第140回(2008年上半期)直木賞受賞作
直木賞を受賞する前に気になって、図書館で予約して、
やっと、借りることができました。
全国を放浪し、縁もゆかりもない死者を悼む旅を続ける青年。
新聞記事や週刊誌の記事から、死者が出た場所を訪れ、
その人のために祈ることが、いったいなんの役に立つのか?
まるでミステリーのように、その理由が知りたくてどんどん読み進めていくと、
あちこちに、号泣する場面がちりばめられていて、
涙のわけを考えて、ボーっとしたりして、休憩すること度々。
青年を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、
末期癌の母らのドラマが繰り広げられ、
特に、母親の症状が詳しく描かれていて、癌と戦うという事は、
それはそれは、見も心も疲れ果ててしまいそうな、
たとえようもなく辛いものだと痛感。
物語の内容は、今ひとつ納得しかねる部分があったりするのだけれど、
読み終えた後、なんだか、すっきりしたのはなぜでしょう。
たっぷり涙を流したせいかも?