―「昨日(令和03年06月07日)の2つの記事」を「補足」します。―
(01)
―「ド・モルガンの法則」の証明。―
(ⅰ)
1 (1) ~(P&~Q) 仮定
2 (2) ~(~P∨ Q) 仮定
3 (3) ~P 仮定
3 (4) ~P∨ Q 3選言導入
23 (5) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 24連言導入
2 (6) ~~P 35背理法
2 (7) P 6二重否定
8(8) Q 仮定
8(9) ~P∨ Q 8選言導入
2 8(ア) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 29連言導入
2 (イ) ~Q 8ア背理法
2 (ウ) P&~Q 7イ連言導入
12 (エ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) 1ウ連言導入
1 (オ)~~(~P∨ Q) 2エ背理法
1 (カ) ~P∨ Q オ二重否定
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q 仮定
2 (2) P&~Q 仮定
3 (3) ~P 仮定
2 (4) P 2連言除去
23 (5) ~P&P 34連言導入
3 (6)~(P&~Q) 25背理法
7(7) Q 仮定
2 (8) ~Q 2連言除去
2 7(9) Q&~Q 78連言導入
7(ア)~(P&~Q) 29背理法
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア選言除去
12 (ウ) (P&~Q)&
~(P&~Q) 1イ連言導入
1 (エ)~(P&~Q) 2ウ背理法
―「含意の定義」の証明。―
(ⅲ)
1 (1) ~P∨ Q 仮定
2 (2) P&~Q 仮定
3 (3) ~P 仮定
2 (4) P 2連言除去
23 (5) ~P&P 34連言導入
3 (6)~(P&~Q) 25背理法
7 (7) Q 仮定
2 (8) ~Q 2連言除去
2 7 (9) Q&~Q 78連言導入
7 (ア)~(P&~Q) 29背理法
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア選言除去
ウ (ウ) P 仮定
エ(エ) ~Q 仮定
ウエ(オ) P&~Q ウエ連言導入
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ連言導入
1 ウ (キ) ~~Q エカ背理法
1 ウ (ク) Q キ二重否定
1 (ケ) P→ Q ウク条件去
(ⅳ)
1 (1) P→Q 仮定
2 (2) ~(~P∨Q) 仮定
3(3) ~P 仮定
3(4) ~P∨Q 3選言導入
23(5) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 24連言導入
2 (6) ~~P 35背理法
2 (7) P 6二重否定
12 (8) Q 17肯定肯定式
12 (9) ~P∨Q 8選言導入
12 (ア) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 29連言導入
1 (イ)~~(~P∨Q) 2ア背理法
1 (ウ) ~P∨Q イ二重否定
従って、
(01)により、
(02)
① ~(P&~Q)≡(Pであって、Qでない。)といふことはない。
② ~P∨ Q ≡ Pでないか、または、Qである。
③ ~P∨ Q ≡ Pでないか、または、Qである。
④ P→ Q ≡ Pであるならば、 Qである。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則Ⅰ)。
③=④ である(含意の定義Ⅰ)。
従って、
(02)により、
(03)
① ~(P&~Q)≡(Pであって、Qでない。)といふことはない。
④ P→ Q ≡ Pであるならば、Qである。
に於いて、
①=④ である(含意の定義Ⅱ)。
然るに、
(04)
(ⅴ)
1 (1) ~(P⇔Q) A
1 (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 2Df.⇔
1 (3) ~(P→Q)∨~(Q→P) 2ド・モルガンの法則
4 (4) ~(P→Q) A
4 (5)~(~P∨Q) 4含意の定義(Ⅰ)
4 (6) P&~Q 5ド・モルガンの法則
4 (7) (P&~Q)∨(~P&Q) 6∨I
8(8) ~(Q→P) A
8(9) ~(~Q∨P) 8含意の定義(Ⅰ)
8(ア) Q&~P 9ド・モルガンの法則
8(イ) ~P&Q ア交換法則
8(ウ) (P&~Q)∨(~P&Q) イ∨I
1 (エ) (P&~Q)∨(~P&Q) 1478ウ∨E
(ⅵ)
1 (1) (P&~Q)∨(~P&Q) A
2 (2) (P&~Q) A
2 (3)~(~P∨Q) 2ド・モルガンの法則
2 (4) ~(P→Q) 3含意の定義(Ⅰ)
2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P) 4∨I
6(6) (~P&Q) A
6(7) ~(P∨~Q) 6ド・モルガンの法則
6(8) ~(~Q∨P) 7交換法則
6(9) ~(Q→P) 8含意の定義
6(ア) ~(P→Q)∨~(Q→P) 9∨I
1 (イ) ~(P→Q)∨~(Q→P) 1256ア∨E
1 (ウ)~{(P→Q)& (Q→P)} イ、ド・モルガンの法則
1 (エ) ~(P⇔Q) ウ含意の定義
従って、
(04)により、
(05)
