岩屋寺の大師堂は正面に向拝を設けた銅板葺きの方形屋根の建物です。竣工は大正9年(1920)です。正面向拝の角柱を二本組にして、柱身にエンタシスを付け、柱頭部にバラと組紐飾り状の装飾を付けています。基本的には伝統的な寺院建築の構成を基本としていますが、軸部の構成や細部意匠に西洋建築のデザインが取り入れられていて、一種独特な空気感を醸し出しています。かといって、調和は乱さなく自然にまとめられていて、近代寺院建築を代表するものなのかと思います。平成19年(2007)に重要文化財に指定されています。設計は大蔵省臨時議院建築局技手であった河口庄一で、大工は窪田文治郎となっています。
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