―「今日(令和03年06月14日)の記事」を書き直します。―
(01)
(ⅰ)
1 (1) (P&Q)⇔R A
1 (2){(P&Q)→R}&{R→(P&Q)} 1Df.⇔
1 (3){(P&Q)→R} 2&E
1 (4) R→(P&Q) 2&E
5(5) ~P∨~Q A
5(6) ~(P&Q) 5ド・モルガンの法則
15(7) ~R 46MTT
1 (8) (~P∨~Q)→~R 57CP
1 (9){(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R} 38&I
(ⅱ)
1 (1){(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R} A
1 (2){(P&Q)→R} 1&E
1 (3) (~P∨~Q)→~R 1&E
4(4) R A
4(5) ~~R 4DN
14(6) ~(~P∨~Q) 35MTT
14(7) (P&Q) 6ド・モルガンの法則
1 (8) R→(P&Q) 47CP
1 (9){(P&Q)→R}&{R→(P&Q)} 28&I
1 (ア) (P&Q)⇔R 9Df.⇔
従って、
(01)により、
(02)
① (P&Q)⇔R
②{(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① (P&Q)⇔R
といふ「論理式」、すなはち、
①{(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R}
といふ「論理式」は、
①{(Pであって、Qである)ならば、Rである}が、{(Pでないか、Qでないか、PでもQでもない)ならば、Rではない}。
といふ、「意味」である。
従って、
(03)により、
(04)
① (P&Q)⇔R
といふ「論理式」、すなはち、
①{(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R}
といふ「論理式」は、
① Rであるためには、Pだけ、あるいは、Qだけでは、「不十分」である。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(05)
② 焼酎割=焼酎&お湯
であるとすると、
② 焼酎割を飲むと気分が良くなる。
といふ「命題」は、
②(焼酎を飲み&お湯を飲む)ならば(気分が良くなる)。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(05)により、
(06)
P=焼酎を飲む。
Q=お湯を飲む。
R=気分が良くなる。
とするならば、
② 焼酎割を飲むと気分が良くなる。
といふ「命題」は、
②(P&Q)→R
といふ「命題」に、「等しい」。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1 (1) (P&Q)→R A
1 (2)~(P&Q)∨R 1含意の定義
3 (3)~(P&Q) A
3 (4)~P∨~Q 3ド・モルガンの法則
3 (5)~P∨~Q∨R 4∨I
6 (6) R A
6 (7) ~P∨~Q∨R 6∨I
1 (8) ~P∨~Q∨R 13567∨E
1 (9)~P∨(~Q∨R) 3結合法則
ア (ア)~P A
ア (イ)~P∨R ア∨I
ア (ウ) P→R イ含意の定義
ア (エ)(P→R)∨(Q→R) ウ∨I
オ(オ) (~Q∨R) A
オ(カ) Q→R オ含意の定義
オ(キ)(P→R)∨(Q→R) カ∨I
1 (ク)(P→R)∨(Q→R) 2アエオキ∨I
(ⅲ)
1 (1)(P→R)∨(Q→R) A
2 (2)(P&Q) A
3 (3) P→R A
(4) P 2&E
23 (5) R 34MPP
6(6) Q→R A
2 (7) Q 2&E
2 6(8) R 67MPP
12 (9) R 13568∨E
1 (ア)(P&Q)→R 29CP
従って、
(07)により、
(08)
②(P&Q)→R├(P→R)∨(Q→R)
③(P→R)∨(Q→R)├(P&Q)→R
といふ「連式」は、「妥当」である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
②(P&Q)→R├(P→R)∨(Q→R)
といふ「連式」、すなはち、
②(焼酎を飲み&お湯を飲む)ならば(気分が良くなる)。従って、
②(焼酎を飲む) ならば(気分が良くなる)か、または、
②(お湯を飲む) ならば(気分が良くなる)か、または、
②(焼酎とお湯を飲む) ならば(気分がよくなる)。
