ である。
といふ場合に於ける、
③ ~(P∨ Q)≡(Pであるか、または、Qである。)といふことは無い。
③(カオルが外国人であるか、または、カオルが女性である。)といふことはない。
の場合は、
③「選言」の「否定」はなく、
④「選言」の「否定」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(26)
(ⅴ)
1(1)~(P& Q) A
1(2) ~P∨~Q  1ド・モルガンの法則
(ⅵ)
1(1) ~P∨~Q  A
1(2)~(P& Q) 1ド・モルガンの法則
従って、
(26)により、
⑤ ~(P& Q)
⑥  ~P∨~Q
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(19)(26)により、
(27)
⑤ ~(P& Q)
⑥  ~P∨~Q
に於いて、
⑤=⑥ であるが、この場合、
⑤ は、「弱選言」であって、「選言」ではない
従って、
(27)により、
(28)
⑤ ~(P& Q)
⑥  ~P∨~Q
に於いて、
P=サトコが外国人である。
Q=サトコが日本人である。
とすると、
⑤(サトコが外国人であって、尚且つ、サトコが日本人である。)といふことはない。
⑥(サトコは日本人であるか、または、サトコは外国人である。)
に於いて、
⑤=⑥ である(ド・モルガンの法則)。
とするならば、
⑥(サトコは日本人であるか、サトコは外国人であるか、サトコは、日本人であって外国人である。)
といふ「選言」に、ならざるを得ない。
然るに、
(29)
⑥(サトコは、日本人であって外国人である。)
といふことは、無い
従って、
(28)(29)により、
(30)
⑤ ~(P& Q)
⑥  ~P∨~Q
に於いて、
P=サトコは外国人である。
Q=サトコは日本人である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふことは、出来ない
従って、
(23)~(30)により、
(31)
③ ~(P∨  Q)
④  ~P&~Q
に於いて、
P=カオルは外国人である。
Q=カオルは 女性 である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふことは、「妥当」であるが、
⑤ ~(P& Q)
⑥  ~P∨~Q
に於いて、
P=サトコが外国人である。
Q=サトコが日本人である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふことは、「妥当」ではない。
従って、
(31)により、
(32)
「昨日(令和03年06月07日)」の「最初の記事」は、その「部分」が、「妥当」ではない。
然るに、
(04)(11)により、
(33)
もう一度、確認すると、
① ~( P⇔ Q)≡~{( P→ Q)&( Q→ P)}≡Pであるか、または、Qである。どちらか一方である。
② ~(~P⇔~Q)≡~{(~Q→~P)&(~P→~Q)}≡Pでないか、または、Qでない。どちらか一方である。
といふ「論理式」は、両方とも、「強選言(Strong disjunction)」である。
従って、
(34)
「古典命題論理」の「体系」に於いて、「選言(Strong disjunction)」は「複合命題」である。
といふことになるものの、「選言(Strong disjunction)」は、「排他的選言(Exclusive disjunction)」ともいふ。
然るに、
(35)
排他的選言の方はとによって簡単に表現できる ―(P∨Q)&~(P&Q)―
(昭和堂、論理学の基礎、1994年、11頁)
従って、
(33)(34)(35)により、
(36)
① ~(P⇔Q)
②  (P∨Q)&~(P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(37)
① ~(P⇔Q)
②  (P∨Q)&~(P&Q)
に於いて、
① であれば、
①(PとQの「真理値」が等しい。)といふことはない
といふことが、「明瞭」であるが、
② であれば、そうではないし、
① ~(P⇔Q)
の方が、
②  (P∨Q)&~(P&Q)
よりも、「表記」が、「簡単」である。
(38)
私の友人曰く、
(本日午後、古田徹也氏著 ウィトゲンシュタイン本が到着予定で、楽しみにしているところです。)
然るに、
(39)
(ウィトゲンシュタインの哲学の)前期というのは、濃厚に、「当時の記号論理学の成果」を前提にしていて、それをもとに、展開されといるので、それ自体がこう「非常に、参入障壁」というか、「その最初の、高すぎる壁」になってしまうわけですね(ユーチューブ:はじめてのウィトゲンシュタイン - 一生役立つ哲学入門)。
との、ことである。
然るに、
(40)
図書館にあった、「ウィトゲンシュタインの類似書」を見た限りでは、「その最初の、高すぎる壁」というのは、「極めて(低い)、初歩的な、古典論理学」に過ぎない(?)。