⑤ ~(P⇔ Q)
⑥ (P&~Q)∨(~P&Q)
に於いて、すなはち、
⑤(PとQの「真理値」が等しい。)といふことはない。
⑥(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)
⑤=⑥ である。
然るに、
(06)
⑥(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)
に対して、
⑦(PであってQでないか、)尚且つ(PでなくてQである。)
の場合は、「矛盾」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑤ ~(P⇔ Q)
⑥ (P&~Q)∨(~P&Q)
に於いて、すなはち、
⑤(PとQの「真理値」が等しい。)といふことはない。
⑥(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)
に於いて、
⑤=⑥ である。
といふことは、
⑦(PであってQでないか、)または(PでなくてQである。)であるかの、どちらか「一方」である。
といふ、「意味」になる。
従って、
(07)により、
(08)
「番号」を付けなおすと、
① ~(P⇔Q)
② Pであるか、または、Qであるか、どちら一方だけが、「真(本当)」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
② Pであるか、Qであるか、どちら一方だけが、「真(本当)」である。
といふ場合を、「強選言(Strong disjunction)」といふ。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ~(P⇔Q)≡Pであるか、または、Qである。
といふ「論理式」は、「強選言(Strong disjunction)」である。
従って、
(10)により、
(11)
① ~( P⇔ Q)≡Pであるか、または、Qである。どちらか一方である。
② ~(~P⇔~Q)≡Pでないか、または、Qでない。どちらか一方である。
といふ「論理式」は、両方とも、「強選言(Strong disjunction)」である。
cf.
最後は「PK戦」で「決着」を付けるとするならば、
①「新潟」が勝利するか、「京都」が勝利する。
②「京都」が敗退するか、「新潟」は敗退する。
に於いて、
①=② である(強選言)。
cf.
然るに、
(12)
(ⅲ)
1(1)~(P& Q) A
1(2) P→~Q 1含意の定義(Ⅱ)
1(3) (P→~Q)∨(Q→~P) 2∨I
(ⅳ)
1 (1) (P→~Q)∨(Q→~P) A
2 (2) (P→~Q) A
2 (3) ~P∨~Q 2含意の定義(Ⅰ)
2 (4)~(P& Q) 3ド・モルガンの法則
5(5) (Q→~P) A
5(6) ~Q∨~P 5含意の定義
5(7) ~P∨~Q 6交換法則
5(8) ~(P& Q) 7ド・モルガンの法則
1 (9)~(P& Q) 12458∨E
従って、
(12)により、
(13)
③ ~(P& Q)
④ (P→~Q)∨(Q→~P)
に於いて、すなはち、
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
④(Pであるならば、Qでないか、)または(Qであるならば、Pでない。)
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(14)
③ ~(P&Q)
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
といふことは、
③(PとQが、「同時」に「真」になる。)といふことに関しては、「それ」は無い。
といふ「意味」である。
従って、
(14)により、
(15)
③ ~(P&Q)
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
といふことは、
③(PとQが、「同時」に「偽」になる。)といふことを、「否定」しない。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
③ ~(P& Q)
④ (P→~Q)∨(Q→~P)
に於いて、すなはち、
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
④(Pであるならば、Qでないか、)または(Qであるならば、Pでない。)
に於いて、
③=④ である。
といふことは、
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
といふことに、他ならない。 従って、
(16)により、
(17)
③ ~(P&Q)
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(18)
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
といふ場合を、「弱選言(Weak disjunction)」といふ。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
③ ~(P& Q)
④ (P→~Q)∨(Q→~P)
といふ「論理式」、すなはち、
③(Pであって、Qである。)といふことはない。
④(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
といふ「それ」は、「弱選言(Weak disjunction)」である。
cf.