といふ「演繹推理」は、「妥当」である。
然るに、
(10)
②(焼酎を飲み&お湯を飲む)ならば(気分が良くなる)。従って、
②(焼酎を飲む) ならば(気分が良くなる)か、または、
②(お湯を飲む) ならば(気分が良くなる)か、または、
②(焼酎とお湯を飲む) ならば(気分がよくなる)。
といふ「演繹推理」が、「妥当」である。ならば、
(11)
②(焼酎を飲み&お湯を飲む)ならば(気分が良くなる)。従って、あるいは、
②(焼酎を飲む) ならば(気分が良くなる)と「推定」できる。
といふ「蓋然的推理」は、「可能」である。
従って、
(05)~(11)により、
(12)
②(P&Q)→R├(P→R)∨(Q→R)
といふ「連式」は、「妥当」であり、それ故、
②(P&Q)→R
であるならば、
②(P→R)
であることは、「可能」である。
従って、
(04)(12)により、
(13)
①(P&Q)⇔R
②(P&Q)→R
に於いて、
① ならば、
②(P→R)≡焼酎を飲むと、気分が気分が良くなる。
といふことは、「不可能」であるが、
② ならば、
②(P→R)≡焼酎を飲むと、気分が気分が良くなる。
といふことは、「可能」である。
然るに、
(14)
①(P&Q)⇔R
ではなく、
②(P&Q)→R
といふ「論理式」に関して、
大西拓郎先生(京都大学)曰く、
PかつQ、2つの前提からRが導かれるんだったら実はそれ、1つで十分ですよ、みたいな、そういう推論なんですね。まぁこれ、をかしい。
実質含意にはこういう変な推論がどうしてもつきまとうんですが、厳密含意になると、それがちゃんと妥当ではなくなってくれるという、ことです[2020年度後期哲学演習I 厳密含意の論理(1) [修正版](ユーチューブ:9分10秒頃)]。
従って、
(14)により、
(15)
①(P&Q)⇔R
②(P&Q)→R
に於いて、
① ではなく、
② であれば、
②(P→R)≡焼酎を飲むと、気分が気分が良くなる。
といふことが「可能」であることは、「まぁこれ、をかしい。」
といふ風に、述べてゐる。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
大西拓郎先生は、
①(P&Q)⇔R
②(P&Q)→R
に於いて、
①と② を、「混同」してゐると、言はざるを、得ない。
然るに、
(02)により、
(17)
① (P&Q)⇔R
といふ「命題」、すなはち、
②{(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R}
といふ「命題」が「真」である。
といふことは、
(ⅰ)Pでなくて、Qである。ならば、Rではない。
(ⅱ)Pであって、Qでない。ならば、Rではない。
(ⅲ)Pでなくて、Qでない。ならば、Rではない。
が、ただし、
(ⅳ)Pであって、Qである。ならば、Rである。
といふことに、他ならない。
従って、
(17)により、
(18)
P=直角三角形である。
Q=二等辺三角形である。
R=斜辺の長さは底辺の長さの√2倍である。
として、
①(P&Q)⇔R
であるならば、すなはち、
①{(P&Q)→R}&{(~P∨~Q)→~R}
であるならば、
(ⅰ)「直角三角形」でなくて、「二等辺三角形」である。ならば、「斜辺の長さは、底辺の長さの√2倍」ではない。
(ⅱ)「直角三角形」であって、「二等辺三角形」でない。ならば、「斜辺の長さは、底辺の長さの√2倍」ではない。
(ⅲ)「直角三角形」でなくて、「二等辺三角形」でない。ならば、「斜辺の長さは、底辺の長さの√2倍」ではない。
が、ただし、
(ⅳ)「直角三角形」であって、「二等辺三角形」である。ならば、「斜辺の長さは、底辺の長さの√2倍」である。
従って、
(18)により、
(19)
①(P&Q)⇔R
②(P&Q)→R
に於いて、
② ではなく、
① に関して、
P=直角三角形である。
Q=二等辺三角形である。
R=斜辺の長さは底辺の長さの√2倍である。
として、
大西拓郎先生(京都大学)曰く、
PかつQ、2つの前提からRが導かれるんだったら実はそれ、1つで十分ですよ、みたいな、そういう推論なんですね。まぁこれ、をかしい。
実質含意にはこういう変な推論がどうしてもつきまとうんですが、厳密含意になると、それがちゃんと妥当ではなくなってくれるという、ことです[2020年度後期哲学演習I 厳密含意の論理(1) [修正版](ユーチューブ:9分10秒頃)]。
といふのであれば、確かに、「実質含意(古典論理)は、まぁこれ、をかしい。」
といふ、ことになる。