ホンキの作曲術(基礎編)その(2)は「メロディを作る」です。
巷にあふれた曲にはたくさんのメロディがあります。
そんな中でもパッと聴いただけで耳を奪われる印象的なメロディってありますよね。
印象的なメロディ、これも「シンプル」が基本。
シンプルなメロディは譜面にした時に「きれい」な形をしています。
それは1つのリズムやフレーズのパターンを繰り返すものが多いです。
1つのフレーズが思い浮かんだらそれをリズムでも音程でも「繰り返す」ことをやってみましょう。
繰り返すことで1つのメロディはその印象を強めます。
次に重要なのはコード進行。
これはメロディと一緒に思いつくことが多いと思います。
ブルース進行、II-V-I-VI 進行、クリシェ進行、IV−I 進行、V-I 進行、VI-II-V-I 進行、I-V-VI-III(カノン進行)・・・などなど名前のついたコード進行も多いですね。
人によってはこういう決まったコード進行をループしながらメロディを作る人も多いはず。
だけど「あれもあり」「これもあり」のうちは「いいメロディ」とは言えません。
「これしかない」というメロディが浮かんだらそれがホンモノです。
調性を考える。
曲作りの上で欠かせないのはコード進行ですが、同じくらい大事なのは調性(キー)です。
全体の調性は、歌ものの場合は歌いやすさ楽器の弾きやすさもありますが、それぞれの調の持つ特性を少し意識すると曲の印象をさらに強めることが出来ます。
そしてAメロ、Bメロ、Cメロを長調で作るか短調で作るかでも曲の印象はかなり変わってきます。
A(長調)−B(短調)−A(長調)「さとうきび畑」(森山良子(寺島尚彦作詞・作曲))
A(短調)−B(長調)−C(短調)「異邦人」(久保田早紀)
A(長調)−B(短調)−C(短調)「ロビンソン」(スピッツ)
このように長調と短調をうまく組み合わせることによって曲の印象をカラフルにすることができます。
単調になって聴く人を退屈させないことは大切なことです。
余談ですが、私が昨年から取り組んでいるタンゴの曲は必ずといっていいほど1曲の中にどんどん同主転調が出てきます。2分くらいの曲なのに長調になったり短調になったりめまぐるしく曲が展開します。
タンゴの生まれた国のお国柄。
アルゼンチンの人は気が変わりやすいのかな~と思います。
コード進行についてもっと知りたい人に以下に参考ページを載せます。
コードについて学ぶ(YAMAHA)
コード進行パターン集
コードの基本パターン集
自分の好きな曲のメロディやコード進行のパターンそして調性を書き出してみましょう。自分なりの「好み」がわかってくるかもしれませんね。
昨日はベーシストの西本さんとお話ししたのですが、そんな中に西本さんの1つの名言がありました。
「ベースがコードを支配する」
おお!!まさにその通りかもー。曲作りで大事なのは「コード」<「ベース」かもしれませんね。
上のIIとかIとかはカデンツで使われる和音記号ですが、Iをド、IIをレ、IIIをミ、IVをファ、と置き換えてメトロノームをならしながらベースラインを弾いてみましょう。
メロディが浮かんできませんか?
あなたの中からたった1つのあなただけのメロディが浮かび上がってくる。
リズムやベースやコード進行はその「呼び水」です。
作曲本~メロディーが歌になる~ | |
野口 義修 | |
シンコーミュージック |
この本は私がYAMAHAのソングライター養成通信講座でお世話になった野口義修(のぐちよしのぶ)先生の書かれた作曲のためのノウハウ本です。とってもわかりやすく書かれています。
これから曲作りをしてみたいと思ってる方におすすめです。ぜひ読んでみて下さい。
最後に余談ですが、歌い出しのメロディで1小節目に休符がくると弱気な印象、1小節目よりも前にくると(アウフタクト)、強気な印象を与えます。私の曲はこのアウフタクトが圧倒的に多いです。つまり強気です(笑)。
アウフタクトの曲はメロディがコードを支配して、休符から始まる曲はリズム(コード)がメロディを支配している感じをがしますね。1小節目の1拍目からジャストで始まるか、アウフタクトで(1小節目より前から)始まるか、休符から始まるか、メロディのスタートをいろいろ変えてみると雰囲気が変わるので試してみましょう。