「PK戦」が無い場合、
③「新潟」が勝利するか、「京都」が勝利する。
④「新潟」が勝利するか、「京都」が勝利するか、または、「引き分け」である。
に於いて、
③=④ である(弱選言)。
従って、
(11)(19)により、
(20)
「番号」を付け直すと、
① ~(~P⇔~Q)≡(Pでないか、または、Qでないか、)どちらか、一方である。
② ~( P& Q)≡(Pであって、Qでないか、)または(Qであって、Pでないか、)または(Pではなく、Qでもない。)
に於いて、
① は「強選言」であって、
② は「弱選言」である。
然るに、
(21)
(ⅲ)
1 (1)~(P∨Q) A
2 (2) P A
2 (3) P∨Q 2∨I
1 2 (4)~(P∨Q)&
(P∨Q) 13&I
1 (5) ~P 24RAA
6(6) Q A
6(7) P∨Q 7∨I
1 6(8)~(P∨Q)&
(P∨Q) 17&I
1 (9) ~Q 68RAA
1 (ア)~P&~Q 69&I
(ⅳ)
1 (1) ~P&~Q A
2 (2) P∨ Q A
3 (3) P A
1 (4) ~P 1&E
1 3 (5) P&~P 34&I
3 (6)~(~P&~Q) 13RAA
7(7) Q A
1 (8) ~Q 1&E
1 7(9) Q&~Q 78&I
7(ア)~(~P&~Q) 19RAA
2 (イ)~(~P&~Q) 2367ア∨E
12 (ウ) (~P&~Q)&
~(~P&~Q) 1イ&I
1 (エ) ~(P∨ Q) 2ウRAA
従って、
(21)により、
(22)
③ ~(P∨ Q)≡(Pであるか、または、Qである。)といふことは無い。
④ ~P&~Q ≡(Pではなく、Qでもない。)
に於いて、
③=④ である(ド・モルガンの法則Ⅱ)。
然るに、
(23)
例へば、
③ ~(P∨ Q)
④ ~P&~Q
に於いて、
P=カオルは外国人である。
Q=カオルは 女性 である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
③(カオルが外国人であるか、または、カオルが女性である。)といふことはない。
④(カオルは日本人であって、尚且つ、は男性である。)
に於いて、明らかに、
③=④ である。
然るに、
(24)
③(外国人の、カオルといふ女性)は、存在し得るし、
③(日本人の、カオルといふ女性)は、存在し得るし、
④(日本人の、カオルといふ男性)も、存在し得る。
cf.
かおる、カオルは、日本語圏における人名である。男性名にも女性名にも用いられるユニセックスな名前。
(ウィキペディア)
従って、
(18)~(24)により、
(25)
③(カオルが外国人であるか、または、カオルが女性である。)といふことはない。
④(カオルは日本人であって、尚且つ、は男性である。)
に於いて、明らかに、
③=④ である。
といふ場合に於ける、
③ ~(P∨ Q)≡(Pであるか、または、Qである。)といふことは無い。
③(カオルが外国人であるか、または、カオルが女性である。)といふことはない。
の場合は、
③「強選言」の「否定」はなく、
④「弱選言」の「否定」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(26)
(ⅴ)
1(1)~(P& Q) A
1(2) ~P∨~Q 1ド・モルガンの法則
(ⅵ)
1(1) ~P∨~Q A
1(2)~(P& Q) 1ド・モルガンの法則
従って、
(26)により、
⑤ ~(P& Q)
⑥ ~P∨~Q
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(19)(26)により、
(27)
⑤ ~(P& Q)
⑥ ~P∨~Q
に於いて、
⑤=⑥ であるが、この場合、
⑤ は、「弱選言」であって、「強選言」ではない。
従って、
(27)により、
(28)
⑤ ~(P& Q)
⑥ ~P∨~Q
に於いて、
P=サトコが外国人である。
Q=サトコが日本人である。
とすると、
⑤(サトコが外国人であって、尚且つ、サトコが日本人である。)といふことはない。
⑥(サトコは日本人であるか、または、サトコは外国人である。)
に於いて、
⑤=⑥ である(ド・モルガンの法則)。
とするならば、
⑥(サトコは日本人であるか、サトコは外国人であるか、サトコは、日本人であって外国人である。)
といふ「弱選言」に、ならざるを得ない。
然るに、
(29)
⑥(サトコは、日本人であって外国人である。)
といふことは、無い。
従って、
(28)(29)により、
(30)
⑤ ~(P& Q)
⑥ ~P∨~Q
に於いて、
P=サトコは外国人である。
Q=サトコは日本人である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふことは、出来ない。
従って、
(23)~(30)により、
(31)
③ ~(P∨ Q)
④ ~P&~Q
に於いて、
P=カオルは外国人である。
Q=カオルは 女性 である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふことは、「妥当」であるが、
⑤ ~(P& Q)
⑥ ~P∨~Q
に於いて、
P=サトコが外国人である。
Q=サトコが日本人である。
といふ「代入(Substitution)」を行ふことは、「妥当」ではない。
従って、
(31)により、
(32)
「昨日(令和03年06月07日)」の「最初の記事」は、その「部分」が、「妥当」ではない。
然るに、
(04)(11)により、
(33)
もう一度、確認すると、
① ~( P⇔ Q)≡~{( P→ Q)&( Q→ P)}≡Pであるか、または、Qである。どちらか一方である。
② ~(~P⇔~Q)≡~{(~Q→~P)&(~P→~Q)}≡Pでないか、または、Qでない。どちらか一方である。
といふ「論理式」は、両方とも、「強選言(Strong disjunction)」である。
従って、
(34)
「古典命題論理」の「体系」に於いて、「強選言(Strong disjunction)」は「複合命題」である。
といふことになるものの、「強選言(Strong disjunction)」は、「排他的選言(Exclusive disjunction)」ともいふ。
然るに、
(35)
排他的選言の方は∨と&と~とによって簡単に表現できる ―(P∨Q)&~(P&Q)―
(昭和堂、論理学の基礎、1994年、11頁)
従って、
(33)(34)(35)により、
(36)
① ~(P⇔Q)
② (P∨Q)&~(P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(37)
① ~(P⇔Q)
② (P∨Q)&~(P&Q)
に於いて、
① であれば、
①(PとQの「真理値」が等しい。)といふことはない。
といふことが、「明瞭」であるが、
② であれば、そうではないし、
① ~(P⇔Q)
の方が、
② (P∨Q)&~(P&Q)
よりも、「表記」が、「簡単」である。
(38)
私の友人曰く、
(本日午後、古田徹也氏著 ウィトゲンシュタイン本が到着予定で、楽しみにしているところです。)
然るに、
(39)
(ウィトゲンシュタインの哲学の)前期というのは、濃厚に、「当時の記号論理学の成果」を前提にしていて、それをもとに、展開されといるので、それ自体がこう「非常に、参入障壁」というか、「その最初の、高すぎる壁」になってしまうわけですね(ユーチューブ:はじめてのウィトゲンシュタイン - 一生役立つ哲学入門)。
との、ことである。
然るに、
(40)
図書館にあった、「ウィトゲンシュタインの類似書」を見た限りでは、「その最初の、高すぎる壁」というのは、「極めて(低い)、初歩的な、古典論理学」に過ぎない(?)。